相棒
エルフの集落を訪れた翌朝、私は族長によって魔獣討伐の詳細を聞いた。
ここから馬を走らせ半月程の距離にある丘陵地帯。
たまたま狩猟に出向いていたエルフ達が既に犠牲になってしまったという。
命からがら生き長らえた者の証言によると、その魔獣こそ…ドラゴン!
青い鱗に覆われ、口からは凄まじき雷撃を吐く蒼雷龍と呼ばれる魔獣。
この大陸に於いて六大魔龍と呼ばれ、畏怖されている6種のドラゴンの一角であるという。
ちなみに6種の内、暗黒龍はローランが既に討伐したって聞いた。
今頃になって英雄と呼ばれた彼の偉大さを実感してしまう。
あまりにも強大な相手だが、ここで負けてしまう様ではローランの遺志を継ぐ資格は無い。
私は二つ返事で承諾したのだった。
そして、目的である丘陵地帯に向かっている。
「セーラっち!もう少しで宿場町が在るからさ、今日は其処で休もうよ?」
私に並んで馬を走らせるのはデューレ。
族長が私をサポートする様、弓術士である彼女を同行させてくれたのである。
「そうだね。 馬も疲れているし…少し早目に休もうか?」
宿場町に入ると、そのまま宿屋に直行。
デューレと同室で休む事にした。
そういえば、ローランはずっと別室を宛てがってくれてた事を思い出す。
凄く、紳士だったんだな…
「ね、セーラっち〜?」
いつの間にか、デューレは私の事をこう呼ぶ。
「私達に向けられてた町の男性達の視線に気が点いてた〜?」
視線?
痴女みたいな戦乙女の恰好はマントで隠してた筈なんだけど…?
キョトンとしてしまう私。
「解らない? あちこちで噂になっているのよ。 見目麗しい戦乙女と、純真可憐な弓術士が魔王を倒すべく旅を始めたって! 未だセーラっちが見習いなのは勿論ナイショだけど…」
見目麗しいって…!?
私、全然そんなんじゃないけど。
それより、デューレが自分で純真可憐って言うのだけは全力で否定させて貰おう。
「って訳でさ! 今回のドラゴン退治が終わっても、セーラっちと一緒に行くからヨロシクね?」
私は新たな旅のパートナーを得た。
こちらこそ、これからも宜しくねデューレ!
本当はそう言いたかったんだけど、どこか恥ずかしくなった私は苦笑いしながら頷くのだった。
世界観うんちく
お気付きかもしれませんが、セーラは自覚が無いだけでかなりの美少女です。
元の世界では高嶺の花のあまり、周りの男の子達は声も掛けられずだったり、兄が照れ隠しに妹をブスと罵った事があるのが原因。




