2
実際の団体・企業・人名・商品にはなんら関係ありませんw
フィクションです。
「はぁ~……やっぱり駄目だ。」
溜息と共に背中からベットの上に落ちた。バンザイという形になった手に持たれているのは、昨今の中学生・高校生は大体持っているであろうゲーム機器、PSPだ。
すでに時刻は深夜1時。
歩はもう4・5時間はぶっ通しでゲームをしていた。内容は、恋愛シュミレーションゲーム『×××』。浩介に貸してもらっていた物だった。
何でも、元は浩介の姉の持ち物らしい。それを姉に勧められやってみたら面白かったので俺にも、という事になったらしい。すでに姉から貰いうけ完全に浩介の持ち物との事。
貸してもらったは良いが、このゲームは浩介が借りる際に言っていたのをそのまま言うと『BLゲーム』というモノだった。
つまり、男同士の恋愛シュミレーションゲームだったのである。そんなものがあるなんて、と聞かされた瞬間は単純にビックリしてしまった。
何事も経験!と、その後借りる旨を伝えたら、浩介は顔がだらしくなくなっていたな……
いつもはカッコいいんだが、正直キモかったな。あの顔は……
やってみたさ!やってみた。
恋愛シュミレーションゲームだから簡単なのかと思いきや、ところがドッコイ!難しい……
バットエンドに進んでしまい、なかなかハッピーなエンディングまで行かないのである。
もう、仲間が哀しむ所なんて見たくないんだよ!!幸せでいてクレよな。
ゲームにまで真剣にやってしまうのは歩の欠点、とも言えるだろう。そんなところに惹かれる人も多いのだが……
俺は男性向け女性向け関らず、一回も恋愛シュミレーションゲームなる物をやったことがなかった。予想外にソレは精神的ダメージがあるモノだったのだ。
その上、俺はゲームなんて大の苦手……恋愛なんてリアルでもしたことがない。告白したこともないし、告白されたこともない。
そんな俺が恋愛シュミレーションゲームなんて出来るのだろうか。
諦めてしまえばそれで終わりだが、彼(=主人公)をなんとしてでも幸せにしたかった。
「よし、も一回やるか。これで終わりにしよ……」
~1時間後~
「むひゃ~……無理だろ、こんなの。もう止め止め」
PSPをボトっとベッドの上に落とした。両足立膝で肢と肢の間に手をダランとたらし壁にしなだれかかるように背を預ける。
あまりの自分の不甲斐無さにため息が出てくる。
「兄さん、入っていいですか?」
「おぉよ」
思考能力が低下していた歩は、こんな深夜に何事だ、とも思わず生返事で答えた。
入ってきたの『兄さん』と俺を呼んでいた事から分かると思うが、弟の桐耶だ。
「深夜遅くにすいません。まだ明かりがついてたので……実は兄さんに相談したいことがあるんです。」
「え?お前が、俺に?いや、嬉しいけどさ。」
「こんな時間にしか相談できなくて……」
頭もよくて何でも出来る愛しいわが弟が俺なんかに相談したいことがあるなんて信じられなかった。嬉しさと驚きが頭の中に雑居していた。
しかも、よくよく考えれば言っていた様に今は夜もよく深けた深夜なのだ。そんな時間に相談しなければいけない事とは何なのだろうか?
さっきまでは驚きで桐耶の表情など注意して見ていなかったが、よく見ると彼の顔には笑みが浮かんでいた。少女マンガなら背景に花が咲くだろうと言うほどの笑みが。
自身が相談をしに来ているのにその笑みは何なのだ。
しかし、いくら考えてもエスパーでもないのに答えが出るわけがない。
「で、相談って?俺に出来ることなら何でもするよ」
「何でも、してくれるんですか?本当に?」
先にも書いたとおり、歩は思考力が著しく低下していた。だから、桐耶の危険な笑みに気づけるはずもなかった。
歩の言葉を再びなぞり確認してくる桐耶に何の警戒心も不思議も抱かず、「本当だよ。桐耶のためなら何でもしてやる」と返事をしてしまったのだった。
その言葉で、彼の高校生活を一変してしまうことも知らずに。
高校生活だけでなく、人生すら変えてしまったのかもしれない。
遅くなってすいません




