「世古さん、可愛すぎる!」 密着と狂乱のフロア
「お、おい……マジかよ……」部室に入った瞬間、拓海をはじめとするサークルの男どもが、一斉に息を呑んで硬直した。華奢な肩、ふんわりとしたスカートから伸びる美脚、そして嫌でも視線を集める豊かな胸元。中身の俺の困惑をよそに、鏡の中の「世古真鈴」は、圧倒的な美少女メイドとして完成していた。「い、いらっしゃいませ……ご主人様」真鈴の鈴を転がすような声で、顔を真っ赤にしながら呟く。その「恥じらい」が、男たちには最高の萌え要素に映ったらしい。「うおおお! 世古さんめちゃくちゃ可愛い! 今年の売上、勝ったわ!」開店するやいなや、口コミで噂が広がり、カフェには長蛇の列ができた。慣れないヒールでの接客、歩くたびに揺れる胸の重み、そしてスカートがめくれないかという恐怖で、俺の精神は限界だった。「世古さん、オムライス入りました! ケチャップでハート描いてあげて!」「あ、はい……!」厨房の狭いスペースで、拓海とすれ違う。その瞬間、ドンと肩がぶつかった。「っと、ごめん!」狭い通路で、メイド服の胸の膨らみが、拓海の腕に思い切り押し潰される。「……っ!」声にならない悲鳴を上げながら、俺は咄嗟に胸を隠した。押し潰された胸の先端から、過敏な神経を伝って脳へ電気が走り、下腹部がキュンと切なくなる。中身が男の俺に対して、拓海は顔を真っ赤にして「わ、悪りぃ……!」と動揺していた。男の時の友人から、完全に「一人の女」として意識されている生々しさに、目眩がしそうだった。




