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狂乱のステージ:操り人形の天才

「エントリーナンバー3番、文学部推薦、世古真鈴さんです!」華やかな照明がステージを照らし、大歓声が巻き起こった。俺は真鈴の身体を震わせながら、ゆっくりとステージ中央へ歩き出した。歩くたびに、短いメイド服の裾が揺れ、観客席の男子学生たちの熱い視線が、真鈴の白く細い太ももや、押し上げられた胸元に集中するのが痛いほど分かる。男だった頃、自分が女子をそういう目で見ていたからこそ、向けられる「性の視線」の生々しさに鳥肌が立った。『背筋を伸ばして。手先は綺麗に揃えて、顎を少し引く。……よし、そのまま客席に向かって、15度の角度で小さく微笑みなさい』イヤホンから聞こえる真鈴の的確なナビゲーション。俺がその指示通りに動くと、客席から「うおおお! 神すぎる!」「世古さん結婚してくれ!」と地鳴りのような歓声が上がった。中身が男の俺の羞恥心が、奇跡的な「儚げな美少女の照れ」として観客を魅了していた。そして、運命の2次審査――特技披露。ステージ中央に設置された、大型の液晶ペンタブレットの前に立つ。『ペンを握って。画面の右端にあるブラシツール、不透明度を70%に。……大丈夫、私の身体の細胞が、描き方を覚えてる。あなたはただ、私の指示する座標に、迷わず線を引けばいいの』心臓が破裂しそうなほど脈打つ中、俺は真鈴の繊細な指先で、画面にペンを走らせた。「ここに線を引く」と頭で考えるより先に、彼女の肉体が勝手に滑らかに駆動する。『そこから曲線を引いて、青のパレットを選択。一気に色を乗せる!』彼女の脳内にある完成形が、インカムの指示を通じて、俺の手へとトレースされていく。最初はざっくりとした色彩の塊だった画面が、俺が手を動かすたびに、見る見るうちに「名古屋の摩天楼の夜景と、そこに舞い降りる幻想的なシャチ」の美しいデジタルアートへと変貌を遂げていった。制限時間5分。最後の1ストロークを終え、俺がペンを引いた瞬間、液晶画面に映し出された圧倒的なクオリティのイラストに、会場全体が静まり返った。「……す、凄い。これはもう、大学生の文化祭のレベルを超えています……!」司会者が興奮で声を震わせる。次の瞬間、割れんばかりの拍手と歓声が、秋のキャンパスに響き渡った。

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