第十七話 不本意な覚醒
第十七話!
この話はおそらくとっても重要になります!
楽しんで!
目の前の影が、鎌のような腕を振り上げる。
TEAは底をつき、体力も限界。絶体絶命の光景に、シンの鋭い視線が重なった。
「零……『影』じゃない。そいつ、オーガの死体から漏れた魔素を纏ってるだけだ! 中心核の『魔袋』を狙え!」
シンの解析は完璧だ。だが、今の僕にはそれを撃ち抜く弾がない。
(クソ……。ここで終わりかな。 私の計算が、この世界の理不尽に負けたのか。完敗だ。)
その時、脳裏に直接、反吐が出るほど甘ったるい無機質な声が響いた。
『――条件達成。個体名:一ノ瀬零。固有スキル【再構築】を付与します』
「、、、はぁ?」
思わず声が出た。
瞬間、僕の体内の魔素が勝手にうねり、脳内の設計図とリンクし始める。
(ふざけるな……。誰が、こんな非科学的なシステムを許可した……!)
僕は魔法が嫌いだ。
血の滲むような実験も、緻密な計算も飛び越えて、願えば「物」が出てくるなんて――それは科学に対する冒涜だ。
だが、目前には影の鎌が迫っている。
毒を食らうような不快感を堪え、僕は無理やり右手に意識を集中させた。
――リビルド。
青白い火花と共に、一瓶のTEAが掌の中に『沸いて』出てきた。
あぁ、気持ち悪い。クソくらえ!
僕はその屈辱を晴らすように、影の懐へと潜り込んだ。
「バグには、これがお似合いだよ!」
僕は核(魔袋)へ向けて、TEAの瓶ごとナイフを深々と突き立てた。
パリン、とガラスが砕ける感触。
即座にナイフを引き抜き、シンの体を抱えて後方へ跳ぶ。
ドォォォォォォォォォン!!
敵の内側から白熱の炎が噴き出し、実体のないはずの影を焼き尽くしていく。
「……零、今の……魔法?」
一歳の相棒が、驚いたように僕を見上げる。
僕は煤だらけの顔で、吐き捨てるように答えた。
「…はは…最悪だよ。僕の体に、最大のバグが混入した。」
ご覧いただきありがとうございます。
科学に反する魔法を手に入れてしまった零、使わざる負えなくなってしまって使ったが、僕だったらおそらく喜んでますね!(笑)




