負けヒロインとクラス会 2
はてさて、困った。チームになってしまったものはもう仕方ないこれが世界の定めだと受け入れた。
だが、しかしこの後の生死は俺達次第なのだ。この美少女達と組んだのに不甲斐ない成績を残せば顔面にボーリングのボールが飛んで来るだろう(12ポンドくらいの)。
マンガの世界だから、もし喰らったとしても大丈夫な可能性が高いが喰らはなくていいなら絶対に喰らいたくはない。
俺達は三人で肩を組み
「いいか、お前ら正直このチームになってしまった以上、俺達が生き残る術は一つだ。全力で行くぞ!!」
「「おう!!」」
人間は極限状態になると人が変わると聞いたことがあるが、あのクールオタクの加藤や、お調子者の有馬ですら元のキャラを忘れ真剣な表情になっていた。
だが、しかしそんな俺たちの気持ちはつゆ知らず水瀬達は話を振ってくる。
「有馬と加藤は分かるんだが、本当にお前湊川なのか?」
「うんうん、あたしも思った髪型が変わり過ぎて小鳥ちゃんが名前呼ぶまで誰か気づかなかったよ〜」
と俺に話を振ってきたのは、クールビューテ黒髪のポニーテール長身、ザ、大和撫子 黒瀬 花凛。普段は制服しか見ていないが、今日は白の風景がプリンされたシャツに黒の皮ジャンを羽織り下は青のジーパンを履いているためボーイッシュな装いをしていて新鮮だ。会話をした記憶は水瀬に比べれば多くこの女子面子の中だと、一番高校生活で仲が良かったのは黒瀬だろう。ちなみにスタイルは前世の記憶が正しければ86.58.80と中々良かった。
黒瀬に続いて俺に話しかけてきたのは、白髪のボブカットの小柄なハーフ 間宮 レイ。こちらも制服しか見たことなかったが、今日はダボっとしたピンク色のウサギパーカーに身を包み下は青いショートパンツと庇護欲を掻き立てる彼女にぴったりな服で似合っていた。
間宮はこの面子だと殆ど話したことはないが、苦手意識は特にない。今時珍しい裏表のない純粋な女の子だからな。
スタイルは確か上から78.57.73と彼女は、黒髪にこそ劣るがプロポーションのバランスはかなり良い。
そして二人はかなりモテる。大体クラスの過半数が告白するくらいには、黒瀬は女子からされたとかも聞いたな。本当かどうかは知らないけど。
まぁ、彼女達のプロフィールを軽く説明したところで現実に戻る。決して現実逃避していたわけではない、分かってくれ。
「ああ、正真正銘、唯一無二、本物の湊川 奏だ。髪型変えたくらいでそんなに驚くなよ黒瀬」
「いや、変わり過ぎだろ。普段のお前は常に目に髪が掛かるかどうかくらいだったし。顔なんてまともに見た記憶は片手で数えれる程だ。そんなお前が素顔を出しているのは正直違和感が凄い」
そんなにかー?まぁ、普段は身嗜みなんて気にしてないからそう感じるんだろうな。無理ないか。
「てことは似合ってねぇのかこの格好。やっぱりいつも通りに直すか」
黒瀬がいうのなら、やめた方がいいのかも知れないそう思いヘアピンに手を伸ばしたところで、黒瀬が慌てて俺を止めにかかる。
「いやいや、別に似合ってないとは言ってないだろう。普通にそっちの方がいい。レイもそう思うよな?」
「うん、そうだね。かなり似合ってるよ。学校でもその髪型にしてたらモテたんじゃないかなって思うくらいには似合ってる」
と二人は俺の格好が悪くないことを一生懸命伝えてくれたが正直不安だ。一応友人にも確認しておこう。
「なぁ、黒瀬達はああ言ってるけど。実際のところお前達から見たらどうだ?」
「俺も黒瀬達と同じで、似合ってると思うぞ。元から顔は良いと思ってたから外でちゃんとしてるのに学校では何でしないのか不思議だったし」
「ああ、俺もした方がいいと思ってた。でも、俺達がいってもお前基本時間ギリギリに来るから言ってもする時間もねぇし無駄だと思って言わなかったわ」
二人の反応を見るにまぁ、悪くはないと思っているようだ。後、有馬よく分かってるな俺は基本家でゴロゴロするのが好きだからな朝早起きしてもスマホ弄ってるからセットなんてしないんだよ。めんどくせぇし
二人に聞いたことで悪くはないということが判明したので、少し自信が持てた。
このまま話を終わらせようと思ったのだが、物凄く俺の席の反対側から視線を感じるのでそちらに話を振ることにした。
「水瀬はどう思う?俺のこの格好変じゃないか」
「ううん、そんなことないよ!こないだ遊びに行った時の髪型も良かったけどピンで留めるとまた印象が変わっていい感じ。しかも服も七分丈とチノパンできちんと背が高くてスラッとしてる湊川君のスタイルにマッチしてるよ。後、そのネックレスがいい味出して…………///あっ、その、とりあえず似合ってるよ」
最後、何故か勢いが失走したのは多分自身の発言の失態に気付いたのだろう。言い終えると自身の顔をすぐに両手で隠し下を向いてしまった。
うん、でもさ、できればもう少し前に気づいて欲しかったな。そうすれば俺は地獄を見なくてすんだのに
「「「湊川お前ーーーー!水瀬さんと遊んだってどういうことだーーー!!!???」」」
「「「死に晒せぇ!」」」
「「「お前らありったけのボール持ってこい、重たいやつだけな!」」」
「「「おう!」」」
「あーあ、終わったね。湊川骨は拾ってあげるよ」
「確かにこれは、終わったな。ミナ俺はお前のこと絶対忘れないからよ、頑張ってこい」
「ってお前ら、慰めるフリして両肩抑えるな!?止めろあれ全部とか無理だから!1発でも無理だから…………あっ、死ぬ」
その後、俺は何かもの凄い衝撃を感じ意識を失うのだった。
◇
「ねぇ、小鳥もしかして?」
「うんうん、もう新しい恋見つけちゃった感じ?ことちゃん」
ちなみに小鳥が途中で失走したのは、自身の発言が不味かったことに気づいたからことなのは間違いないが、奏が考えていることとは別の意味での失言に気付いたのだ。
そう、あれは
(まさに誰がどう見ても恋する乙女じゃない!あーもう死にたいこんな大勢の前でバレたのなんて最悪恥ずかし過ぎるよ。)
そう、小鳥が奏のことを語っていた時はそれこそ好きなアイドルを語る信者はたまた恋に盲目な少女のそれだ。そのことに途中で気づいた小鳥はこうして蹲っているのだ。
「ねえねぇ、どうなの。今は周りがうるさいからポロッと言っても大丈夫だよ?お姉さんに言ってみな」
「レイ普段、歳上マウントが取れないからって貴方ここぞとばかりに、………でもそうね、私も気になるわ。堺君に振られてすぐなのにあんなにも早く立ち直ったの不思議だったのよ」
花凛とレイに詰め寄られ小鳥は観念し、ポツリと溢した。
「……………好きだよ…」
「かはぁっ!花凛ちゃんこれは」
「くっ、これは中々来るわね」
小鳥の言葉の威力があまりも強く二人とも、胸がキュンとなり庇護欲をくすぐられた。
「理由はまだ分からないけど、小鳥のことを応援するわ私。……………今度こそ負けないのよ?」
「ことちゃんファイトー!」
花凛とレイは小鳥が本気なことはあの一言で充分に伝わったので、応援する。何故なら彼女ほど純粋な恋をする子を見たことがないからそんなピュアな彼女が選んだのだ間違いはなんであるはずがない。
だから友人として背中を押す。
小鳥は二人からの言葉を受け、顔を伏せたまま
「……………うん、今度こそ頑張る………」
と決意を固めるのだった。
書いたら出す癖がついてしまった。




