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当ててんのよ

マンションを出て、名古屋駅へ向かう地下鉄に乗り込む。朝のラッシュは過ぎているとはいえ、車内はそこそこの混雑だった。ドア付近の狭いスペースに、佐藤と並んで立つことになる。電車が大きく揺れた。「おっと、危ねぇ」佐藤が俺の肩を支えようと手を伸ばす。その瞬間、男だった頃には決して感じることのなかった「圧倒的な体格差」と「恐怖」が身体を突き抜けた。彼の胸板がすぐ目の前にある。男の身体の時には意識もしなかった男の体臭や、低い声の振動が、今の華奢な真鈴の身体には威圧感としてダイレクトに伝わってくるのだ。おまけに、急ブレーキがかかった拍子に、身体が佐藤の方へと押し付けられた。ブラジャーで固定されているとはいえ、俺の胸の柔らかい膨らみが、彼の腕に思い切り押し潰される。「うわっ……ごめん、世古。大丈夫か?」「……っ!」声にならない悲鳴を上げながら、必死に頷く。押し潰された胸の先端から、むずがゆいような、痛いような電気的な感覚が走り、脳がカッと熱くなった。さらに、踏ん張った拍子にデニムの股布がデリケートな部分に食い込み、男の時にはあり得なかった「直の刺激」に下腹部がキュンと切なくなる。(ヤバい……男の時の感覚と全然違う。感覚が過敏すぎる……!)佐藤は純粋に心配しているようだが、俺の心臓は破裂寸前だった。ポケットの中のスマホが、真鈴からの生存確認のように短く2回震えたが、今の俺には返信を返す余裕など一ミリもなかった。

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