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神様の遺言状 ~世界に一軒だけの喫茶店はお客様の悩み事も解決いたします~  作者: はんぺん
第三章 腹ペコの虎と起死回生のカレーライス

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149話 ようやく訪れた幸せ


「俺の体のことは、息子二人と娘のシェイラ、俺の主治医と、宰相のヒーリム、ターファズ神殿長しか知りません。だから、皇后がメーナを身ごもった時、腹の中の子は彼女の不義の子であると、すぐにわかりました」

『それなのに皇后は、メーナはお前の子だと平気な顔で嘘を吐いたのだな? ふん。いかにもあの女がやりそうな事だ!』

「本来ならばすぐにでも離縁するところですが、ゼルバ王国からの食料支援は帝国の命綱であったため、そうする事ができませんでした」


 しかも、皇后が生まれたばかりのメーナを溺愛して離そうとしなかったため、やむを得ず自分の娘として育てる事にしたのだという。

 だが、もちろん皇位継承権を与えるつもりはなかったそうだ。


「血は繋がっていなくても、わが子として愛情を注いできたつもりでしたが、皇后の願いを聞き入れて一切の養育を(ゆだ)ねてしまったのは、大きな間違いだったようですな」


 おかげで、あんなに困った娘に育ってしまった、とほろ苦く笑うアンワルに、ゼーヴァが厳しい顔を向ける。


『わかっているとは思うが、メーナが嘘偽(うそいつわ)りを申し立てて、シェイラから巫女の座を奪ったことと、帝国の守護神たる俺の神託を故意に()じ曲げて伝えていたこと──これらは許しがたい大罪だ』

「ええ。それは重々承知しております。メーナ本人だけでなく、彼女に手を貸した皇后とその一派にも、今度こそ犯した罪をきっちりと償わせます」


 (おごそ)かにそう告げて、深々とゼーヴァに頭を垂れた皇帝アンワルは、かつて彼が愛した側室の面影を色濃く残す愛娘(まなむすめ)に、優しく笑いかけた。


「シェイラ……。愛するイーリアを亡くしてからというもの、娘のお前にはこれまでの間、ずっとつらい思いをさせてしまったな。だがこれからは、ようやく幸せにしてやれる──」

「お父様……」


 アンワルは、シェイラの母の最期を看取った時に交わしていた、「何があってもシェイラは必ず幸せにする」という約束をずっと果たせずにいたことを謝罪すると、愛する娘を強く抱きしめた。

 

 

 これまで、メーナや皇后からどんなに(しいた)げられても、決して折れずに前向きに生きて来た気丈なシェイラが、父親の広い胸の中で子供のように泣きじゃくるのを見て、しずくやシュクレドラゴンたちが思わずもらい泣きしている。

 

 その一方で、ゼーヴァやマスターと毛玉たちは、号泣が止まらないヴィリオーサを慰めるのに必死になっており、マイペースな〈白い死神〉はミルクティーの残り()に夢中になっていた。


小鳥さんはいつでもマイペース(*^-^*)

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