第122話 ☆眠れぬ夜
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
性描写があるため、改変しています。
改変前はミッドナイトノベルズへ↓
https://novel18.syosetu.com/n7662kr/
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
俺はパトリシオ・ブルスターを右手で持ち上げると、
高々と掲げて勝鬨を上げた。
「取ったどー!!」
「うおおおおおおお!!」
そして投降した乙女座騎士隊の方に目を向ける。
大半が雇われの冒険者で、その数はざっと200人。
随分ダメージを負っており、中には危険な状態の奴もいる。
他にも、戦場のあちこちから、うめき声が聞こえて来る。
(ほっとくとバタバタ死ぬな。こりゃ)
「イヴ、全員に回復を頼む」
「はいっ!」
巫女鈴の澄んだ音色が空気を震わせ、
敵味方全員に超回復が施されると、
戦場に満ちていた緊張が、ふっとほどけた。
―――――――――――――――――――
★ 巫女鈴 【聖鈴・神楽】
└外練+100 / 魔法+40 / ☆魔法(音)+80 / ★超回復+100
―――――――――――――――――――
(この場にあった"怒り"までも
吹き飛ばしてしまった気がする…
…不思議な力だ)
癒しの光に包まれた冒険者の一人が、震える声で言った。
「こ…これは。。。慈悲に感謝します」
その言葉は、敗者のものというより、
救われた者の祈りに近い。
案外、しおらしい奴らなのかもしれない。
一方で、ふてぶてしい奴もいる。
右手でぶら下がっているパトリシオ・ブルスターだ。
「おい!下ろせ!丁重に扱え!
余を誰だと思っている!!」
(なんつーガキだ…大体、"余"ってなんだよ)
どう料理してやろうかと考えていると、
背後からタリオンが声を掛けてきた。
「もし、手に余るようでしたら私が面倒を見ましょうか」
タリオン曰く、貴族は価値ある情報を持っている事が多く、
ただの人質としても価値があるらしい。
「おし、このガキは任せた!」
タリオンへ引き渡されたパトリシオは、
まるで自分が勝者であるかのように胸を張った。
足を地につけた瞬間、顎をぐいと上げて吠える。
「おい!ウッドエルフ!!
貴族への敬いを分かっているのだろうな!?」
「ハイハイ。わかっていますよ。フフフ…」
タリオンは楽しげにパトリシオの腕をつかむと、
そのままどこかへと連れ去っていった。
あの笑みは丁重に扱う気配ではなかったが、
まあ、知ったことではない。
俺は気を取り直し、
再び投降した冒険者たちへ視線を向ける。
「お前らの中でまとめ役はいるか?」
問いかけた瞬間、冒険者たちの視線が一斉に一人の騎士へと向く。
―――――――――――――――――――
・アラン
└人間族:ケルティア人:♂:24歳
└騎士
└探知魔法使い
―――――――――――――――――――
皆の注目を集めたアランは、
すでに俺へ探知魔法を飛ばしていたらしく、
その反応に目を見開いていた。
(この生命力に、この魔力……
間違いない、昨日の強大な反応はこいつか…!)
「ほぉ~。アランというのか。
中々の信頼を得ているようだな。
俺の名前はアレク・ペンドラゴンだ」
「……私の名前をどこで手に入れた?」
「俺様は全てお見通しなのだ。
他にも、わかるぞ。探知魔法が使えるとかな。
俺様の前では誤魔化しは通じんと覚えておけ!」
「…!!」
アランの喉がわずかに鳴った。
そして俺は脅しを込めて意識を集中させる。
(来い……"赤竜"《アルバストラス》!!)
次の瞬間、空気が震え、
巨大な影がグレイリッジの上空を覆った。
赤竜アルバストラスが翼を広げて降り立つと、
地面が揺れ、兵たちのどよめきが爆発する。
「選べアラン。
全員をまとめて俺の下につくか、
全員仲良く神の元へ向かうか。
人生を左右する重要な選択だからな。3秒やるよ」
「……分かりました。抗う術はありません」
断る選択肢が無いじゃないかと、
半ば諦めた心境でアレクを見上げる。
すると、首元に赤金に光るドッグタグが視界をかすめた。
(オリハルコン級冒険者――"超越者"。
あぁ……こんな怪物に睨まれて…
つくづく運の無い人生だ……)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
それからしばらく、
俺たちは戦場の後始末に追われた。
乙女座騎士隊の物資の鹵獲、散乱した武器の回収、
死者の埋葬、夜営の為のテントの設置……
一息ついたころには、空は茜色に染まり始めていた。
血の匂いも、土の匂いも、夕暮れの風が少しずつ薄めていく。
「おーし!今日は宴だ!派手にやるぞ!!」
俺は声を張り上げ、アイテムボックスへ手を突っ込む。
次々と取り出されるのは、
戦場ではまずお目にかかれない高級食材の数々。
肉の塊、酒樽、山の幸、果物……
兵士たちの目が一斉に輝く。
―――――――――――――――――――
[肉]
・☆☆☆☆☆伝説の肉『エイクスニルの極上肉』×10
・☆☆☆☆奇跡の肉〈ゴールデンボアの特上肉〉×50
・☆☆☆希少な肉「スクヴェイダーの霜降り肉」×80
[酒]
・☆☆☆☆奇跡の醸造酒 〈ルビー・ワイン〉×80
・☆☆☆希少な蒸留酒 「ドワーフ・キラー」×200
・☆☆精良な蜂蜜酒 [ワッフル・ミード]×500
[淡水魚]
・☆☆☆☆☆伝説の淡水魚『幻泉イトウ』×50
・☆☆☆☆奇跡の淡水魚〈オーロラいわな〉×100
・☆☆☆希少な淡水魚「霜降り鮎」×200
[キノコ]
・☆☆☆☆☆伝説のキノコ『夢幻マツタケ』×50
・☆☆☆☆奇跡のキノコ〈燻製トリュフ〉×100
・☆☆☆希少なキノコ「蝋色椎茸」×200
[果物]
・☆☆☆☆☆伝説の果物『王蜜メロン』×50
・☆☆☆☆奇跡の果物〈白金・ピーチ〉×100
・☆☆☆希少な果物「ルビー・ブドウ」×1000
―――――――――――――――――――
「おおー!!」
もちろん、投降した冒険者達にも分け与える。
「……いいのですか?」
やがて、どんちゃん騒ぎが始まった。
肉が焼ける匂い、酒樽の栓が抜ける音、笑い声、歌声。
ついさっきまで死と隣り合わせだったとは思えないほどの歓喜だ。
“生きている”という実感が広がっていく。
俺は喧騒から少し離れた焚火のそばに腰を下ろした。
そこには、部隊を率いた者たちが静かに火を囲んでいた。
火の揺らめきが、戦いの余韻を溶かしていく。
―――――――――――――――――――
・フィズル・ペンドラゴン Lv.67
└妖精族:ノーム:♀:22歳
・イーリア Lv.51
└人間族:ノルド:♀:16歳
・ラグナル Lv.57
└妖精族:ドワーフ:♂:131歳
・カラドク Lv.62
└人間族:ケルティア人:♂:40歳
・タリオン Lv.72
└エルフ族:ウッドエルフ:♂:120歳
―――――――――――――――――――
「みんな、今日はよく戦ってくれた。ありがとな。
…それで、乙女座騎士隊の損害は分かったか?」
フィズルが答える。
「死者82名、捕虜325名です」
「そうか…こっちの損害は?」
「死者0、負傷者31名です」
(ホッ………)
死者0の報告に安堵しつつ、
意外と負傷者が多いことに驚いた。
(確かに、敵の反撃で多少の矢を受けた。
だが、ほんの僅かだったはず……
どこでそんなに負傷を負ったんだ?)
すると、カラドクがラグナルに謝罪した。
「すまん。誤射を防げなかった」
「いや…ワシらの方こそ申し訳ない。
勝手に前進して、隊列を乱した」
あー。あれか。
最終局面のごたついた前進。
アレは作戦に無い行動だった。
(ま、しゃーないわな)
あの光景を見れば、歩兵たちの気持ちも分かる。
強大な敵が完全に罠に嵌り、その上撤退を始めた。
あの熱狂の中で、敵に背を向けて撤退する方が難しい。
俺もつい前に出ちまったしな。
…
……
――そもそも、俺達が立てた作戦はこうだ。
まず、グレイリッジで敵を釣り出し、
十字射撃とパイクラインで敵の機動力を削ぎ落す。
その後、歩兵は弓の支援を受けながら背後の細い山道へ偽装撤退。
俺含めたペンドラゴンで殿を務め、時間を稼ぐ。
そして、全員の撤退が完了すれば、
グレイリッジに溜まった敵を背後から赤竜で強襲。
山道へ誘導し、散らばった敵を地形の優位を生かして各個撃破していく。
…
……
まさか、初手でそのまま決着に向かうとはな。
戦場というのは、どれだけ計画を練っても
予想外の動きをしてくるもんだ。
イーリアがすぐに口を開き、控えめな声でフォローを入れる。
「私の計画ミスです。
前線が勇敢なカナンの戦士であるということを、計算出来ていませんでした」
いかにもイーリアらしい、自分に責任を寄せる言い方だ。
ガツンと言ってもいいもんだが……。
フィズルが補足するように続いた。
「イヴの"神聖魔法"も、あの妙な高揚感に繋がったのかもしれません。
もっとも、あの加護が無ければ死者も出ていたかもしれませんが」
「…ん?どういうことだ?」
――神聖魔法。
ランダムで身体能力を底上げする効果を持つ魔法だ。
戦の直前、イヴの聖鈴・神楽によって、
全員に付与されていた。
フィズル曰く、
兵士たちの体力は全快し、さらに能力上昇の加護まで受けていた。
戦の直前に普段より身体が軽く、力がみなぎる状態ともなれば、
無敵になったと錯覚してもおかしくない――そういう話だった。
(ふーむ。なるほどな)
俺は「剛力」の中上昇↑↑の効果を受けていたが、
確かにいつもより体が軽く、調子がいいという感覚があった。
イヴの力は、合戦の場では想像以上に強力で、
戦闘集団を別の狂戦士の集団に変えてしまうような
麻薬のような力を秘めているのかもしれない。
「それと、弓兵の矢ですが、数人枯渇しています。
戦闘時間はおおよそ5分。
それでも撃ち尽くす者が出たようです」
「5分!?今日の戦い、たった5分で終わったのかよ?」
体感では、あの戦いは30分は続いていた。
怒号、衝突、矢の雨、撤退、追撃――
あの濃密さが、たった5分に詰め込まれていた言われても信じがたい。
というか、矢は1人64本装備していたはずだ。
いつもの山狩りを考えれば、
十分に持たせたつもりだったが、足りないのか。
後方に居たあいつらも、余程必死だったということか。
「う~ん。今日は偽装撤退を計画していたしなぁ。
次からは、留まることも考えて補給用の矢筒も配置したほうがいいか?」
俺がそう提案すると、タリオンが進言して来た。
「機動力とトレードオフですし、
慎重に考慮した方がいいです。
弓兵とは頻繁にポジションを変えるものなので」
聞けば、タリオン山岳部隊の今日の矢の消費量は
1人あたり20本ほどだったそうだ。
戦場に慣れていない新兵ほど、
心の余裕がなく無駄撃ちが増えるらしい。
慣れれば“狙って撃つ”ができるようになり、
自然と抑えられていくという。
「なるほど……」
こんな調子で、反省会は続いて行った。
――圧勝したとはいえ、反省の多い戦いだった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
その夜、俺はひと際大きなペンドラゴンのテントに戻った。
そのテントは、いくつかの大型テントを連結して作られたもので、
中心には広めの居間があり、そこから三つの寝室が枝分かれするように並んでいる。
一つは俺専用の寝室。
一つは愛奴たちペンドラゴンの寝室。
そしてもう一つが、イーリアたちスタルディア組の寝室だ。
どの部屋にも、ふかふかのベッドが備え付けられている。
戦場とは思えないほどの快適さで、ここだけ別世界のようだ。
その居間で、愛奴たちとイーリアたちが思い思いに杯を傾け、
今日の勝利を共に祝っていた。
俺もそこへ混ざり、もう一度飲み直していたのだが――
珍しく酔っぱらったフィズルからダルがらみを受けていた。
「やはりれすね~
旦那様は自分の役割がわかってないのれす!」
舌が回っていない。完全に出来上がっている。
そして話の内容は何度も聞かされた“あの話”だ。
俺達カナンの軍勢は、
俺を心臓とした補給点として成立している。
―――補給線ではなく。
これは裏返せば、俺が戦闘不能に陥った瞬間、
遠征中の全軍は孤立し、故郷へ戻る術を失うことを意味している。
……耳が痛くなるほど聞いた注意事項だ。
「そうれす!それなのに今日!
前線へ行きやがりました!」
イーリアまで参戦して来やがった。
さすがに分が悪い。
「あーあーわかったわかった。
俺が悪かったよ」
そんな光景が珍しいのか、
アウラとネイはニヤニヤしながら眺めている。
完全に面白がっている顔だ。
「もぉー、聞いているんれすか!
こっち向いて下さいっ!!」
フィズルが頬を赤くして揺さぶってくる。
振り向くと、突然、フィズルに唇を奪われた。
!!
いつもなら、絶対にしない行動だ。
しかも舌まで入れてきやがって。
「きゃー!きゃー!」
愛奴達が騒ぎ出した。全員の顔が赤い。
酒のせいだけじゃなさそうだ。
(甘ったるい酒の香りと…メスの香り…?)
いつの間にか居間にはフェロモンが充満し、
全員が発情していた。
戦いの後の異様な高揚感が抜けていない。
俺もまだ、アドレナリンが引いていない。
「そろそろ寝室に行くか」
俺は愛奴たちを引き連れ、寝室へ向かった。
…
……
愛奴たちの寝室に足を踏み入れた瞬間、空気が変わった。
全員が一斉に衣服へ手をかけ、布が落ちる音だけが静かに重なる。
視線が、獲物を見定めるように俺へと向けられた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
!見せられないよ!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「今日は遠慮しなくていいよな?」
「あっ…♡」
種付プレス………否っ!!
☆超絶!バーサク・プレス!!☆
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
―――スタルディアの寝室。
夜の静けさが満ちるはずの寝室で、
眠れずに身を縮めている少女がいた。
王族護衛のフィーラだ。
■フィーラ
―――――――――――――――――――
・フィーラ Lv.57
└人間族:ノルド人:♀:16歳
└ヴァルキュリヤ近衛騎士隊、『導杖』
―――――――――――――――――――
(…声!もろ聞こえるじゃないっ!)
薄い布で仕切られただけのテントでは、壁など無いに等しい。
それなのに、ペンドラゴンの連中はお構いなしに盛っている。
(あ~~もうっ!)
悶々とする。眠れない。
まぶたを閉じようとしても、今日の戦いの光景が脳裏に焼き付いて離れなかった。
400人もの敵が、自分たちを殺すために押し寄せて来たあの光景。
地響きのような軍馬の足音、怒号、そして悲鳴……
そして、雄叫びを上げながら突撃していったカナンの男たちの背中。
そのすべてが、今も自分の胸を揺さぶっている。
今日の戦いでは、ヨル、オリヴィアと共に
イーリアの護衛として後方に控えていた為、
幸運にも自分の出番は無かった。
(……でも、もし“いざという時”が来ていたら?)
胸の奥がきゅっと縮む。
あの狂気の戦場で、自分は本当に戦えたのだろうか。
剣を握り、血の匂いの中で、前へ踏み出せたのだろうか。
星王国でも訓練は積んでいたが、
1対1の対人戦に特化したものだ。
戦場はまた理が異なると知った。
ちらりと、隣のベッドのイーリアの方を見ると、
寝息が聞こえて来た。
重責から解放され、疲れ果てたのだろう。
(チャンス…)
※クチュ※
恥部に触れると、既に濡れていた。
今日は手慰みでもしないと眠れそうにない。
※ゴソゴソ※
すると、ペンドラゴンの寝室から、
そろりとした足音が聞こえて来た。
アレクが自分の寝室に逃げ帰ってきたようだ。
(戦場では勇ましいくせに、随分と撤退が早いのね)
だが、男が居なくなったはずの
ペンドラゴンの寝室から喘ぎ声が止まらない。
"性獣"リーシャが無双している様だ。
※ゴソゴソ※
寝静まったはずの寝室で、布の擦れる小さな音がした。
帰って来たアレクを追うように、
寝室から一人抜け出したのだ。
(あっ………ヨルさん…)
ヨルが、アレクに抱かれているのは知っていた。
王家直属の影の部隊――暗刃侍従衆。
噂では、諜報の為に女を使う訓練すら受けるという。
(ヨルさんの喘ぎ声…)
いつもキリッとしているヨルの姿を思い出す。
■ヨル
それが、今や女の声で鳴いている。
……複雑な気分だ。
だが、カナンへ逃れた後、
自分たちが城で不自由なく暮らせたのは、
ヨルさんが体を差し出し、そのように働きかけた結果なのだろう。
(フッ♡フッ♡)
遠くから聞こえて来る交尾の音に釣られ、
妄想が捗る。
※ゴソゴソ※
しばらくすると、ヨルが戻って来た。
思わず手慰みを止めて、寝たふりをする。
(……あと少しでイケそうだったのに)
※ゴソゴソ※
すると今度は、またひとつ布の擦れる音が混じった。
別の者がアレクの元へ向かったのだ。
(えっ……嘘でしょ……オリヴィアまで!!)
■オリヴィア
衝撃だった。
まさかオリヴィアまでアレクに抱かれていたとは。
まったく気づかなかった。
(いつの間にそんな関係に……)
そんなことを考えていると、
あの高潔なオリヴィアからは想像できないような、
獣の声が聞こえて来た。
(嘘…嘘でしょ…)
頭が混乱する。
オリヴィアは一体どうしてしまったというのか。
男とは、これほどまでに女を狂わせるものなのだろうか?
(まさか、アレクに抱かれてないの私だけ?)
急に自分だけが仲間外れにされた気がして、寂しくなってきた。
手慰みで済まそうとしている自分が余計惨めに思える。
※ゴソゴソ※
しばらくするとオリヴィアも戻って来た。
そしてすぐに、寝息を立て始める。
……すっきりしたのだろう。
衝撃が凄すぎて、こっちは全然眠れないというのに。
居ても立っても居られなくなったフィーラは、
意を決するとアレクの寝室へ向かった。
…
……
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
!見せられないよ!
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ちょっと…私の相手もしてよ」
アレクはポカンと目を丸くしていた。
顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。
自分でも突拍子もないことをしている自覚はあるのだが、
引き返す勇気も、言い直す余裕も、もうない。
胸の鼓動が早まり、足先まで熱が広がる。
「いいのか?というか……もう逃がさんけどな」
次の瞬間、アレクに引き寄せられて唇を奪われた。
頭がふっと軽くなり、思考が剥がれ落ちていく。
(あっ……♡)
気づけば、背中が柔らかな寝具に沈んでいた。
ムキムキの男の体が覆いかぶさり、逃げ道を塞ぐように腕が回される。
その重さと温もりで、もう後戻りできないことを悟る。
「や……やさしくして」
「約束できんな」
その夜、フィーラは初めて本物の快感を知った。
自分が少女ではなくなった瞬間を、
朧げな意識の中で受け止めた。
ブクマ・評価いただけると大変助かります(>ㅅ<)




