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蒼と紅の冒険譚  作者: レイヴン
王都
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第四話 王都での再会

翌朝。


朝日が昇ると同時に、商隊は野営地を出発した。


丘を下るにつれ、王都アルセリアの巨大な城壁がどんどん近付いてくる。


「近くで見るともっと大きい……。」


ヴィルは見上げながら呟く。


城壁は何十メートルもあり、その上では兵士たちが街を見渡していた。


「人もすごい。」


アイナが辺りを見回す。


門の前には何十台もの荷馬車が並び、商人や旅人、冒険者が長い列を作っていた。


「こんなに人がいるんだ……。」


「田舎じゃ考えられないね。」


ヴィルは思わず笑う。


順番が来ると兵士による荷物検査が行われた。


ガレスが許可証を見せると、兵士は頷く。


「確認しました。通ってください。」


巨大な門をくぐる。


その瞬間。


「……。」


ヴィルもアイナも言葉を失った。


広い石畳の道。


左右に並ぶ何階建てもある建物。


露店だけでも数え切れないほどあり、人々の声が絶えず聞こえてくる。


遠くには王城がそびえ立ち、その存在感だけで圧倒される。


「すごい……。」


「町じゃない。」


アイナが小さく呟く。


「一つの世界。」


ヴィルも何度も周りを見回す。


「あっ!」


「魔道具屋さん!」


「あっちはお菓子屋!」


「武器屋も大きい!」


「ヴィル。」


「落ち着いて。」


「無理!」


アイナは少しだけ笑う。


「迷子になる。」


「ならないよ!」


そう言った直後。


「えっと……。」


ヴィルは立ち止まる。


「ギルドどっち?」


「……。」


アイナは呆れたようにため息をついた。


「ほら。」


「やっぱり。」


「ごめんなさい。」


◇ ◇ ◇


商人のガレスに案内され、無事に王都冒険者ギルドへ到着した。


建物はこれまで見たどのギルドよりも大きく、何十人もの冒険者で賑わっている。


「広い……。」


ヴィルは感心する。


受付へ向かい依頼完了の報告を済ませる。


「護衛依頼完了しました。」


受付嬢は笑顔で頷いた。


「ご苦労さまでした。」


報酬が渡される。


その後、ヴィルは懐から一通の封筒を取り出した。


「紹介状があるんですが。」


受付嬢は封を確認し、表情が変わった。


「アッシュさんからですね。」


「少々お待ちください。」


奥へ向かっていく。


数分後。


「ヴィルちゃん!」


聞き覚えのある明るい声が響いた。


振り返ると、一人の女性が手を振りながら歩いてくる。


肩までの淡い桃色の髪。


優しそうな青い瞳。


腰には二本の剣。


「ルミアさん!」


ヴィルが嬉しそうに駆け寄る。


アイナも小さく頭を下げた。


「お久しぶりです。」


ルミアは二人を見て笑顔になった。


「二人とも大きな怪我もなさそうで安心した。」


「Dランクになったって聞いたよ。」


「おめでとう!」


「ありがとうございます!」


ヴィルは照れくさそうに笑う。


「ルミアさんのおかげでもあります。」


「そんなことないよ。」


ルミアは優しく首を振る。


「頑張ったのは二人。」


「私は少し手伝っただけ。」


その笑顔は、本当に優しいお姉さんそのものだった。


◇ ◇ ◇


ギルド内の食堂へ移動し、三人は昼食を取りながら話をする。


「アッシュさんから話は聞いてる。」


ルミアは紹介状をたたみながら言った。


「しばらく私が二人の面倒を見るね。」


「本当ですか!」


ヴィルの表情が明るくなる。


「もちろん。」


「でも甘やかすつもりはないよ?」


ルミアは少し悪戯っぽく笑う。


「二人にはもっと強くなってもらうから。」


「はい!」


アイナも真剣に頷く。


「王都にはね。」


ルミアは窓の外を指差した。


「あちこちにダンジョンがあるの。」


「ダンジョン!」


ヴィルの目が輝く。


「それだけじゃない。」


「闘技場もあるよ。」


「闘技場?」


「冒険者同士が腕試しをする場所。」


「観客もたくさん来るし、大会も定期的に開かれる。」


ヴィルは驚いた。


「大会まであるんですか!」


「あるよ。」


「優勝すると賞金も名誉も手に入る。」


アイナが静かに尋ねる。


「私たちも……。」


「出られる?」


ルミアは微笑む。


「もちろん。」


「でも今はまだ早いかな。」


「まずは経験。」


「ダンジョン。」


「魔物との実戦。」


「それから対人戦。」


「全部経験して、一歩ずつ強くなろう。」


ヴィルは大きく頷いた。


「はい!」


「頑張ります!」


ルミアは満足そうに笑う。


「よし。」


「まずは宿を探そう。」


「王都での生活は今日から始まるんだから。」


三人は食堂を後にする。


ギルドの外へ出ると、活気あふれる王都の景色が広がっていた。


ヴィルはイヤリングにそっと触れ、アイナも胸元のペンダントを握る。


新しい街。


新しい仲間。


そして、まだ見ぬ強敵たち。


二人の冒険は、ここ王都アルセリアで新たな一歩を踏み出したのだった。

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