150話 ようやくカレーが食べられるきゅる!
「安心したら、なんだかおなかが空いちゃったきゅる」
散々泣いたあとで、落ち着いた皆の顔にようやく笑顔が戻った頃。
きゅるると腹の虫を鳴らしたポピーが、恥ずかしそうにつぶやいた。
「そういえば、もうとっくにお昼は過ぎちゃってるもんね。よし、みんなでご飯を食べようか!」
「やったきゅる! ようやくカレーが食べられるきゅる!」
小躍りしながらはしゃぎ出したポピーの頭上では、黒い毛玉が興奮して高速でピカピカと光っている。
「きっと黒ふわさんも、食べたいのを我慢していたきゅるね」
「ももだって、本当はおなかが鳴りそうなのを我慢してたきゅる」
「実は俺も、ゼーヴァ様がカレーライスなるものを召し上がっているのを見た時から、急に腹が減って困っていたのだ」
「まあ、お父様も? 私もカレーの香りを嗅いでいたら、急におなかが空いてしまって──」
ネリネとモモの会話に混ざったアンワルとシェイラも、しずくの作った特製カレーが気になるようだ。
『やはり、皆カレーの味に興味があるようだな。あれはカレーだけでも十分に美味いが、ライスと共に食すと更に味わいが増すのだ』
ゼーヴァはしみじみとつぶやくと、カレーライスの味を思い出したかのように、ごくりと唾を吞み込んだ。
『ああ、思い出したら、また食べたくなってきた……』
彼が舌なめずりをしたのを見たポピーが、目を丸くする。
「虎さん、あれだけおかわりしたのに、まだ食べ足りないきゅるか?!」
『自分でも驚いているのだが、あの香りを嗅ぐと、不思議と食欲がそそられるのだ』
「みんなが食べたいと言ってくれるのは凄く嬉しいけど、この量だと全員には行き渡らないかも……」
鍋の蓋を開けたしずくのつぶやきを聞いて、ポピーが悲鳴を上げる。
「きゅるるる!? そんな!しずくちゃん、それはあんまりきゅる!」
『料理長、何とかならないのか?!』
食いしん坊たちが悲壮な顔で訴えて来たのと同時に、萎れた黒い毛玉が、ぽとりとカウンターの上に落ちて来た。
ぷるぷると頼りなく震えている黒い毛玉をそっと手ですくい上げたしずくは、勢いよく椅子から立ち上った。
「よし! それならいっそのこと、カレーとごはん、両方ともがっつり作り足そう!」
しずくがそう宣言すると、ポピーとゼーヴァは互いに顔を見合わせて歓声を上げ、辛い物好きの黒い毛玉は激しく点滅しながら舞い上がった。
次回、カレーの宴が開かれます\(^o^)/
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