表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水の戦乙女(アクア・ヴァルキリー)   作者: らいとふっと
25/175

初撃


結局、私の属性とやらは解らない。

と言うより、自分でも知らない。


それならば、対ドラゴン戦で発動させれば良いのだとデューレは言うけれど…



ちなみにデューレの属性は風。

弓を射るだけで敵を切り裂く突風や、果ては竜巻だって起こせるらしい…ってホントなのかな?



そしてローランの属性は光だったらしい。

4精霊が司る火・水・風・土の他にも光と闇があるそうで。

ローランが神剣から出してた衝撃波、確かに光みたいに輝いていたのを思い出す。



あの頃の思い出が頭を過る。


腰に据える細身剣(レイピア)となった神剣に手を当てながら。





そしていよいよ…


目的地である丘陵地帯に到着した。

馬を降りて徒歩で進みながら、神経を研ぎ澄ませる。



「デビュー初戦がドラゴンだなんて、あり得なさ半端ないよね〜!ま、アタシが付いてるから安心してくれて良いけど!」


デューレの軽口に、いよいよ初となる魔獣戦の実感がひしひしと湧いてくる。



先を進むこと1時間近くが過ぎた頃。


空気が変わった。


天気は曇り空。

少しずつ霧が出始めている。


まだドラゴンの巨体は見えてはいないが、近くに居る!




「セーラっち!来たわよッ!」


デューレの叫び声を聞いた瞬間、私達を狙った一条の稲妻。

雷と違って上からではなく、水平に放たれた電撃。


ドラゴンブレス!


デューレと私はそれぞれ左右に跳び退いて、稲妻を回避していた。


当たったら間違いなく…死ぬ!!



それでも、何故か私は冷静に落ち着いていた。

むしろ自らの技量がどれ程の物なのか、それを知りたい気持ちだけが私を包んでいる。


深くなってきた霧のせいでブレスが放たれた方向にドラゴンは確認出来ない。


だか、蒼雷龍(ブルードラゴン)は間違いなく居る!

自分のテリトリーに入って来た私達を狩ろうとしている!

その殺気を感じる!




「デューレ、初撃は私にやらせてッ!」


弓を構えている相棒に告げながら、私は神剣ジュワユーズを引き抜いた。



精神を統一。

ゆっくりと息を吐く。

辛く激しかった修練で身に付けた、一撃必殺の刺突の構え。


(ジュワユーズ、力を…貸してッ!)




「ハアアアアッッッッッッ!!!」



前方に感じる殺気を目掛けて、雄叫びを上げながら神剣を渾身の力で撃ち抜く。



その刹那…


神剣から放たれた衝撃。

それは、美しき水の奔流。

まるで大気中の水分を奪うかの様に、細かな水の粒が瞬時に生まれては輝き、奔流に吸い込まれてゆく。



凄まじい轟音を立てながら、先程のドラゴンブレスのお返しとばかりに一直線に伸びゆく大奔流。


一瞬であった。



反撃も無くなり、用心しながらデューレと一緒に先に進んだ先に見たモノ。

それは私の初撃によってグチャグチャになった蒼雷龍(ブルードラゴン)


「うわぁ、やり過ぎ! でも…これで晴れて水属性の戦乙女(ヴァルキリー)だよ、セーラっち!」


見るも無残な姿となっていたドラゴンの死骸を見ながら、私を労ってくれる相棒。




(少しだけ…ローランに近付いたよ!)


心の中で私はそう報告していたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ