第二十二話 アタカマの暴走
第二十二話!
僕は医学も行けますよ。
楽しんで!
「、、零、来るよ。多属性の複合反応だ」
肩の上のシンが、医学者らしい鋭い感覚で闇の奥を指し示す。通路の奥から現れたのは、全身を透明なクリスタルで覆われた、不気味な四足歩行のゴーレムだった。その内部には、火、氷、雷……複数の「魔袋」が、血管のように繋がれている。
「……全属性のプロトタイプってわけだね。魔王も、随分と悪趣味な『キメラ』を組んだね」
僕は青い髪を揺らし、新兵器『アタカマ』を構えた。
ゴーレムが大きく口を開け、猛烈な「火」の魔法を放とうとする。
「まずは氷(吸熱反応)から試そうか。……シリンダー、セット。」
カチリ、と機械音が響く。
放たれた二重ガラスの矢が、ゴーレムの喉元で砕け散った。瞬間、周囲の熱が猛烈に奪われ、放たれようとしていた火球が、物理法則に抗えず一瞬で鎮火――どころか、口内ごとカチコチに凍りついた。
「グガッ……!?」
「次は、その凍った関節を『酸』でデバッグしないとね。」
僕はシリンダーを回転させ、オレンジ色の『王水弾』を装填した。
着弾と同時に、凍りついて脆くなったクリスタルの装甲が、シュウシュウと音を立ててバターのように溶け始める。
「……トドメだ、シン。最後は『雷』で、中の回路をショートさせる。」
「了解。……零、今だよ。胸の結合部が剥き出しだ!」
シンの指示通り、僕は積層コンデンサを積んだ雷鳴の矢を、ゴーレムの心臓部(魔袋の束)へと叩き込んだ。
バリバリバリッ!!
激しい放電がゴーレムの全身を駆け抜け、無理やり繋がれていた魔袋たちが次々とオーバーロードを起こして爆発する。魔王の遺産は、ただのガラクタとなって崩れ落ちた。
「……ふぅ。属性の相性表通りだね」
「……零。君の『アタカマ』、医学的に言えば……致死率百パーセントの過剰摂取だよ」
一歳の相棒に呆れられながらも、僕は神殿のさらに奥を見つめた。
そこには、倒れたゴーレムの破片に混じって、この世界には不釣り合いな『光る板』が落ちていた。
ご覧いただきありがとうございます。
光る板ってつまり、、スマートフォンってこと(?)




