属性
「そういえば、セーラっちの属性は何なの?」
ドラゴン討伐への道中、デューレが投げ掛けた質問。
属性…?とは何の事なんだろう?
あ…もしかして、SとかMとか言うアレ?
なるほど、また残念エルフが弄りに来たのだと確信した。
よし、たまには乗ってやろうじゃん!
「私の属性…うーんと、雌豚ちゃん?」
咄嗟に口にしたものの、顔から火が出そうだ。
デューレ相手とは言えど、恥ずかしさを隠し切れない。
ある意味、毎回この様な事を言う彼女は凄い気がしないでもない。
ところが…
「え……?め、雌豚…ちゃん?」
アレ?乗って来ない?
それどころか、可愛い顔は惜しげもなくポカーンと口を開いたまま固まっている。
うーん、流石に雌豚ちゃんは高度過ぎた?
もう少し解り易く言うべきなのかな?
それなら…よし!
「訂正するわ!私は…そう!ムッツリスケベかな?」
デューレの開いた口は塞がらない。
更に彼女の硬直は続いている。
なんだかいつもと違うし…。
まるでドン引きしてる様な…あれれ??
暫くして、ようやく…
「プッ!プププッ!クッ……クスクスッ!」
エルフにあるまじき笑い声を上げながら、デューレは腹を抱え出した。
もしかして、滑っちゃった?
たまにはデューレのレベルまで落とした発言で、少しばかり喜ばせてあげようかと思ったんだけど。
「やっぱ、セーラっち最高だわ!雌豚ちゃんって!ムッツリスケベ属性ぃ〜!もうダメ〜!笑い過ぎてお腹痛くなってきた〜!」
身をよじらせて笑い続けるデューレ。
後に、とある人物から『残念コンビ』と呼ばれる事となる私達2人の伝説が始まった瞬間であった…らしいよ、コレ。
属性とは火・水・風・土の4つがある、この世界を司る精霊の加護である。
勇者と四聖人のみが、魔法をも凌駕する属性の力を行使出来るらしい。
だいたい解った。
元の世界でのロープレと同じ事だね。
そういう分野の知識って、この世界に通じる共通点が多いなぁ。
元の世界でファンタジー世界を最初に考案したのって、私とは逆に向こうに転移した人かもしれないね。
そして私はあまりにも恥ずかしい解答をした事を知り、今頃になって赤面している。
「雌豚…ププッ!ムッツリ…ププププッ!」
残念エルフのツボに入り過ぎたのか、デューレは思い出しては笑い出す。
彼女が悶絶するのを見ながら、当分はこのネタで弄られる事を覚悟するしかなかった。
世界観うんちく
デューレについて
フルネームはデュレンディーヌ・スカイディア。
グロニア王国内の森林地帯に位置するハイエルフ集落の族長の娘。161歳(人間に換算すると16歳)。
幼い頃に慕っていた先代の弓術士である叔父の影響で、人間との交流を好む珍しいエルフとなってしまっている。
中でも恋愛話が大好物だが、探究心が変な方向を向いている。
セーラ云く『残念エルフ』。
黙ってさえいれば、誰もが見惚れる可憐な美少女。
亡き叔父の形見でもある『嵐弓フェイルノート』と呼ばれる長弓を駆る現在の弓術士。
セーラと仲違いした際、真摯に反省し謝罪している。
その理由こそ、彼女と亡き叔父との関係がセーラとローランの悲劇とほぼ同じであったからである。




