負けヒロインとクラス会
水瀬と遊んだ3日後クラス会に行くため準備を現在進行系でやっている。
「さて、準備はこれくらいでいいか」
俺は今鏡の前で服装のチェックと、ショルダーバッグの中身の確認をしていた。
今日はスポーツセンターに行くわけではないが、少し動きやすめの服装を選んだ。
理由は今日行われるクラス会のスケジュールにクラス対抗ボーリング大会が開催されるから。
今日のコーディネートは白と赤を基調とした七分丈のシャツに下は茶色のチノパンそして前も首に掛けていた紫水晶のネックレスだ。最近春になって暖かくなってきたので少し袖の丈を短くしてもいいと思い、少し季節を先取りした服を出した。最近家から出るのが億劫過ぎて髪を切っていなかったせいでかなり長くなっていたので赤いヘアピンを使って片耳が出るように留めて残りの髪はワックスで流す。
正直こういう髪型は髪の方が親に似合うとは言われているが、いかんせん髪が長いと目に入ってイライラするので大抵こういう髪型はしない。セットも怠いしな。
まぁ、今日はみんな校則とかに縛られていないため結構気合いを入れた格好をしてくるだろうからそんなに浮かないと思う。
ショルダーバッグには、スマホのバッテリーと充電コード、ハンドクリーム、リップクリーム、絆創膏、長財布、ティッシュ、ハンカチ、ワイヤレスイヤホン、ハイチュ◯イチゴ味、カロリーメイ◯、ミンティ◯が入っている。後半の方は小腹が空いた時用に念のため入れているだけなので気にしないで欲しい。
そして、最後に茶色の腕時計をつけ、スマホをポケットに入れ準備万端。
「いってきまーす」
「いってらっしゃい、楽しんで来るのよ!」
母の有り難い言葉を背に赤と黒ベースのシューズを履いて家を出た。
そして駅に向かう途中のスーパーで、ジュースを二本買いバッグに入れておく。
自販機で買うより安いからな、こういう節約出来るところでしとかないと本当に金が無くなってしまう。今日の所持金は7000円ていうか今月俺が使える全部だ。電車代は親がスイ◯を貸してくれたので考えなくていいが、ボウリングで2000、その後のでバイキングで2500つまり残るのは2500しかないわけだ。残りの休みを楽しむためにも本当に不必要な物は買わないようにしないと。
そして、スーパーを出てイヤホンを付けて駅に向かう。そして、市内線に乗り込み電車に揺られること数十分都市部にやって来た。
電車から降りると少し脇道にそれスマホを弄り、集合場所を確認しそこに向かって歩いた。
目的地が遠目で見えてくると多分同じ学年の奴らなのだろう結構な集団がいるのが確認できた。俺はイヤホンを外してその集団に向かっていった。
「よう、加藤久しぶりだな?」
「おっ、湊川待ってたぞ。正直知り合いが誰一人と来なくて孤独に襲われたんだぞ?」
「いや、それならまだ集合時間まで時間あったんだしその辺ぶらつけよ」
「いやぁ、さすがにここでアニメイ◯とかとらのあ◯行く勇気はねぇよ。こんな学校の奴らばっかりいる時に」
「いや、その選択肢しか浮かばないのが問題だろ?」
俺は、久々に会った友人との会話は楽しいな素直に思う。
今話している友人、加藤はメガネをかけたクール系のイケメンなのだが残念なことに中身が重度のオタクと人見知りなので彼女が出来たことはない。まぁ、モテてはいるんだけどこいつ鈍感だからな仕方ないちゃ、仕方ない。今も女子からチラチラ見られてるのに気づいてないし。
「よっ!おひさ、ミナ、カト、どうよこの髪いけてないか?」
と俺らが会話しているタイミングで後ろから焦赤色に髪を染めているツーブロックの友人、有馬が声を掛けてきた。
「おひさ、有馬チキンなお前にはピッタリだなその髪色」
「ああ、大方周りに流されて髪を染めようとしたけど派手なのは無理だから無難なの選んだだろ?」
「おい、ミナ。チキンなのは本当だけどそんなに弄られないでくれないか?結構心にくる。カトも何でそんなに俺のこと分かってんだよお前俺のストーカーか?怖ぇよ」
俺たちに散々弄られている有馬は、お調子者のムードメーカーだな。よく馬鹿なことは考えるけど結局考えるだけで何も出来ないチキンだけど。まぁ、こいつがいるおかげで俺たちは楽しい学校生活が送れたので感謝はしている、絶対調子に乗るので言わないけど。
基本俺が学校でつるんでいたのが、今いるこいつらだ。他にも友人はいるが大体はこいつらと遊んだ。
「それにしても、人数多過ぎんだろ?電車の中、制服じゃないから分からないだけで、殆どウチの生徒だろあれ」
「ああ、確かに俺の時も多かったな。オタ友は見なかったけど」
「そりゃ、オタクは基本こういうボーリングとかは来ないだろ?来るならこの後にある飯くらいだ」
と俺の疑問を皮切りに、加藤と有馬が話し出す。そうして、しばらくしょうもない話をしていると、集合時間が過ぎてクラス幹事たちが仕切りだし俺たちはボーリング場に入った。
「はい、じゃあとりあえず三人単位で仲のいい奴で固まってくじ引いて。引いたくじに書いてある番号を確認してそのレーンに向かってね?もう一つグループが来るからそのグループと組んでチームになってもらうわ。」
委員長(メガネ真面目)から、くじを引いて俺と加藤と有馬のグループはくじに書かれているレーンに向かった。
そこには、運命の悪戯かそこには水瀬を含めクラスの人気女子トップスリー達がいた。
俺達はそれが分かった瞬間、頬がひきつかせた。
何故なら周囲の男子達から嫉妬の視線が一気に集まるのが容易に想像できたからだ。
「あっ、もしかして湊川君達が私達と同じチーム?」
水瀬は俺が近づいてくるのが見えたのか顔を少し明るくさせ俺に声をかけてきた。おい、やめろ水瀬。今だけは話しかけるな。ここは穏便に済ませたいんだ。
だが、話しかけられたのに無視するわけにはいかないので俺は返事を返す。
「ああ、そうみたいだな。とりあえず宜しく水瀬」
そう俺が言った瞬間、周りの温度が低くなったのを感じた。(やばい、冷や汗が止まんね。これが漫画の世界特有の殺気か周囲にまで影響を与えるとかヤバすぎるだろ。しかもなんか地味に身体痛いんだけど何なんこれ?こんな状況で俺ボーリング楽しめんのか、何より俺今日無事に帰れるのか?)
と不安になりクラス会が始まってすぐだが、俺は早速帰りたくなってきた。




