第十九話 聖域のデバッグ
第十九話!
町を出たシンと零この後どうなる?!
楽しんで!
吹き溜まりの街を後にした僕たちは、移動式ラボに改造した馬車を走らせていた。目指すは中央神殿。人工魔導心臓の核となる高濃度なエネルギー、その『素材』を確保するためだ。
だが、辿り着いた神殿に人の気配はなかった。門番も、司祭も、信者さえもいない。そこにあるのは、不気味なまでの静寂と、無機質な清潔さだけだ。
「……零、見て。石像に、何か書いてある」
一歳のシンが僕の肩で声を潜める。
広間の中心に鎮座する巨大な石像。その台座には、この世界の文字ではない、僕たちにとって見慣れた『アルファベット』が深く刻まれていた。
『SHOULD ANY MORTAL DARE
DEFILE THIS SANCTUM,
A TEN-SECOND TOLLING TOWARD
RUIN SHALL BE UNLEASHED.』
「……英語? なぜ、この世界に……」
僕がその文字をなぞった瞬間、石像の瞳がカチリと音を立てて赤く発光した。
ゴォォォォォォ……ッ!
神殿全体が震動し、天井から重厚な鐘の音が響き渡る。
「……十、九、八……零、これ、カウントダウンだ!」
一歳のシンが叫ぶ。
魔法を神の奇跡と称える場所で、聞こえてくるのはシステム的な機械音声。十秒後に訪れるのが何であれ、それが僕たちを歓迎していないことだけは確かだ。
「……なるほどね。魔法の神殿だと思っていたけど、ここはただの『自動防衛システム』だったわけだ」
僕は不敵に笑い、青い髪をかき上げた。
残り七秒。
普通の人間なら祈りを捧げる場面だろう。だが、僕の手はすでに動いている。
「シン、脳幹を保護して。……三秒で、この『滅びの鐘』をデバッグしてあげるよ」
魔法という皮を被った、高度なテクノロジー。
その正体を暴くための、僕たちの新しい実験が始まった。
ご覧いただきありがとうございます。
みんな英語の意味は分かった?この文の説明は、次回零が説明してくれるよ!




