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双子王女との恋奏冒険記  作者: 雅國
第四章 廻り出す運命
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第91話 過去の事実

(それで何から聞きたいのかな?記憶が完全じゃないから全部に答えられないかもしれないけど)


「ノームが何から聞きたいのか、だそうです」

 シオンがノームの言葉を聞こえないアルバルト達に伝える。

「ふむ、その魔人達の封印とやらはどうなっておるのだ?」


(四大精霊の封印は一部解かれた。巫女様達の封印は四大精霊の封印が解かれないと解けないからまだ大丈夫)


「えっと、ノーム達のような四大精霊の一部の封印が解かれたそうです。その他に巫女の封印があるそうですが、それは大丈夫だそうです」

「巫女の封印とやらは太陽と月の巫女のことか?」

 アルバルトとノームのやり取りがシオンを挟んで続く。


(そうだよ。魔人王は全部の封印が解けないと出てこれない。けど、他の一緒に封印した魔人達は少しずつ復活しているみたい)


「巫女の封印は太陽と月の巫女のことで合っているみたいです。魔人王と呼ばれる者以外の魔人は少しずつ復活しているみたいですね」

「それはそれで問題だな。魔人達に対抗するには太陽と月の巫女のマナが必要なのだろう?我が娘達しか対抗出来ないとなると厳しい戦いになるのだろうか?」

 アルバルトは流石に魔人達に対抗する手段が娘達しかいないのに不安を抱いていた。


(それだけど、エリーと巫女様で契約してほしいんだ)


「ん?エリーと契約?」

「「契約?」」

 シオン、リィナ、レィナは聞き返した。


(そう、契約。そうすればエリーと契約している僕でも瘴魔にも対抗できるようになる。もちろん、僕が宿る剣を使うお兄さんもね)


 ノームはそう言ってエストの方を見た。

「え?人間同士で精霊との契約みたいのって出来るの?」

 シオンは少し混乱しながらノームに聞く。


(ん?ああ、そうか。そこも説明しないといけないのかな)


 ノームは何かに気付いたように言ってきた。

「ノームさんは魔人を封印していたのですよね?もしかすると、その時もノームさん、いいえ、四大精霊全員が何かしらの形で太陽と月の巫女と契約していたのですか?そうでないと、瘴気に精霊が侵されてしまうのでは?」

 レィナが核心的なことを聞いた。


(ん~・・・少しややこしくなってきたから、一つずつ説明するよ。まず、過去の太陽と月の巫女についてだけど、この二人は純粋な人間ではないよ)


「「「「え!?」」」」

 声が聞こえるシオン、リィナ、レィナだけではなく、エリーも声が聞こえるので、驚いて声が出てしまった。

 シオンとエリーはリィナとレィナを見る。

 リィナとレィナもお互いを見ていた。


(続けるよ。僕も直接は知らないけど、確か人間と精霊の掛け合わせだったかな。人間でもあるけど、精霊でもある感じだった。だから、僕達四大精霊が宿った武器を扱う人間と契約出来たんだ)


「ん?リィナとレィナはその子孫か何かってことになるのか?」

 シオンは二人と一緒に旅をして、どこからどう見ても人間にしか見えなかった。


(二人が子孫かどうかは僕にもわからない。だけど、二人の宿すマナは巫女様と同じマナ。二人は精霊を宿しているといってもいいかもしれないね)


 ノームは思ったことをそのまま伝えた。

「大体は理解しましたけど、契約ってどうやるのですか?シオン君がアレティア様と契約した時はアレティア様がシオン君の中に入ったと記憶していますが」

「そうだったのか」

 シオンは契約した時の記憶はあまりなかった。

 アレティアがシオンと契約した時、シオンはアレティアのマナに当てられ気を失ってしまったのだから。


(精霊は霊体化出来るからそれでいいけど、確か巫女様達のあの契約の時は接吻をしていたかな)


 ノームは古い記憶を思い出しながら言った。

「・・・・・・・」

「何?接吻って」

 絶句しているレィナの横でリィナは首を傾げていた。

 どうやら、リィナは接吻の意味が解らなかったらしい。

「リィナ、その・・・キスの事だよ。主に口同士の」

 固まっているレィナの代わりにシオンが説明する。

「え!?そんなのむ・・」

「例えエリーさんとでも私はまだシオン君と口同士でやっていないから無理です!!」

 リィナの言葉の途中でレィナが叫ぶように否定した。

「あの・・・私も、シオン様と・・・その・・・初めてのは」

 エリーもぼそぼそと何かを言っている。

「私の時は緊急事態だったからノーカンでしょ!?」

「でも口同士でキスしたじゃないですか!」

「あの・・・私も・・その」

 リィナとレィナの言い合いの間でエリーが縮こまって何かを言っていた。



「・・・・・シオン、お前も大変だな」

「まさかエスカリーテ様の心も掴むとは」

「やはりエリーの奴・・・」

 アルバルトや騎士のカイル達、エストまで女三人のやり取りがシオンを巡ってのことなので、呆然と見ていた。

「・・・・・・・」

 当の本人は口が出せずにやり取りを見ているだけであった。


そんなやり取りをの目にエストはアルバルトにとんでもないことを言ってきた。

「アルバルト国王陛下、私の妹エスカリーテをシオンの婚約者にしては頂けないでしょうか?」

「まぁ、シオンの重婚は異例で認めているから、あいつら許せば一人二人なら問題はないがな・・・」

 アルバルトはエストの質問にリィナとレィナを見ながら言った。


 シオンの後ろではアルバルトとエストが何かを話し合っていた。

(え?エリーとも婚約者になるの!?)

 シオンは心の中で叫んでいた。



 結局、契約や婚約の話は今すぐといかず、ここでは保留となった。

「えっと・・・どこまで話していたっけ?」

 ドタバタがあったせいで話がどこで脱線したかわからなくなっていた。

「シオン、エリーとの契約の話だよ」

 いつの間にか実体化していたフィーが教えてくれた。

 フィーの話だけを聞いていたアルバルト以外の王国側は一瞬目を見開くが、すぐに平常心を取り戻していた。

「・・・研究してみたい」

 魔導師団団長のジンだけは違う目で見ているようだ。

 変な言葉が聞こえてきた。

「うぅ」

 その感情を感じ取ったのか、フィーはシオンの後ろに隠れてしまう。

「あははは・・・。今は契約の話は置いておくとして、それでその契約以外では魔人・・・というより、瘴気に対抗する術は昔はなかったの?」

 契約しても四大精霊と同じ数なら、増える戦力は四人。巫女二人いれても六人しかいない。それだけで、魔人達を封印することが出来たのか疑問に思った。


(封印した魔人達は魔人王に従っていた者もいたけど、付いて来なかった魔人ばかりだったから、そこまで数はいなかったんだ)


「今の話だと・・・戦わない魔人もいたということ?」

 ノームの話ではそういうことになる。


(あれ?知らなかった?魔人はある地下空間の魔界と呼ばれる場所に住む一族だよ?以前の戦争だって確か魔人王が人間族に対して怒ったから起きたものだし)


 ノームがとんでもないこと言ってきた。

 シオンはそのままノームの言葉を周りに伝えると、案の定、皆は固まっていた。


「・・・なんか伝わる話と違うな」

 アルバルトは今に伝わっている魔人との戦争の話とは人間側だけの解釈だったのではないかと考え始めた。


「ねぇ、どうして魔人王は人間に対して怒ったの?」

 リィナがノームに質問した。


(僕も詳しくはわからない。ただ今はいない天使族と何かがあったぐらいしか)


「天使族って伝説上の物だと思っていました」

「今は・・・いないの?」

 レィナの言うとおり、その魔人との戦争に天使の話も出てきていた。

 しかし、その戦争はかれこれ千年以上前と言われている。

 そのため信憑性がなく、伝説として語られていたのだ。


(ただ、天使族がいなくなったのは僕達精霊と妖精族を助けるためにいなくなった。今はそれしか覚えていない)


 ノームは少し悲しそうに俯いた。

 シオンを挟み、内容をアルバルト達に伝える。

「今の話だと魔人王とやらは天使族がいなくなった原因が人間にあるから戦争をしかけてきた。そう取れないか?」

「それだと、人間が精霊や妖精族に何かをした、という風に取れますね」

 アルバルトの考えに基づき、シオンも考える。



 暫くの間、話し合いは続いた。

 しかし、それ以上のことは思い付かずにこの日は解散となった。

 というのもアルバルトが国王としての行政公務が押してきたからなのだ。

「すまんな、これ以上時間が取れないのでな」

「いえ、お話を聞いてくださりありがとうございました」

 エストがアルバルトにお礼を言った。


 そして、一度城を出たのだが、そこで一つ問題が起きた。

「そういえば二人はこの後どうするの?」

 リィナの言葉にエストとエリーは固まった。

「うむ・・・どうするか」

「えっと・・・」

 エストは頭を悩ました。

 エリーはそんなエストの方を見ていた。

「泊まる場所とか決めていないのなら僕達の屋敷に来ませんか?客室が空いていますから。大丈夫だよね?」

「それはいいね!」

「そうですね。それならエリーに精霊魔法も教えやすいですし」

 シオンは自宅の屋敷へとエスト達を招待する。

 リィナとレィナもそれには賛成のようだ。

「いいのだろうか?そこまで世話になっても」

 エストは山の中から世話になりっぱなしで、申し訳なく思っていた。

「問題ないです」

「そうか。それなら世話になろうか」

「お世話に・・・なります」

 シオンが直ぐに了承すると、二人は嬉しそうにお礼を言うのであった。

「それなら早いとこ戻らないと」

「セレンさんにお客様が来ること伝えなくてはいけませんね」

 屋敷を管理してくれているメイドのセレンに伝えるために一行はシオン達の屋敷へと向かった。



 --------------------------


「お前ら・・・ちょっと・・休ませてくれ・・はぁ・・」

 カイが巨大な剣を持って、後ろの方で息を上げながら、休ませてほしいとお願いをしてきた。

「もう少し言った所に小さな湖がある。そこまで我慢しろ」

 フィルジアはそう言って早く来るように促す。

「もう少しって・・・どれくらいだよ」

「後数分ってところだ。向こうに見えているだろう」

 フィルジアが見る先を確認すると湖が見えた。

「ほら、カイ、頑張って」

 ルシルはそんなカイを励ます。


(ごめんね。契約者が見つかればアシストできるようになると思うから)


「えっと・・・契約者が見つかれば楽になる・・・だそうです」

 サラマンダーの言葉をリシアが伝える。

「くそっ!もうちっと頑張るか!」

 カイの足取りは遅いが一歩ずつ湖に向けて歩き出した。



 リシア達は火の精霊サラマンダーと遺跡で出会い、一緒に付いてくることになった。

 その時に手に入れたカイの武器は大剣で身体強化を強めにしないと持ち上がらないほどだった。

 つまりカイはここまでずっと身体強化を掛け続けていたので、かなり疲れていた。

 そして、一行はサラマンダーの指示で小国バレスとは違う方向へ歩いていた。

 サラマンダーが言うにはこちらの方に適正のある者がいそうとのことだ。

 因みに予言者ラケルはあの遺跡に残り、バレスを覆う結界について調べるそうだ。



「ほら着いたぞ」

 どさっ

 フィルジアが着いたと言った途端にカイは倒れた。

「もう動けねぇ」

 カイは仰向けに倒れ込んだ。

「・・・水」

「湖まで歩け」

「へーい」

 カイは水を要求したがフィルジアに一蹴されてしまう。

 リシアとルシル、フィルジアは湖の近くにある岩場の辺りに座り休み始めた。

 カイは大剣を置き、身軽になったのでなんとか湖まで動いてこれた。

 そして、そのまま顔を湖に突っ込み、水を飲み始めた。

「ぷはっ!」

 水を飲み終え、顔を上げると湖の中にショートカットの赤毛の少女が立っていた。

「「・・・・・・・・」」

 カイもその少女、アカネもいきなりのことで、お互い見つめ合って言葉が出なかった。

「人・・・だ。やっと・・会えた」

 アカネはそう呟くとカイの方へと水を掻き分けて近付いて抱き付いた。

「・・・は?」

 カイは知らない少女に抱き付かれて固まってしまった。

「やっと人に・・ぐす」

 アカネはアカネで知らない男に抱き付くことより人に出会えたことに喜びと安心を得ていた。

「・・・おい、いきなりそれは・・その、まずいんじゃねぇか?」

 カイは出来るだけアカネの方を見ないようにしながら、声をかける。

「ご、ごめんなさい」

 アカネはそう言って一歩下がった。

「う」

 カイはアカネの方を見て、また固まってしまう。

 アカネはカイの様子がおかしいことに気付く。

 アカネは疑問に思ったが、そこでカイの視線を追い、自分の身体に向ける。

 アカネは湖で水浴びをしていた。

 服はボロボロの着ていた一着しかないので濡れるとまずい。

 そのため、服は脱いで水浴びをしていた。

 つまり、アカネは今全裸である。

 18歳の発育の良い胸やくびれ、そして足の付け根とすべてを知らない男にさらけ出していた。

「っ!!」

 アカネは慌てて胸を両手で隠ししゃがみこんだ。


 カイはカイでは顔を上げたら全裸の少女が何も隠そうとせずに抱きつかれたのと、先程までの疲れから思考も身体も固まってしまっていた。

「い!いつまでこっち見てるの!!」

 アカネは悲鳴は出さずに堪えたが、カイがなかなか顔を背けないので、カイに訴えかけた。

「わ!わりぃ!!」

 カイもアカネの声で慌てて顔を背ける。


「なにかあったんですか?」

 そこへ声が聞こえたからなのか、リシアがやってきた。


「えっと・・・カイさん、何をやったんですか?」

 カイの目の前に全裸の少女が身体を隠してしゃがみこんでいる。

 カイが何かをしたとしか見えない図だった。

「・・・何もしてねぇよ」

 流石にカイも目の前に全裸の少女がいることで気まずさを感じていた。

「そ、それより先に服を着させて」

 アカネは話が長くなる前にお願いした。



(・・・・見つけた)


 その様子を見ていた精霊のサラマンダーは呟いていた。

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