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生理痛を抱えてHAL名古屋へ
その日は、国際アニメ映画祭(ANIAFF)の運営チームとの重要な進捗会議があった。声が出ない設定は「喉の風邪が長引いている」ということで押し通していたが、体調の悪さは演技ではなかった。HAL名古屋の洗練された校舎を歩きながらも、足元がフラフラする。下腹部には、真鈴に指定された使い捨てカイロが貼られていて熱い。それなのに、指先や足先は貧血で氷のように冷たかった。(一分一秒、常に股間のナプキンに血が染み込んでいく感覚がある……。漏れてないか? ズボンにシミができてないか?)周囲の男子学生が「世古さん、顔色悪くない? 大丈夫?」と声をかけてくる。俺はなんとか頷いてメモ帳を見せた。【大丈夫です。少し体調が悪いだけなので、会議を進めてください】会議中、椅子に深く腰掛けるたびに、股間のナプキンが圧迫されて「ジュワッ」と経血が広がる生々しい感覚が脳に伝わる。あまりの不快感と痛みに、俺は机の下で拳を硬く握りしめ、真鈴の細い爪が手のひらに深く食い込んだ。彼女は毎年、毎月、この凄まじいハンデを背負いながら、あの圧倒的なクオリティのデザインを描き続けてきたのだ。男の身体で何不自由なく、ただ「課題が面倒くさい」などと言っていた自分の甘えを、俺は激しい痛みの中で猛烈に恥じた。




