電話越しのスパルタ指導
『もしもし? 朝から何よ、今髭剃りしようとして……』「生理が来た!! シーツが血まみれだ! お腹が痛くて動けない!」電話の向こうの真鈴(中身は俺)は、一瞬だけ絶句した。しかし、すぐにプロのクリエイターらしい、冷徹なまでの冷静さを取り戻した。『……予定日より3日早いわね。いい? 泣いてる暇はないわ。今すぐトイレに行って。サニタリーボックスの中に、昼用のナプキンが入ってるから』「ナプキン!? どれだよ、使い方が分からない!」『個包装を開けると、シールがついてるでしょ。それをショーツの、ちょうど股のクロッチ(布が二重になっている部分)の中心に真っ直ぐ貼り付けるの。羽つきのやつなら、羽を外側に折り込んでショーツの裏側に固定して。……あと、絶対に経血が漏れないように、ショーツはサニタリー用の防水布がついてるやつに穿き替えて!』下腹部をズキズキと刺すような痛みに耐えながら、俺はトイレにこもった。ショーツにナプキンを貼り付け、おそるおそる穿き直す。太ももの付け根の間に、厚手のゴワゴワした異物が挟まっている独特の不快感。歩くたびにカサカサと音が鳴り、股間のデリケートな粘膜に血を含んだ綿が密着している感覚は、男の精神にとって拷問以外の何物でもなかった。「なぁ、これ……座るたびに血がドバッと出る感覚がして、気持ち悪すぎるんだけど……」『我慢しなさい。それが女の現実よ。デスクの引き出しにロキソニン(鎮痛剤)が入ってるから、今すぐ飲んで。それと、汚れたシーツはすぐに水洗いして。お湯を使うと血が固まって落ちなくなるから、絶対に冷水で洗うのよ』




