表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死獣神~腸の書~  作者: 天馬光
74/77

つながる想い(1)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。

 それが仇となった。憲伸は隠し持っていた手榴弾を取り出すと、青龍らの目を盗んで安全ピンを抜いた。


「あ! 憲伸さん何を!?」


「決まってんだろ……あの嬢ちゃんだけでも道連れにする……大事なら守ってみろ! 小僧っ! ははははは! ははははは………………!」

 そう言って憲伸は高笑いしながら黒猫めがけて手榴弾を投げ、そのまま息絶えた。


 彼の最期の悪あがきに青龍は舌打ちし、なんとかして彼女を守るために、手榴弾を切り裂こうと必死に追いかけた。


 が、気付くのが少し遅かった。手榴弾は青龍に切られる直前に空中で爆発し、近くにいた黒猫の小柄な体を軽々と吹っ飛ばしたのだ。

 龍鱗のおかげで青龍は無傷で済んだが、崖の端付近にいた黒猫が爆風で飛ばされた。

 その先にあったのは漆黒の海。落ちれば高さも相まって即あの世行きだろう。


 そうはさせまいと、青龍は死に物狂いで崖の端まで急行し、すでに落下を始めている黒猫のヒドラスラッシャーに右手のドラコスラッシャーを絡ませた。

 どうにか望みは繋げれたが、まだ予断は許さない。このままでは黒猫の体重をヒドラスラッシャーが支えることができずに千切れて、転落してしまうからである。現に、ヒドラスラッシャーからはギシギシと軋む音が聞こえ出している。


 これを回避するためには、もう一方のヒドラスラッシャーとドラコスラッシャーを絡ませて引き上げるしかないが、ヒドラスラッシャーの状態から黒猫は、自らに悲しい判断を下した。


「…………龍君。お願い。離して」


「え? でも!」


「あの男の言うとおりよ。私はあなたの命を狙ってる。その私を守る義理はあなたにない。たとえそれが、あなたにとってかけがえのない人でも、償うべき対象だったとしても」


「猫宮さん……」

 青龍がそう言うと黒猫は涙を浮かべ、


「だから龍君。もう離して。その方がきっと幸せだよ。だって、もう命を狙われる心配もないし、私のせいで辛い思いをしたり、迷惑をかけられたりせずに済むから。お願い。わかって……」

 と、心から懇願した。

 やっと聞けた本心からの頼みがこれなら、なんとも悲しい限りだ。

 憲伸が最後に齎した大ピンチ。

 あなたが青龍の立場なら、彼女の言葉を聞いてどうしますか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ