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神様の遺言状 ~世界に一軒だけの喫茶店はお客様の悩み事も解決いたします~  作者: はんぺん
第四章 世界に背を向けたエイと思い出のつみれ汁

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205/211

205話 捜索なら私たちに任せてちょうだい!

「まさか、事前に調査団が用意していた回復薬に、上級回復薬が混ざっていたとはなあ!」

「薬を間違えた店員は、きっと今頃、大目玉を喰らっているだろうな」

「しかも、この薬、全然苦くなくて飲みやすかったわ。もしかして、新製品だったのかしら?」

「あ、あははは。どうなんでしょうね?」


 首を傾げる女性冒険者に、しずくが引きつった笑顔を向けていると、大部屋の様子を確認していたドウリグたちが戻って来た。


「あ、ドウリグさん、お帰りなさい! 転移罠について、何かわかりましたか?」

「ギットや他のチームの斥候たちにも見てもらったけれど、残念ながら、転移罠がまだ生きているのかどうかはわからなかったよ。転移に巻き込まれて行方不明になった者を探すためには、転移罠が発動しない少人数で、大部屋の先に進むしかなさそうだね」


 難しい顔のドウリグの背後にいたギットが、苦り切った顔で、がしがしと頭を掻いた。


「もし、転移罠が生きているなら、わざと発動させて博士たちの元に転移する、って方法もあるが、たとえ上手く転移できたとしても、転移先がさっきと同じ場所とは限らないからなあ──正直言って、お手上げだぜ」


 先程から、仲間のけがが完治した事に喜ぶ一方で、皆の表情に陰(かげ)りがあるのは、どうやらそれらの事実を知らされたからであるようだ。

 行方不明者の仲間と思しき冒険者が、悲痛な表情をして俯(うつむ)いていたり、泣き崩れている姿を黙って見ていたしずくは、胸ポケットの中からそっと状況を伺っているマスターに、小声で話しかけた。


「ねえ、マスター──」

「ええ、言わなくてもわかっていますよ。しずくさんは、彼らを助けたいのでしょう?」


 しずくの予想に反して、マスターは彼女の考えに難色を示さなかった。


「短い間ではありますが、彼らはぼくらと共に冒険した仲間ですしね。それに、しずくさんの師匠も今回の探索で犠牲者は出したくないようですし」

『あら、よくわかっているじゃない。あなたを説得する手間が省けて良かったわ!』


 しずくの背後でマスターの言葉を聞いたコサギは、美しい微笑みを浮かべながらドウリグに顔を向けた。


『私たちなら、行方不明者を全員連れて帰ることが出来るわ。だから、調査団の責任者と話をさせてもらえないかしら?』

「え?!」


 呆気(あっけ)に取られているドウリグを急かし、責任者のいる場所まで案内させたコサギは、今後の方針について議論していた彼らの輪の中に、強引に割り込んだ。


「ん? どうしたんだね、お嬢さん」

「君は確か、料理を担当しているチームの──」


 サナク博士の同僚である研究者や、高位冒険者たちが戸惑っているのを一瞥(いちべつ)すると、コサギは、見惚れるような鮮やかな笑みを浮かべ、堂々と言い放った。


『私たちなら、行方不明になった人たちを、連れて帰れるわ!』


 〈幸運の女神〉のまぶしすぎる美貌に、その場に居た全員が、目を奪われたままで固まっている。


『だから、彼らの捜索は、私たちに任せてちょうだい!』


コサギの幸運を私にもわけてほしい(>_<)



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