108話 変な夢
少し短めです
こうして、朝早くからドタバタしたものの、昨日と同様に、死神蜜蜂に出来上がったケーキを渡して皆でそろって朝食をとった後は、とても穏やかな一日を過ごすことができた。
料理の話を通して毛玉の神様たちとは更に親しくなれたし、白虎はますます食欲が出て、めきめきと回復してきていた。
食いしん坊な白虎は、出汁の利いた雑炊やおかゆが気に入ったらしい。
意外にも、肉料理はあまり好きではないらしく、昼食の時にポピーたちに出した牛丼を見ると、盛大に顔を顰めていた。
(ふわふわさんたちも許可してくれたことだし、明日の朝食からは、そろそろ固形物を出してあげようかな。虎さんは、出汁が気に入っているみたいだから、かつおだしの利いたおうどんと、卵焼きなんてどうかな? それとも、お米も好きみたいだから、具だくさんのおにぎりでもいいかも)
この調子で行けば、マスターが戻って来るまでに、白虎はすっかり元気を取り戻せているかもしれない。
(むしろ、心配なのはマスターのほうかも。青い小鳥さんたちの話だと、ずいぶん大変そうだけど、ごはんはちゃんと食べているのかな?)
青い小鳥たちが会議場に戻る際、マスターたちへの差し入れとして、かろうじて手渡せたのは、急ごしらえのサンドイッチ数種と、ヴィリオーサと〈白い死神〉へのお土産用に用意していたスイートポテト、サウー砂糖入りのミルクプリンだけだった。
更に会議が長引くのであれば、あれだけではおなかが空いてしまうかもしれない。
(こんなことになるとわかっていたなら、もっと日持ちする料理をたくさん用意しておいたのにな)
そんなことばかり考えていたせいか、この日の夜も、しずくはマスターの夢を見た。
大勢の神々が楽しそうに食事している中で、たった一匹だけ籠の中に隔離されたマスターが、遠くからその光景を悲しそうに見つめている夢だった。
「……変な夢。私って、無意識にマスターの事をぼっちだと思ってるのかな……?」
翌朝に目覚めた時、しずくはしきりに首を傾げながら、しばらくの間ベッドの中で考え込んでいた。




