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第二話 一ノ瀬零

第二話!

さっき一話を投稿したばかりだけどもう一個書くよ。

もう村を出て三日たっている。五歳の体は限界に近い。

けれどわたしがシミュレーションした中ではちゃんと「生存」している。


道中、私を襲ってきた魔物の群れはもうこの世にいない。もちろん戦えるわけがない。麻痺毒を持つ花をすりつぶしてそれを落ちていた肉に塗っただけだ。異世界にも「トリカブト」のような現実世界の花はあるようだ。

震える足で北の村についた。

「おい、お前ら子供だ、子供が来たぞ」

槍を持った衛兵が、ボロボロになった僕の服を見てそう言う、背負っているのは焦げた鍋や一見するとなんかのガラクタだ。

「どこから来た、、、、まさか南の村の生き残りか?」

「はい」

「嘘だ、魔物が出る道を子供が三日で南から北に来るなんて」

衛兵が信じられないといった様子で私を検分する。

私はふらつくふりをしながら、衛兵が持っている水筒を指差した。

「ねぇ、、おじさん、その水飲まないほうがいいよ」

「あ? 何を言って――」

「それ、煮沸してないでしょ。上流で魔物の死骸があった。寄生虫による脱水症状で、明日には動けなくなる」

そんな子供の話を聞くわけもなく衛兵は笑った。

「嘘つけ、そんな呪い『お祓い』すればいい」

私はそれ以上何も言わなかった。

魔法や呪いを信じる彼らにとって、微生物や感染症はただの「呪い」でしかない。彼らは理解していない、理解していないというよりも未知の知識にすがっているようにしか見えない。同時に沸騰させればすぐに飲み水になるということも理解していない。

「名前は何だ」

「イチノセレイです」

そう、僕はカイじゃない。

前世、僕は一ノ瀬零だ。無機質な研究所で、電子顕微鏡の向こう側にある「法則」だけを愛した男だった。物質の最小単位に触れ、宇宙を統べる定数を解き明かし、不可能を可能へと変換する。それが科学であり、私の人生そのものだった。

「イチノセ……レイ? 妙な名だな」

衛兵は鼻で笑い、そのまま腰の革水筒を煽った。私の忠告など、空耳程度にか聞こえていないのだろう。

私はそれを見届け、門をくぐった。

(……あと十二時間。潜伏期間を経て、君の『お祓い』が科学の前でいかに無力かを知ることになる)

 北の町、通称『吹き溜まり』。

 魔法の恩恵から見捨てられた人間たちが、泥を啜るように生きるこの場所で、私は私の研究所ラボを築く。

あの日、私を「無能」と笑って見逃した魔族よ。

お前が信じる『魔法の理』を、私が信じる『科学の法』で上書きしてやる。

ご覧いただきありがとうございました。

零がついに北の村に到着!一ノ瀬零かっこいい名前ですよね

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