負けヒロインとクラス会 4
「よし、次のゲームもこの調子で頑張ろうぜ!これが維持できたらミナ、カト俺達が優勝するのも夢じゃないぞ」
「あぁ、そうだな。てか、俺たちは毎週言ってたらんだから他のより点が高いのは当然だろ?湊川は先週誰かさんと遊んでいたが腕は衰えていないしな」
「おい、何んで加藤がそのこと知ってんだよ?俺このこと誰にも話した記憶ないぞ?」
俺が加藤の発言に違和感覚え、その違和感について言及する。
加藤は、あっ、やっちまったみたいな表情を浮かべたのち俺から顔を逸らした。
「湊川これは俺の独自のルートで得た情報だ。情報提供に関する情報を話してはいけないことになっているのでな、すまん」
「えっ、何お前ら実は俺のこと監視してるのかよ、引くわ」
「そんなわけないだろうが!?俺に男の趣味はねぇ!あっ、嘘、男の子はありだ。ただし二次元に限るがな」
「いや、それでも充分アウトだろ。カト」
「お待たせ〜飲み物取ってきたよ〜!」
俺達が馬鹿な会話をしていると、水瀬達がドリンクを持って戻ってきた。
「はい、湊川君どうぞ。オレンジジュースで良かったよね?」
「ありがとう水瀬。これで合ってるから大丈夫」
俺は水瀬が真向かいの席に座り手渡されたドリンクを礼を言って受け取る。
その際に指先が少し触れたような気がするが、水瀬は特に気にした様子はないので俺も気にしないように振る舞う。
あの様子を見るに、ハイタッチをしなかったのは単純に1回目でタイミングを逃したからしなかったのではないかと推測する。
別にオレの手が汚いとかそう言うことでしたくなかった訳ではないと分かり心の中で安堵の息を漏らす。そういう感じの理由でされてなかったのなら普通に凹むからな俺。
「間宮ナイスタイミングだ、助かった」
「ん?何のこと」
「いや、あのままだと湊川が使い物にならなくなりそうだったから話を中断できたことだ」
「ああっ、そう言うことね。理解したよ。とりあえず私のおかげってことね」
「それ、理解してない時のやつだろ間宮……」
後ろで俺に隠れて有馬が間宮に何か耳打ちしていたが、すぐに会話が終わったのを見るのにそんな大した話ではなかったのだろう。
はっ!いや、このシュチュエーションを考えるのにまさかあれか!このボウリング大会で優勝したら話があるとか言って有馬が間宮に告白する流れなのではないだろうか。
有馬と間宮の関係は、見たところ悪くなさそうだしあり得なくもないぞ。しかもマンガ終了後で、間宮や黒瀬に関する描写はなかったため彼女達がどのような人物と付き合うのかは分からないので、本当にあり得そうなのが怖い。
そう考えたらここは友人として、俺の全てを持ってプレイし優勝するために貢献することで友人の恋路を応援するべきだろう。
「よし、次のゲームも頑張ろうな水瀬」
「?うん、そうだね。頑張ろう湊川君」
水瀬は何で俺が突然気合が入っているのか分かっていないようだが俺に合わせて気合をガッツポーズをしていた。
何処がとは言わないがその動作ですら揺れるのかよと驚愕し、またメインヒロインのポテンシャルの高さを俺は再認識した。
「ナイス、ストライク小鳥!」
「流石ことちゃん!最初から調子良いね」
「えへへ」
ゲームが始まり最初に投げたのは水瀬、彼女が投げたボールは真っ直ぐ進んで中心のピンに直撃しガラガラと音を立てながら全てが倒れストライク。
初回からのストライクに、俺たちのテンションも上がる。
俺はこの時、テンションが尋常なまでに上がっており水瀬にハイタッチを避けられていたことを忘れ彼女に手を差し出した。
水瀬は黒瀬達と順番にして行き、俺の番になったところで少し逡巡したものの軽いソフトタッチで俺の手のひらに触れた。
「やったな!水瀬」
「………うん、やったよ私。湊川君これからドンドン行くからね」
「ああ、この調子で頑張ろうな」
水瀬がこの時どんなことを考えていたか知らない俺は、深く考えず言葉を返すのだった。




