第04話 ショッピングモール
俺が歩き始めると少し下がって三人が続く。玄関の自動ドアは問題なく開いた。
館内は空調が効いており、照明が明るく照らしている。通路沿いにテナントショップが並んでいるのが見える。確かに俺の知っているショッピングモールだ。
「ここは本当に俺の所有物なの?」
「もちろん。太郎様だけの物です」
「店内にある商品も?」
「はい、この敷地内は水の一滴までも太郎様の物です」
レイミが答える。ナイフとか水とか言わなくてよかった~ だってそんなもの、この中には山ほどありそうだし。
俺たちは、時間をかけて館内を散策した。
エレベーターやエスカレーターは正常に作動した。テナントが入っているのは3階までで、屋上は駐車場になっている。今、俺たちはその駐車場から眼下を眺めている。敷地の建物自体は四角く配置されている。今まで俺たちが見てきたテナントが入っている場所はコの字型になっていて、四角のもう一辺には家具センターやホームセンターが独立して並んでいる。四角の真ん中の地上スペースは小さな公園風の造りで、噴水の出る池があって芝生の上にベンチが置かれている。
辺りの景色を見渡してみると、ここは小高い丘のような場所で、近くに人工物は見当たらない。方角はわからないが、背面の遥か向こうに海らしきものがある。正面はなだらかな下り坂になっていて小道が伸びている。さらにそのずっと先の平地には集落らしきものが見える。田んぼや畑、川などもあるようだ。
「ちょっと休憩しようか」
三人に声をかけ、歩きながら聞いてみた。
「どんな店があったか覚えている?」
「一階にはスーパーマーケットや生活雑貨店、コーヒーショップなど」
「二階には紳士服店、婦人服店、子供服店、スポーツ用品店など」
「三階には電気店、ゲームセンター、映画館、フードコートなど」
「全てお答えしたほうがよろしいですか?」
レイミ、ユウカ、ヒナタが順番に答えた。さすが天使。驚くほどの記憶力だ。
俺たちの歩く足音だけが館内に響く。そこで俺はふと気が付いた。俺の恰好と言えばスーツ姿に革靴。スーツに草や泥の跡がついているのは死んだ時のままだ。スポーツ用品店の前で足を止め、三人に声をかける。
「みんなで新しい服を調達しよう」
「はい!」
この状況で着飾る必要はないので、店内に入りジャージを選んだ。なんとなく雰囲気で俺はグレー。レイミはクリームでユウカは水色、ヒナタはピンク。
三人に差し出すと、嬉しそうに受け取り…まではよかったのだが…
試着室を教えるより早く、いきなり今まで来ていた白装束を脱いだ。下着もつけていないので、なんと全裸!
三人が三人とも、垂れることもなくたわわに実ったオムネ。キュっと締まり張りのありそうなオシリ。秘所を覆い隠す禁断の茂み。
息を呑むほどの抜群のプロポーショに目が釘付けになり、一瞬、思考が止まった。
「ちょっと待った~」
三人は慌てて手を止めるが、体を隠すこともなく直立不動だ。
「も一回、白装束を着て。下着とソックスや靴も選ぼうか」
俺としてはずっと見ていてもいいのだが、さすがに節度ある男性として接しなければならない。それにしても、俺を異性として意識していないのか、そもそも天使には恥じらいなどないものなのか。その辺りは後でゆっくり聞いてみよう。




