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夜明けの星の黙示録【R15】  作者: アレクサンドル・スケベスキ
第七章 スタルディア星王国編

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第116話 偵察2

――乙女座騎士隊(ステラ・ヴィルゴ)はおよそ400。

"エドワード"とかいう奴との合流を待てず、

単独で動くつもりらしい。


パトリシオの言うエドワードとは、

ブルスター家の3男、エドワード・ブルスターの事で間違いないだろう。


となると、残り800は蠍座騎士隊(ステラ・スコルピオ)か。

一体どこにいる?


「心当たりはあるか、ヨル?」


■ヨル

挿絵(By みてみん)


「…」


無視された。

というか、ブチギレである。


さっきまであんなに喘いでいたのに…

“女心と秋の空”とはよく言ったものだ。

移り変わりが激しい。


ふぅ…ヤレヤレ、仕方ないな。


―――――――――――――――――――

・☆☆☆希少な 「ルビー・ブドウ」 ×1

―――――――――――――――――――


「フンッ!甘味でほだせると思うなよっ!」


※モグモグ※


(食うんかい)


「イスニア要塞を占拠していたのを見かけたぞ」


(教えてくれるんかい)


「そんじゃ、行ってみるか」


こうして俺達は、

探知魔法と空間魔法を駆使しながらイスニア要塞を目指した。


"ワープ"


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


■地図:イスニア要塞

挿絵(By みてみん)


要塞に近づくと、星座の旗が掲げられているのが見えた。

さそり座の旗らしい。


俺は敵の人数を探るべく、

なるべく要塞に近づいてから探知魔法を念じた。


「う~ん…20から50人ってところか?

 よくわからん」


要塞の中に何人か居ることは分かるのだが、

遮蔽物の奥に潜んでいるせいで、反応がぼやけている。

だが、ここに蠍座騎士隊(ステラ・スコルピオ)の本隊が居ない事は間違いない。


「他に心当たりはあるか?」


ヨルは静かに首を横に振る。

仕方ない…偵察はここまでだな。戻るとするか。


一応、すれ違っているかもしれないので、

俺たちは、軍隊が通れそうな道沿いを下るようにして、

帰路に着くことにした。


”ワープ”


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


道沿いを移動してきたが、

ここまで蠍座騎士隊(ステラ・スコルピオ)は見つけれず。


空も日が落ち、茜色に染まって来た。

このままカナンに直帰するかと思ったその時、

ふと、遠くに煙が上がっていることに気付く。


■地図:偵察帰路

挿絵(By みてみん)


――トラブルの予感。


今日は、世界樹から離れた所で魔法を使いすぎた。

ここも大気中の魔素(マナ)が薄いと感じる。


見に行く前に、自分の状態を確認する。


■アレク:ステータス

―――――――――――――――――――

名前:アレク・ペンドラゴン Lv.167

HP:2308 / 2510 MP:1215 / 2520

種類:亜人類 種族:人間 種別:イーシス

性別:♂ 年齢:16歳 身長:186cm

ジョブ:

 ・「バーサーカー」:Lv.5

 ・「ウィザード」:Lv.15

 ・冒険者見習い:Lv.27

 ・「猟師」:Lv.10

 ・「山菜採集士」:Lv.11

 ・【アドニス】

 ・【英雄】

スキル:

 ・「狂瀾」

 ・「三重奏」

 ・察知

 ・「大猟」

 ・「希少採集」

 ・【ポイント付与】

 ・◆任命:【愛奴】(2)

 ・【無詠唱】

 ・【精密解析】

称号:

 ・《オリハルコン級:冒険者》

 ・《竜を統べる》

―――――――――――――――――――


魔力の消費が激しく、もう半分を下回っている。

行けるか…?いや、行くしかないよな。


「向かうぞ、ヨル」

「お、おい」


"ワープ"


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


――ここに居やがったか。


小さな村は焼け、黒煙が風に流されていた。

そんな災禍の中で、さそり座騎士隊(ステラ・スコルピオ)

ふんぞり返るように村を占拠している。


中心には大きな焚き火があり、

騎士たちはその火を囲んで酒を酌み交わしていた。

周囲には村人らしき男たちの亡骸が転がっているが、

彼らの関心はそこにはなく、

焚き火の前にいる一人の女へと注がれていた。


そこでは、一人の男が見せつけるように女をレイプしていた。


"解析"

―――――――――――――――――――

・エドワード・ブルスター

 └人間族:ケルティア人:♂:16歳

―――――――――――――――――――


(こいつがエドワード・ブルスター……

 なぜ自国の村を襲っている?)


ヨルが気配を消しながら近づいて来る。


「救出に行くとか言い出すなよ…

 さすがにこの人数ではどうにもならん」


「ヨル、ワープでカナンに繋ぐ。

 襲われている村人たちの保護の準備をするよう、

 サクラに伝えろ」


「お、おい……!」


"ワープ"


空間がひらき、カナンへと続く道が現れると、

ヨルはしぶしぶ足を踏み入れ、姿を消した。


(さて、今のうちに現状把握に努めるか)


"ワープ"の空間魔法を維持したまま、

同時に"探知魔法"を展開する。


魔力の波が円形に広がり、やがて戻ってくると、

認識:Lv.62の能力が、周囲にざっと800人いることを教えてくれた。


うじゃうじゃ居やがるが、

騎士の装いをしているのはほんの僅かだ。

大半は服装もバラバラで、寄せ集めの集団という印象が強い。


構成そのものは乙女座騎士隊(ステラ・ヴィルゴ)と大差ないのだろう。

騎士:50人、従士:100人程度が、騎士隊の中核を成していると見た。


だが、明らかに乙女座騎士隊(ステラ・ヴィルゴ)よりも、荒っぽい連中が集まっている。

【精密解析】スキルで数名を調べてみると、

"冒険者"や"傭兵"だけではなく、

"荒くれ者"、"盗賊"、"山賊"が大量に入り混じっていた。


(なんじゃこいつら…

 随分程度の低い連中が集まっているな)


ここまで多いと、騎士隊と言うよりも

賊の寄せ集めだなこりゃ。


(あの配置はなんだ?)


騎士たちの配置を良く観察すると、

警備が厚い箇所が2カ所あることに気付く。


一つは、生命反応が全く無いテント群と、

もう一つは大きめの古民家だ。


古民家の方は奥に30人程の生命反応が確認できる。

そこに村人たちが捕らわれている可能性は高い。

って事は、テント群は――


そんな思考を巡らせていると、ヨルが戻ってきた。


「サクラ村長に話を通してきたぞ」


「おし。それじゃ行くか。音を立てるなよ」


"ワープ"


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


俺とヨルは、騎士たちが厳重警備するテントの中へと直接飛び込んだ。

だが、中にあったのは食料の山だけで、目的のものは見当たらない。


※ここは備蓄庫か?※


※うーん。そのようだな。

 ハズレだ。次いくぞ※


"ワープ"


……


※おっ!あったぞ♡※


そこには豪華なベッドと、大きめの宝箱が5つ並んでいた。

エドワード・ブルスターの寝床なのだろう。


俺は"収納"と念じてアイテムボックスを開き、

ヨルに指示を出す。


※ここの宝箱、全部アイテムボックスへ入れろ※


※おい、こんな時に金を漁っている場合か?※


まったく、ヨルは分かってないな。

寄せ集めの生命線――それは資金だ。


蠍座騎士隊(ステラ・スコルピオ)が連中を集められたのは、

潤沢な資金があるからに他ならない。

その金が底を尽きれば、どうなるか想像に容易い。


※いいから手伝え。ここの金は全て俺様のものだ※


こうして、俺とヨルは手分けして

宝箱をアイテムボックスへ放り込んでいった。


■アイテムボックス

―――――――――――――――――――

・大金貨 ×35

・金貨  ×286

・大銀貨 ×5,870

・銀貨  ×35,607

・青銅貨 ×4,582

・銅貨  ×1,858

[合計]:15,838,378 Rb

―――――――――――――――――――


奪った金はおおよそ1,400万Rb。円換算で約14億円だ。

ムホホ♡ 随分溜め込んでやがる。


宝箱の中身は銀貨の比率が高かった。

支払いとしての主要硬貨なのだろうか。


均して日当1万円=銀貨1枚として、

800人をひと月維持できる資金は。

ええっと……


銀貨1×800人×30日 = 銀貨24,000 = 240万Rb。


つまり、800人を6か月間維持できるだけの資金を

エドワード・ブルスターは持っていたことになる。

まっ、全て俺様が頂いたのだが♡


※次は戦闘になる。準備しろ※


※あまり無茶はできんぞ※


俺がアイテムボックスから妖刀を取りだすと、

ヨルもグラントハルの短刀を構えた。


―――――――――――――――――――

★ 妖刀 【冥狂血吸(めいきょうちすい)

└斬撃+100 / ☆切断+80 / ★MP吸収+50 / ★HP吸収+50

―――――――――――――――――――


いざ、古民家の方へ。


"ワープ"


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