第05話 現状把握
前世ではレディースのものなど買ったことがなかったので、正直わからない。パンティはあまり派手でないもの、それとTシャツ。ブラジャーは慣れないと大変そうなのでスポブラを選ぶ。
着替える時も、また俺の目の前で全裸になったので、少し恥じらってもらうとありがたいと諭した。しかし、美女が恥じらいながら着替える姿を見せられると、それはそれで興奮してしまうのは男の性。
靴も新しいものを履き、全員がスポーティな恰好になったところで一階へ降りる。フードコートなども見たところ、飲食物を作るだけの設備や材料もあったが、今はとりあえず出来合いの物でいい。
パン屋でサンドイッチを取り、缶コーヒーを持ってコーヒーショップの丸テーブルを囲んだ。
「この世界のことを教えてほしい。時間の概念とか、風土とか・・・」
「基本的には太郎様の生きていた日本と変わりません。数字は10進法です。1日は24時間。毎月30日で1年は12か月..つまり360日となっています。この地域では雪が降るほどではありませんが、四季は存在します。距離の単位は異なりますがメートル法と同等です。通貨も存在しますが、地域によって単位も価値も異なります」
レイミがスラスラと答える。
「文化水準は、日本の15~16世紀頃で間違いはない?」
「はい、その通りです。なにかあれば話し合いというより武力で解決という場面も多いようです。ただ、鉄砲や大砲などの火器は殆どなく、農具やこん棒などで殴りあう方法になります」
思ってた通りだ。たった数十年前の昭和時代だってアレだったんだから、500年も前じゃ俺が思うよりよほど命が軽い世界なんだろう。
「ちなみに、この建物は敵意のある者は入ってこれないの?」
「はい、太郎様が許可した者以外は立ち入ることはできません」
今のところ、このショッピングモールが俺たちの唯一のセーフティゾーンということだ。だが、ここから一歩でも外へ出れば俺の経験したことのない世界。俺は目の前の三人の生殺与奪権を握っていると言っても過言ではない。館内にあるものを使って、できるだけ守備力を固めることが優先課題だ。
「それにしても、レイミはなんでも知ってるね」
「ありがとうございます」
レイミが嬉しそうな顔をした。するとユウカとヒナタが口を開く。
「太郎様、レイミのことだけ褒めて羨ましいです」
「そうです。私にもなんでも聞いてください」
ちょっと拗ねた感じのユウカとヒナタも可愛い。
ふとサンドイッチの袋を見ると製造日だろうか、01.04.01と記載があった。これを聞いてみると、『04.01はこの世界の月日、最初の01は太郎様がこの世界に降臨した年(元号のようなもの)なのでしょう』とのことだった。
「ところで、みんなは人間の女性と同じように考えていいの?」
改めてだが、当たり前のようにサンドイッチを食べてコーヒーを飲んでいる三人に聞いてみた。
「もちろんです。人間と同じように睡眠して食事も摂りますし、排泄もします。太郎様の知っている女性と同じように扱ってください」
俺の知っている女性って言ってもね...三十歳まで女性と付き合ったことがないわけでもないが、片手で数えられるほどだ。しかも、三人のような美女と接したこともないし。
ただ、ここまでの彼女たちの態度を見る限り、無理をしている感じはなく、最初に言った言葉に偽りはないように思う。
「もし俺が気が付かないところで不快な思いをさせてしまったりしたら、遠慮なく言って欲しい」
俺の言葉に信じられないというように、三人が顔を見合わせた。
「太郎様。先ほど申し上げた通り、私たちは貴方様の従順な下部なのですよ。どんなことも遠慮しないで命ずるだけでいいのです」
レイミの言葉にユウカもヒナタも激しく頷き、優しく微笑みかける。
癒されるわ~ なんだか俺、すっごい幸せな気分なんですけど。




