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神様の遺言状 ~世界に一軒だけの喫茶店はお客様の悩み事も解決いたします~  作者: はんぺん
第三章 腹ペコの虎と起死回生のカレーライス

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107話 ちっちゃくなった!

 素行の悪い青い小鳥たちの一団は、「もう、にどと、こんなまねはしない。なかまのごはんも、よこどりしない」と、しずくに固く誓うと、彼女の恩情により、クリームチーズケーキと試作中のチョコチップクッキーを少しずつ分けてもらった。

 そして、夢にまで見たという甘味を、たっぷりと時間をかけて味わった彼らは、嬉し涙を零しながら飛び立って行った。


「一晩中眠らずに飛んできたらしいけど、まだまだ元気そうだったね」

「きっとケーキが食べたい一心で飛んできたきゅる!」


 ポピーが確信したようにそう告げると、ネリネやモモも、うんうんとうなずいた。


「ケーキとクッキーを食べたから、帰りはもっと早く飛べるって言ってたきゅる」

「食いしん坊で甘い物が大好きなのは、小鳥さんにそっくりきゅる」


 外で見送っていたしずくたちが店内に戻ると、白虎がのそのそとやって来た。


「あ! 虎さん、さっきはどこにいたきゅるか?」

「そういえば、あの騒ぎの間は姿を見なかったような……」

「どこかに隠れていたきゅるか?」


 だが店内には、この巨体で、隠れられるような場所などないはずだ。しずくが(いぶか)しんでいると、白虎が「がう!」と小さく吠えて、しゅるしゅると姿を変えていった。


「え? ええええ?!」

「虎さんがちっちゃくなったきゅる!」

「ねりねたちと同じくらいの大きさになっちゃったきゅる!」

「虎さん、すごいきゅる! ももはびっくりしたきゅる!」


 子虎に変化した白虎に驚いていると、光る毛玉たちがふわふわと飛んできた。

 チカチカと光る毛玉を見て、モモがふんふんとうなずいている。


「ふわふわさんは、さっきの騒ぎの間、虎さんは今みたいに子虎に変身して、ソファの下で隠れてたって言ってるきゅる」


 白虎は毎食きちんと食事をとっているおかげで、少しずつ力を取り戻しているらしい。変化まで出来るということは、やはり、ただの老いた虎ではないようだ。


「そうだったんだ。具合が悪くて寝ていたのに、いきなり騒がしくされて驚いたでしょう。あんな所にずっと居て、体は冷えなかった?」


 心配してくるしずくを黙って見上げると、白虎はゆっくりと首を横に振った。彼女はほっとして微笑むと、ふよふよと浮かぶ毛玉たちを振り返った。


「ふわふわさんや黒ふわさんも、さっきは驚かせてごめんなさい。あ! 掃除を手伝ってくれていたんだね。どうもありがとう!」


 床掃除をするお手伝いゴーレムに混ざり、器用に布巾(ふきん)を操ってテーブルを綺麗にしてくれた毛玉たちは、「気にしないでいいよ」とでも言うように、ふるふると体を震わせた。


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