戦士の帝国(5)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の変化の物語。
その頃、E・Cは嘆いていた。かつてはたった1人で歩兵200人に匹敵すると謳われたグリーンベレーが、手抜きの攻撃だけでなく、安易なトラップに引っかかって死んでいったのだから。
「……情けない。これがあのグリーンベレーとは。まるで尻の青いkids達のお遊戯クラブではないか。合衆国の威厳も地に落ちたな」
そう言うとE・Cは、唯一生き残るも戦意喪失し、身動き1つとれないアレックスに近寄り、名前と階級を聞いた。
思わぬ答えだったのか、E・Cは驚いた表情を見せた。
「Wow! 曹長とは驚きだ。てっきりボランティアのクッキー売りかと思ったぞ。これは……貴様には似合わん。貴様のような腰抜けは、一兵卒から出直してこい」
そう言いながらE・Cはアレックスの帽子を取り上げるとそれを踏みつけ、ダガーナイフで彼の口髭を剃った。
もっとも、彼は『一兵卒から出直してこい』と言ったが、このまま帰すつもりなど毛頭ない。
「いいか? 貴様らがどれだけ足掻こうが、私には勝てん。いくら世界中が武力を集結させても、我が帝国が滅びることは永久にない。たった1人の我が帝国は、世界最強の国としてあり続けるのだ。私があれを持っている限り、な。わかったら眠りにつきたまえ、無力な坊やよ」
E・Cはそう言い終えると、アレックスを殺そうとダガーナイフを振り上げた。
アレックスにとって絶体絶命のピンチ。そこを救ったのは、
「死ね! E・Cーッ!」
という言葉と共に、ガトリグガンを連射した渓だった。
横から弾丸が飛んできたことでE・Cは回避を余儀なくされ、アレックスは命拾いした。代わりにE・Cが姿をくらませてしまったが。
相手が姿を消したことで射撃をやめた渓は、周辺を警戒しながら、E・Cが出てくるのを待った。前後左右、上下遠近。全てに意識を張り巡らせていった彼女は、背後から近付いてくるものを感じ、ここぞとばかりに撃ちまくった。
しかしそれは、先程彼に殺されたグリーンベレー隊員の生首だった。
「な!? 違う! じゃあ奴は……!?」
そう言い振り返った直後、忍び寄ったE・Cの手によって気絶させられてしまった。
「なんと容易い。張り合いがなさすぎるな……ん? もしやこの女、いつぞやの……」
E・Cは侮蔑の目を向けていたが、見覚えのある彼女の顔に目が止まった。
たった数分でこの始末。E・Cが強すぎるのか、アレックス達が弱すぎるのか、はたまた両方か。




