つながる想い(2)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。
そんなバッドエンドに繋がりかねない頼みを聞いてやる道理こそ彼にはない。答えはハナから決まっていた。
「…………嫌だよ」
「え?」
「僕は猫宮さんを死なせたくない。確かにもう、君から命を狙われることはないだろうけど、君がいなくなったら、僕らは絶対幸せになんかなれない」
「何言ってるの!? 私を助けても龍君にプラスになることなんて、何も……」
「プラスとかそんなの関係ないっ! 言ったはずだよ。猫宮さん。『君になら殺されてもいい』って」
そう言われて黒猫は頷いた。
「今もその言葉に二言はない。君を支え、償った末に殺されるのなら本望だ。それに、君と関わって辛いとか、迷惑だとか思ったこともないよ。ま、流石にイタズラはちょっとすぎるけどね。それでもたまにはいい刺激になるし、見てるみんなも呆れながらも最後には笑顔になってる」
「そう……なんだ」
「猫宮さん。君は不幸を呼ぶ存在なんかじゃない! みんなを幸せにしてくれる存在なんだ!」
「私、が……?」
「うん! そして、今度は僕が君を幸せにしてみせる! それが僕ができる唯一の償いであり、義務だから!」
そう言った瞬間、2人の重みを受け続けた崖が数センチメートル崩れ、ヒドラスラッシャーに亀裂が生じ始めた。
もう長くはもたない。それを感じた青龍は悲鳴を上げる腕の痛みをこらえ、
「だから、諦めないで! こんなところで死んじゃダメだっ! 早く……早くその手を伸ばして! 柚ーっ!」
と、心から叫んだ。
その必死の想いが、暗く凍てついた彼女の心にようやく届いた。黒猫は涙を流しながら、それに応えるようにヒドラスラッシャーを左腕のドラコスラッシャーに絡ませ、青龍に救出された。
まるで繋がった想いと絆を表しているように絡まり合う得物に、我が身を託して…………
黒猫は欧米の方では不吉、不幸の象徴とされてきましたが、彼女を大切に思う青龍にとっては全くの真逆のようです。




