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神様の遺言状 ~世界に一軒だけの喫茶店はお客様の悩み事も解決いたします~  作者: はんぺん
第三章 腹ペコの虎と起死回生のカレーライス

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135/165

135話 必要なのは解毒薬

『黙れ、この愚か者がっ!』

「ぜ、ゼーヴァ様?」


 再起動した帝国の守護神は、うろたえて半歩後ろに下がったメーナを(にら)みつけた。


『お前は、まだわからないのか? この至高(しこう)の料理に比べたら、お前の作った料理など、スライムのエサにもならない劇物(げきぶつ)でしかない!』

「ひ、ひどい! どうしてそんなことをおっしゃるのです?!」


 彼らのやり取りを見つめている者は、みな何とも言えない顔をしている。


「ぽぴーは、匂いをかいだだけで気分が悪くなったきゅるが、やっぱり、あのくっさい料理は毒だったきゅるね」

「虎さんが神力(しんりょく)を失ったのも、うなずけるきゅるよ」

「虎さんに必要なのは、胃腸薬じゃなくて解毒薬だったきゅる」


 シュクレドラゴンたちは、まるで化け物でも見るような目で、恐々とメーナを見つめている。

 わなわなと震え出したメーナは、ゼーヴァの冷たい瞳を必死に見据えながら、甲高(かんだか)い声で(わめ)き出した。


「さっきまで固まっていらしたのは、その女の料理が不味(まず)かったからではないのですか? だからあんなにも震えていらしたのでしょう!?」

『あれはただ、あまりにもこの料理が美味かったので、感動の余韻(よいん)(ひた)っていただけだ!』


 ぴしゃりと言いきると、ゼーヴァは椅子から立ち上がって、感激した様子でしずくの手を取った。


『礼を言うぞ、料理長! 今まで作ってくれた料理も十二分に素晴らしかったが、カレーは更にその上を行く美味(うま)さだった! ほんのひと口食べただけで、先程までの体調の悪さがすっかり消えてしまった!』

「それは良かった! でも、今回はカレーライスとして出しているので、できればライスと一緒に食べてみてほしいかな」

『おお、そうか! よし、わかった。では、冷めないうちに、今度はそのように食べるとしよう!』



 はしゃいだ声を上げたゼーヴァは、再び椅子に座り直すと、上品な所作(しょさ)でカレーを食べ始めた。よほど美味しいらしく、今度は何も言わずに黙々とスプーンを口に運んでいる。

 

 そんな彼の様子を、テーブルに(かじ)り付いているポピーと黒い毛玉が、うらやましそうに見つめていた。


おあずけが長すぎて気が遠くなりそうなポピーと黒ふわさん(´・ω・`)



ご覧いただきありがとうございます!

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