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第十四話 禁忌の精製と狩りの始まり

第十四話!

質問いただきました!

「この話の知識って全部調べて書いてるんですか?私は化学が好きでできればこの話の科学の内容を覚えたいです。」

について、僕は今ある知識だけで書いているので調べてません。この話の知識があってるかわからないけれど頑張ります!(多分あってる)

ラボに持ち込んだ素材を前に、僕は静かに呼吸を整えた。窓から差し込む月光が僕の髪を冷たく照らしている。僕は今日で六歳だ。使える薬品も増えて魔物を倒すのには十分な器用さが出てきた。

「さて、、始めようか」

今から作るのは、トリエチルアルミニウム。空気に触れただけで自然発火する、『化学の歴史』が生んだ凶悪な自然発火物だ。

「零、温度。間違えないでね、0.5度の間違いが『死』を連想させるよ」

背後から響いたのは幼さが残った、と言ってもまだ一歳児だが、その声は驚くほど理知的な発言だった。振り返ると、そこにはドアの縁をつかんでよちよちと歩く、シンがいた。

「、、シン。歩けるようになったんだ。それにあごの骨と筋肉が発達して発声が可能になったんだね」

「ああ、一歳まで待つのは、医学者としても退屈だったよ。」

シンは不安定な足取りで僕の隣まで歩いてくると踏み台に上がり机の上を覗く。

「、、零始めるんだね。酸素の遮断は完璧?」

「ああ、不活性ガスとして、木炭を燃やして精製した二酸化炭素でフラスコ内を置換した。一滴の酸素も、一分子の水も、今の僕らには『死神』も同然だからね。」

私が手掛けているのは、トリエチルアルミニウム(C₁₂H₃₀Al₂)。

空気に触れただけで自然発火する、『化学の歴史』が生んだ凶悪な自然発火物だ。

「よし始める。第一段階、粉砕したアルミ二ウム粉末と、微量の水素を反応させる。、、シン、温度計を見てて。120度を超えたら教えて」

「了解。、、105度、110度、、120度になったよ」

「第二段階だ。」

僕は慎重に、エタノールを脱水して作ったエチレンガスを、加圧した反応容器へと送り込む。

「ここでアルミニウム、水素、エチレンの三成分が直接反応する。、、本来なら高度な触媒が必要だけど、この世界の『魔石』の粉末が、驚くほど優秀な触媒として機能してくれているよ。」

 容器の中で、激しい化学反応が起きる。

 半透明だった液体が、徐々に無色透明なトリエチルアルミニウムへと姿を変えていく。

「……零、反応が激しすぎる! 内圧が限界だ!」

「分かっている。今、冷却を……!」

 六歳の小さな手で、冷水の入った桶を容器に当てる。シュウシュウと音を立てて蒸気が上がる中、私は一秒先の爆発を計算でねじ伏せていた。

 やがて、反応が収まる。

 フラスコの中に溜まったのは、一見するとただの水のような、しかし死のエネルギーを秘めた液体。

「……完成だ。トリエチルアルミニウム。空気に触れれば一瞬で3000度の炎を上げ、水や氷を燃料にしてさらに爆発する。、、まさに、魔袋を破壊するための特効薬だ。」

シンは満足げに笑い、地図を指し示した。

「……完璧な処方箋だね。さあ、零。さっそく『往診』の相手を決めようか」

 ターゲットは、北の廃鉱山を根城にする『オーガ・メイジ』。魔法で岩壁を操り、街の補給路を塞いでいる元凶だ。

「岩の盾か……。でも、魔袋(エネルギー源)が剥き出しなのは変わらないよ。喉仏の少し下、胸骨の裏。そこを狙い撃てば、防御ごと爆発するはずだ」

 一歳の医学者が弱点を突き、六歳の工学者が特製の火玉をクロスボウに装填する。

「行こうか、シン。魔法という不具合バグを、科学という暴力で修正デバッグしてやる。」

 夜の帳が下りる頃、二人の小さな影は、誰に知られることもなく街の門を抜けた。

ご覧いただきありがとうございます。

タイトルの禁忌には3つの意味があります。

一つは、人道的な禁忌: 6歳の子供が扱ってはいけない「悪魔のような兵器」

もう一つは、科学的な禁忌: 混ぜるだけで爆発するような「危険すぎる薬品」

最後は、世界の禁忌: 魔法が絶対の世界で、それを科学で壊そうとする「許されざる行為」

です!

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