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神様の遺言状 ~世界に一軒だけの喫茶店はお客様の悩み事も解決いたします~  作者: はんぺん
第二章 引きこもりの竜と仲直りのチーズケーキ

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37話 もう一度やったら出禁!

「まさかこの店には、マスター様以外にも、神がおわすのですか?!」

「この店の者ではないけれど、常連客の中に困った神がいてね。昨日神気(しんき)を振りまいたのは、()で間違いないと思う。これからは二度とこんなことを起こさぬよう、このぼくが、()()()()()()()()()()()から、どうか今回だけは大目に見てやってほしい」

「わ、わかりました! まさか、神自らが事情をご説明くださるとは──そのお心遣いに感謝致します!」

「原因がわかって安堵いたしました。これで僕らも、不安がっている国民を安心させることができます!」

「万が一、彼が再びシグベルムの民に迷惑をかけるようなことがあれば、即刻()()にするから、どうか安心してほしい」

「で、()()、でありますか!? わ、わかりました! 国民にもそのように伝えます!」


 目が据わっているマスターの容赦のない物言いに、犬人族たちが動揺している。

 新規開店した時のことといい、今回のことといい、不用意に騒動を招く〈白い死神〉に対し、マスターが腹を立てているのは明白だった。

 そのうち、小鳥さんは、激怒したマスターに焼き鳥にされるのではないだろうか。

 とても心配なしずくである。


「ところで、マスター様のような神が、何故このように辺鄙(へんぴ)な辺境の地へ?」

「ああ、実はしばらくの間、ここで喫茶店を開こうと思ってね」

「ははあ、そういうことだったのですね」

「事後承諾になってしまって、済まないね」

「いえ、この場所は、わが国が定めた国境の外ですから、何の許可も要りません」

「むしろ、マスター様のような神が、たとえ短い間でも、わが国の近くにご滞在くださるのは、とても有難いことです!」


 聞けば、彼らはシグベルムの神殿に仕える高位神官で、新たにやってきた神と突然出現した謎の建物について、国を代表してわざわざ確かめに来たらしい。


(そっか。だから、この店に入って来た時、あんなに緊張していたんだね)


 いくら国から指示された事とはいえ、恐慌(きょうこう)をきたすほどの神気を持つ神がいると(おぼ)しき店に入るのは、さぞかし恐ろしかったことだろう。

 彼らを気の毒に思ったしずくは、せめてものお詫びにプリンを持って行ってあげた。


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