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神様の遺言状 ~世界に一軒だけの喫茶店はお客様の悩み事も解決いたします~  作者: はんぺん
第一章  森の中の喫茶店

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23話 マスターの身の上話

(え? これって一体どういう反応なの?)


 白蛇は、目を見開いたままで、静止画像のように固まっている。


「ごめん、知り合いに大勢神様がいて、小鳥さんに強く出られるくらいだから、てっきりそうなのかなって思ったんだけど」

「あ、ああ。そうですよね。そう思うのが自然ですよね!」


 マスターは明らかに動揺しながら、そこでいったん言葉を止めると、ミルクティーをちびりと飲んだ。


「んんっ! 今の質問ですが、しずくさんが思っている通り、実はぼくも、この世界において神と呼ばれる存在です」

「やっぱりそうだったんだ! ちなみにマスターは、何の神様なの?」

「済みません、その点については、お教えできません」

「……まさか、マスターって名前を聞くと呪われるような神様なの?」


 顔色を悪くしたしずくに、マスターが慌てて否定する。


「ち、違いますよ! ぼくは、(たた)り神とか邪神のたぐいじゃありませんからね!?」

「良かった! それを聞いて安心したよ!」

「実は、天音さんとの約束で、ぼくが自分から正体を明かすことは禁じられているんです」

「え? そうなの? でもどうして?」

「多分、ぼくの正体を知ったら、しずくさんが変に気兼ねすると思ったのではないでしょうか。まあ、そもそも、ぼくみたいな者が神を名乗ること自体、間違っているんですけどね……」

「あれっ? マスター、急に影なんか背負って、どうしちゃったの?」

「せっかくですから、ぼくの話を聞いてもらってもいいですか?」

「う、うん……」


 マスターは、少ししょんぼりしながら、自分のことについて語り出した。


「今からずいぶんと昔のことですが、ぼくは、とある素晴らしい神の眷属(けんぞく)でした」

「眷属、ということは──マスターは、その神様にお仕えしていたんだね」

「ええ。ぼくがお仕えしていた神様は、とても賢くて慈悲深い方でした。ですが、やむを得ない事情により、この世界にはいられなくなってしまったのです」

「つまり、その神様は、今はもういないってこと?」


 マスターは悲しそうにうなずいた。


「ですが、あの方は、この世界からいなくなる前に、ぼくに遺言状を残しました」


 そう言うと、マスターは何もない空間から、B5サイズの(ほの)かに光る紙を取り出した。


「いつもは、神域で保管しているのですが──」

「その光る紙が、神様の遺言状なの?」


 マスターが静かにうなずいた。


ご覧いただきありがとうございます!

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