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神様の遺言状 ~世界に一軒だけの喫茶店はお客様の悩み事も解決いたします~  作者: はんぺん
第四章 世界に背を向けたエイと思い出のつみれ汁

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190話 〈烈剣〉のドウリグ

 彼の仲間は、隣に並んでいる盾役の竜人族の男性と、狐人族の斥候(せっこう)、そして、盾役の男性が背負っている棺桶(かんおけ)の中で眠る、月光人(げっこうじん)の女性魔導士であるらしい。


「月光人は夜人(よるびと)族に属しているから、日差しが大の苦手でね。だから俺たちは、主に迷宮に潜って活動しているんだ」

「じゃあ、ドウリグさんたちがこの国に来たのも、迷宮に潜るためなんですか?」


 首を傾げるしずくに、ドウリグが笑ってうなずく。


「ああ、そうだよ。実は最近、北大陸のレオーギス帝国から来た有名な学者が、この街の郊外で獣人族の遺跡を探していた時に、偶然新しい迷宮を発見したらしくてね」


 その学者の話では、彼が探していた遺跡そのものが、その迷宮の中に飲み込まれてしまっていたらしい。


「その学者先生が、迷宮を攻略しながら遺跡調査に協力してくれる冒険者を募(つの)っているらしくてね」

「しかも、その報酬額がかなりの金額らしくてなあ。だから、俺らもこうして急いで駆けつけたってわけさ」


 陽気そうな狐人族の男性の説明を聞いたしずくは、納得してうなずいた。


「ああ! だから、こんなに大勢の冒険者さんが集まっているんですね」


 新しい迷宮では、今までにはなかったような稀少な宝や素材が見つかることがあるらしく、大勢の冒険者たちが一攫千金(いっかくせんきん)を求めてやってくるのだという。 

 強く興味を惹(ひ)かれたしずくとネリネは、自分たちの順番が回ってくるまでの間、ドウリグたちが熱く語る迷宮探索の話に耳を傾けながら、目を輝かせていた。




 無事に入国審査を終えて、手を振ってドウリグたちと別れた後、昼食をとるために食堂に入ったしずくたちは、今後の計画について話し合うことにした。


『ふふ。しずくは、村を探すことより、迷宮探索に興味があるようね?』

「だって、迷宮って、私がいた世界では、ゲームとか空想の世界の中にしか存在しなかったものなんだよ? そんな不思議な場所が実際にあるのなら、この目で確かめてみたくなるのは当然のことだよ!」

『ふうん? 私にはあまり良くわからないけれど、そういうものなのかしらねぇ?』


 コサギはしずくの言い分を聞いても、あまりピンとこないようである。


「ねりねは、迷宮に飲み込まれちゃった遺跡が気になるきゅる」

「ぼくも、その遺跡が獣人族のものであるという点が、少し気になります。遺跡が作られた時期によっては、ぼくらが探している村と、何らかの関わりがあるかもしれませんしね」

『それなら、目的地の山に向かう前に、私たちもその迷宮に行ってみましょうか?』


 コサギの言葉を聞いた途端に、しずくとネリネが目を輝かせた。


「行ってもいいの?!」

「ねりねたちも、迷宮に行くきゅるか?!」

『でも、迷宮の中は危険だから、私たちの指示にはちゃんと従ってね?』

「もちろん、みんなの言う通りにします!」

「わかったきゅる!」

『ふふ。じゃあ早速、迷宮の情報を集めに、この街の冒険者ギルドにいってみましょうか?』



 ケルベラの冒険者ギルドは三階建ての石造りの建物で、もう昼過ぎだというのに、大勢の冒険者たちで賑わっていた。

 やはり、新しい迷宮の噂を聞きつけて来た者が多いようで、ギルドでは通常の依頼と迷宮関連の依頼とで、窓口を分けて対応しているようだった。


ご覧いただきありがとうございます。

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