155話 【間章】たいせつなやくそく
小鳥さん視点のお話です
「! しずくさんにかけた守護魔法が──」
ますたーのこわばったかおをみて、しずくに、なにかよくないことがおきたと、すぐにわかった。
どうやら、ますたーがしずくにかけたまもりがゆらいだらしい。それはつまり、しずくがだれかにおそわれた、ということだ。
しずくは、ますたーが、ほかのせかいからつれてきたひとぞくで、ますたーのみせで、りょうりをつくっている。
しずくがきてから、ますたーは、とてもげんきになった。
ますたーは、だいすきなかみさまがいなくなってから、ずっとげんきがなかった。
いつも、くらいかおをしていて、おれがしっぱいしても、おこらなくなった。
それなのに、いちねんくらいまえ、ますたーがいきなり「きっさてんをひらく」といいだした。
きっさてんというのは、おちゃをのむみせのことらしい。
そして、これからは、なまえではなく、ますたーとよぶよう、やくそくさせられた。
ますたーは、なかよくしているやつらにも、おなじように、おねがいしてまわってた。
まりょくがないしずくには、みえていないが、みせのかんばんや、めにゅーにも、「このみせのあるじのことは、かならず、ますたーとよぶように!」と、まほうのもじで、ちゅういがきされている。
おれ、ますたーが、なんで、なまえかくすのか、ちっともわからなかった。
でも、いまならわかる。
たぶん、ますたーは、じぶんのしょうたいを、しずくにしられたくないのだ。
なんでなのか、わからないけど。
はじめてしずくをみたとき、おれ、なんだか、とてもなつかしいかんじがした。
……それは、しずくのかおが、かみさまににてるきがするから?
どうだろう? おれ、ひとのかおのちがい、よくわからない。
しずくは、いつも、おいしいけーきをくれる。おいしいおちゃも、のませてくれる。
わるいことをすると、しかってくれる。
しずくは、おれのこと、こわがらない。
おれ、そんなしずくが、とてもきにいっている。
それに、しずくがきてから、ますたーがあかるくなった。
かみさまがいたときみたいに、ますたー、いっぱいはなすようになった。
ますたー、うれしそう。
おれも、うれしい。
だから、おれ、ますたーをげんきにしたしずくに、かんしゃしてる。
そんなしずくが、だれかにおそわれた。
しずくは、とてもよわいから、けがしてるかもしれない。
おれ、すごくしんぱい。
だから、ますたーがあわてるきもち、よくわかる。
たいせつなかみさま、うしなったとき、おれ、とても、かなしかった。
でも、ますたーは、もっとたくさん、かなしんでた。
だから、しずくがいなくなったら、また、たくさんかなしむにちがいない。
かんがえていたら、ますたーが、あわててへやをとびだしていった。
きっと、しずくのところに、てんいするつもりなのだ。
それをみた〈なきむしのりゅう〉が、とめようとするやつらをふりきって、ますたーのあとをおっていった。
おれも、すぐにあとをおって、おおぞらにむかってはばたいた。
ますたーを、かなしませない。
それ、おれが、かみさまとかわした、たいせつなやくそく。
おれ、いいこ。
だから、ちゃんとやくそくまもる。
しずくのこと、かならずたすける。
おれ、こんどこそ、たいせつもの、ぜったいなくさない。
※〈なきむしのりゅう〉はヴィリオ―サの事です。
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一旦完結とさせていただき、誤字脱字チェックのため一週間ほどお休みしたのち、四章を始めます(*^-^*)
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