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負けヒロインとデート

本日は二本投稿です。

理由は特にありません



 最初こそ、初めてのデートで緊張していた俺だが水瀬の胸や顔を意識しないようにすればある程度落ち着くことができた。そして、現在俺達は部屋に飾る掛け時計について話し合っていた。


「この時計、湊川君の家にどうかな?アンティークな感じがあって良さそうだよ」


「ううん、俺もそのデザインはいいと思うんだが壁の色が白いからちょっと合わないんだよなぁー。だからこういう何の変哲もない白い時計が良さそうなんだよ。水瀬はどう思う?」


「確かに白い壁に茶色の時計は合わないねぇー、でも無機質なのは何か味気ない気がするから。何か他のがいいと思うな」


「そうだよなー、もう少し探すか。俺はもうちょっと値段が高めのとこ見てくる」


「うん、じゃあ私は店員さんにオススメの商品がないか聞いてみるね」


そう言って俺達は二手に分かれて掛け時計を選んだ。

そんなわけで初々しいカップルのようなデートではなく普通に買い物をしていた。

水瀬がファミレスで放った言葉で、どんなことをされるかのかと少し警戒していたが今のところ何にもなくて安心していた。

まぁ、平然と腕を組んだりはしてくるので軽いジャブは飛んできている。いつKOレベルのものが飛んでくるのか分からないので気を引きしておこう。


(おっ!この時計デザインが良いな。値段は中々だな。まぁ、何年も使うものだしこれくらいのラインのが良いか。前世は安い時計買って壊れてた記憶あるし)


「おーい、湊川君これなんかどうかな?店員さんのオススメの中だと良さそうだったんだけど」


そんな感じで俺が時計を吟味していると水瀬が黒い時計を持ってこちらに戻ってきた。


「それも良いな、俺この猫の絵が彫られている時計とか良さげだと思ったんだけど、そっちの星空をイメージしたのも良いな。うーん悩む。水瀬はどっちがいいと思う?」


「私はこの時計の方が湊川君のイメージに合ってると思うな。猫は少し男の人の家に飾るには可愛過ぎるかも」


「そうだな、水瀬のいう通り俺の家にこれがあるのも変だ。じゃあ、水瀬が持ってきてくれたのを買うよ」


「えへへ、何かこうやって家のもの選んでると新婚さんみたいな感じがするね?」


水瀬は時計を俺に渡す直前にそんなことを言うから、俺は慌てて危うく時計を落としそうになる。


「不意打ちはやめろ///心臓に悪い」


「えぇ、でも何て言うかデートっていうよりはそんな雰囲気だったよ?何ならこのまま結婚しちゃう?両親の許可は簡単に降りるよ」


「結婚はまだ早いだろ。そもそも俺たちはまだ学生だぞ?そういうのはもう少し先に考えることだ」


「ふーん《《まだ》》ね。じゃあいつかはしてくれんだ?」


水瀬はそう言ってニヤニヤとした表情で俺のことを上目遣いで見てくる。


「///水瀬本当に……容赦ないな」


「私としては早く落ちてもらわないと困るから。これくらいしないと他の子に取られちゃうもん。///湊川君は魅力的だから」


「俺が……魅力的か……」


「むぅ、その顔は信用してないな?じゃあ、今から湊川君の魅力を言ってあげるよ。まず、やっぱり一緒にいて物凄く安心することかな。今もこうしているだけで心が安らぐし、この人ならどんな悩みも打ち明けられる気がするもん。次は見た目も良いよね。目がキリッとしてて顔立ちも十分整ってカッコいいし、髪型を変えたらもっとカッコよくなるよ絶対!ええっと次は「いや、もうそれ以上はやめろ。まじではずい///」えーここから盛り上がるところだったのに」


俺は流石にこんなに女の子から褒められたことが無くて、言われていくうちに恥ずかしくなってきたため途中で止めた。

そのことに対して、水瀬は不満そうだが俺がこれ以上褒められたら死ぬので許してほしい。


「あのー…彼氏さんとの仲がよろしいのは羨ましいんですけど店の中でイチャつかれると……」


俺が止めたタイミングを見計らったように女性の店員さんが俺たちの会話に入ってきて注意をしてきた。


「す、す///すいません!あのこれお会計お願いしても良いですか?これ買ったらすぐに出ていくので」


水瀬は自分の声が周りの人に聞かれていたのが恥ずかしかったのか顔を真っ赤に染め、俺が持っていた時計を店員さんに渡した。


「いや、私がお腹いっぱいなので周りの人の迷惑にはなってませんよ。ご馳走様でした」


「うう、///恥ずかしいよ〜」


と水瀬は赤くなった顔を手で覆いながら俺の背中に抱きつく。

俺は散々先程弄られたのでこのままやられっぱなしなのは尺だったので店員さんの後を追う前に水瀬の耳元に近づきこう囁いた。


「………俺は恥ずかしがってる水瀬のこと魅力的だと思うぞ?」


「………そんな意地悪言う湊川君は嫌い」


案外、水瀬を弄るのは楽しいことをこの時俺は学ぶのだった。

















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