第八話(番外編) 無機質なラボの日常
第八話!
内容は前世の記憶、キャラクターたちの前世をご覧あれ!
それは、空が魔法に染まるずっと前。鉄とコンクリートに囲まれた、前世の記憶が脳内に現れる。
深夜二時の国立研究所。
私は、試作段階の防弾プレートの強度計算に没頭していた。モニターに並ぶ無機質な数値だけが私の友人だった。
「零君、まだやってるの? コーヒー淹れたけど、飲む?」
背後から声をかけてきたのは、白衣をだらしなく羽織った男――佐伯誠だ。
彼は隣の医学セクションの人間だが、なぜか私の工学ラボに居着いていた。
「……佐伯か。お前こそ、新型ウイルスの解析はどうした。」
「一区切りついたよ。それより君、三日も家に帰ってないだろ? 人間は鉄じゃないんだから、メンテナンスが必要だよ」
彼はそう言って、私のデスクに湯気の立つマグカップを置いた。
「……僕は壊れないモノを作りたいだけだ。メンテナンスなんて非効率な概念は必要ない」
「はは、相変わらずだなぁ。でもさ、君が作る『最強の盾』があれば、僕が救える命も増えるんだ。君の工学と僕の医学、合わせれば世界を少しはマシにできると思わないかい?」
お人好しの極みのような発言。
私は鼻で笑ったが、彼が淹れたコーヒーは驚くほど私の脳を覚醒させた。
「……勝手にしろ。ただし、僕の邪魔はするな」
「分かってるよ。……また明日も、ここで会おう」
そんな何気ない、日常の終わりの約束。
――まさか、その「また明日」が、魔法の吹き荒れる異世界の、泥だらけの路地裏で果たされることになるとは、当時の私たちは知る由もなかった。
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なんで零と誠は死んでしまったのでしょう、この話は、次の番外編で話しましょう!




