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第三十六話 絶対零度(ABSOLUTE・ZERO)

第三十六話!

前の話で霧を絶対零度(ー273.15℃)にするか迷ったけど窒素(ー196℃)にしました。さすがに絶対零度だと死んじゃうから。(多分液体窒素でも死ぬ 笑 )

まぁ、楽しんで!

 地表を這う白い霧――-196度の液体窒素。

それだけで僕の体は限界だった。肺に吸い込む空気が肺と喉を焼き、指先の感覚は消え、息もしずらくなる。だが零の暴走は、そんな僕の「医学的な限界」など一切考慮してくれなかった。

「ヒヒッ、、ははははっはははっ!!」

笑い声の周波数が一段と高くなり、零が息を吸う。

零が広げた両手の中で彼が奪い取った魔素がぐるりと渦巻き、突如「静止」した。

(、、っ!、属性魔法の演算を、一つの減少に収束させて魔法を打とうとしているのか!?)

そんなことを考えるシンの脳の思考能力少しずつ低下していく。

 零は風属性で空気の分子運動を力任せに押さえ込み、水属性による熱奪取を極限まで加速させた。

 液体窒素の霧が、バキバキと音を立てて『固形(ドライアイス状)』へと変わっていく。


それは魔法による「冷却」を超えた、『熱力学第二法則への反逆』だった。

 物質を構成する原子の振動さえも許さない。

 運動エネルギーをゼロへと強制デバッグ(修正)する、物理学の終着点。

 

「……あ……が……っ」


 液体窒素の海が、一瞬で『絶対零度』の真空へと相転移した。

 -273度。

 零という名を持つ親友が放つ、全ての生命活動を否定する静寂の支配。

 吸い込もうとした空気は瞬時に凍って氷の粒となり、僕の肺胞を内側からズタズタに切り裂いた。

「ハハハハハハッ!!」

 笑い続ける零の瞳からは、凍りついた涙が結晶となって零れ落ちる。

 あいつは、自分の名前と同じ「零」の世界で、たった一人で壊れているんだ。

ご覧いただきありがとうございます。

前書きであんなこと言いましたけど、「絶対零度」を使うことにしました!

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