第49話 未開の森を目指して
ここから第3章となります。
書きたいことが多く、いろいろ話をまとめ上げるのに時間がかかってくるかもしれませんが、最後まで書き続けたいと思いますので、これからもよろしくお願いします。
追記
章が変わるごとに登場人物が変わるので、分かりづらいところがあれば今後、人物紹介を作るかもしれません(未定)
シオン達がアルマポールトを出発してから2週間ほど経ったある日。
「お風呂に入りたーい!」
リィナが爆発した。
「リィナ、私たちも入りたいのですから我慢してください」
「精霊魔法で水浴びが出来てるからいい方だと思うけど」
シオン達は出発してから一つも村や町が見当たらないため、ずっと野宿をしていた。
清潔を保つために、岩陰や安全なところでお互いに見張りを立てて、精霊魔法を使い水浴びをしているがお風呂には入っていない。
シオン達はいつもどこかの村や町に寝泊まりすることが多かったので、長期間に渡りお風呂に入ることはなかったのだ。
「でも入りたいもんは入りたいの!」
リィナも主張を続ける。
「うーん・・・それだと作るしかないけど・・・」
「結構労力必要そうですね」
「でも、一回限りで使う分には出来るかもしれないね」
シオンとレィナは相談し始める。
今歩いているのは海岸沿いの草原と砂浜や岩場とかがいろいろ入り乱れている場所だ。
「あの岩場の辺りに作ってみる?」
「え!いいの!?」
「まぁ・・・まだ早いけどこの辺りで野宿の準備して、今日は風呂に浸かって休むってことで」
シオンは妥協案を出した。
「それでは、お風呂はどうやって作るのですか?」
「まぁ、精霊魔法で岩を削って岩風呂にしようかと、お湯は精霊魔法で。リィナ作るの得意でしょ?」
「うっ!そこで私の出番なの!?」
突然リィナがお湯を張ると言われて、引き攣った顔をした。
「言い出しっぺなのですから、それくらいやってください」
「わかったよ!レィナが水を張って、私がお湯にするから!」
「そうですね・・・そちらの方がいいですね」
お互いの得意な精霊魔法なら疲れもそこまでないだろう。
「じゃあ、最初は僕が良さげな場所を見つけて岩を削るから、二人はテント張ってもらってもいい?」
「わかった」「はい」
シオン達はそれぞれの仕事に移っていった。因みにフィーはテントの布を支えるのを手伝ったりしていた。
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「ふぅ、こんなもんかな」
シオンはちょうど岩陰になっている大きめな岩を見つけて、剣で5人ぐらいは大人が入っても余裕があるくらいの窪みを切り出した。角は風の精霊魔法で研磨のようにして丸くしてある。
「あとは二人と入れ替わってお湯を張れば大丈夫だな」
シオンは二人を呼びにテントの方へ戻った。
「あ!シオン君!どう?できたの?」
リィナはシオンが姿を現すとテントを立てていただろう手を離して、駆け寄ってきた。
「あ!リィナ!今手を離さないでください!」
レィナは突然リィナが離れたのでバランスを崩した。
バサーーー!!
二人はテントを組んでいたのだが、やったことが無く、シオンのやっていたのを見様見真似でやっていたのだ。
「レィナ・・・ごめんね」
リィナはテントの下敷きになってしまったレィナに謝った。
「・・・謝る前に助けて下さい」
レィナは布を破らないように抜け出そうとしていたので、少し手こずっていた。
「テントは僕がやっておくから、二人はお湯張ってもらってもいい?」
シオンは二人がお湯を張っている間にテントを張ってしまおうと思った。
「「・・・はい」」
二人は落ち込んでとぼとぼとシオンが来た方へ歩いて行く。
「あ、レィナ。岩を削った時の粉があるかもしれないから、最初は水で洗い流してからやった方がいいかも」
「・・・わかりました」
二人はそう言ってシオンが来た方へと歩いて行った。
「フィーはどうする?」
「シオンを手伝うよ!」
シオンはフィーと一緒にテントを張った。
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「シオン君!出来たよ!」
リィナが小走りでやってきた。
「シオン君、水着を着て一緒に入りませんか?温泉ではないので時間が経つと冷めてしまうので」
「そうだね。二人がそれで良ければ一緒に入ろうかな」
シオンもマナの節約の意味も込めて提案に乗る。
「それでは着替えちゃいますね」
「シオン君はちょっと待っててね」
二人はそう言ってテントの中へと着替えに入っていった。
「レィナも少し声が弾んでいたな」
リィナはずっとはしゃいでいたが、レィナもお風呂に入れるようになると少しはしゃいでいるように見えた。
「おまたせ!」
「シオン君、先に入っててもいいですか?」
二人はアルマポールトで着ていた水着に着替えて出てきた。
「うん、いいよ。僕も着替えたらすぐに向かうから」
シオンは二人と入れ替わりでテントの中に入った。
「・・・・・・・」
入って目に飛び込んだのは、先ほどまで身に着けていただろう二人の服と下着だった。
「なんで目立つところに置いてあるんだ?」
あまりそれらには目を付けないようにしながら、シオンは着替えるのであった。
シオンは着替え終わり、先ほど作った風呂に向かった。
「あ!シオン君お先に」
「けっこう気持ちいですよ」
二人は先に入浴していた。
シオンも軽く体をお湯で流してから浸かった。
「確かに久々に浸かると気持ちいね」
やはりシャワーだけとは全然違う。
「たまにこうやってお風呂を作るのも悪くないかもですね」
レィナは足を延ばしながら言ってきた。
「そういえばフィーは?」
さっきリィナとレィナと一緒について行ったような気がしたのだ。
「フィーちゃんならあそこだよ」
リィナが指を指す方向を見ると、フィーは蝶と追いかけっこをして遊んでいた。
「フィーって僕達に付いてくることになったけど、大丈夫なのかな?」
シオンはフィーを見ながら言った。
「どういうこと?」
「ほら、妖精族って普段人前に姿は見せないし、人里にも来ないからさ。もし、僕達と一緒にいたら」
「フィーちゃんの故郷に戻った時にどうなるか分からないってことですか?」
レィナが先にシオンの心配事を言った。
「まぁ、そういうこと」
シオンもすぐに肯定する。
「そうなったらさ、私達と一緒に暮らせばいいんじゃないかな?」
リィナがそんな提案をしてくる。
「私達と一緒なら大丈夫だと思うんだけど」
確かにリィナの言っていることもわかるが
「フィーにも家族がいるかもしれないから、今はまだ・・・ね」
「そうですね。もしそうするなら親御さんと話さないといけませんね」
「・・・確かに」
黙ってそのまま暮らすとなると誘拐と変わらなくなってしまう。それは心境的に嫌だった。
会話が聞こえていないのかフィーがこっちに向かって手を振っている。そしてまた蝶と戯れ始める。
「まだ、どこから来た妖精族か分からないから当分は一緒だろうけどね」
シオンはそう言って話を締めくくった。
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「ん~!気持ちよかった」
「さっぱりしましたね」
先に上がりテントから着替えた二人が出てきた。
「シオン君、着替えていいですよ」
「わかった」
入れ替わる様にシオンもテントに入り、着替える。
「この先ってどうするの?」
リィナが焚火を囲って食事を取りながら話を始める。因みにフィーは遊び疲れてテントの中で眠っている。
「未開の森って危険な生物もいるって学校で習いましたよね」
レィナが学校の授業を思い出しながら言った。
「あとは、古い文献だと何かの神殿とかもあるって書いてあったよ」
シオンは里で読んだ記憶があったことを言う。
「そんなものがあるんだ」
「学校では習っていないですね」
「まぁ、古い文献だしね」
シオンは肩をすくめながら言った。
「でも、もしかするとその神殿とかにベッフェル達、魔人は用があるかもしれないよ」
「だとすると、原住民に話をしてから、神殿の遺跡探索ですね」
「遺跡探検なんて冒険らしくなってくるね」
リィナは少し論点がずれていた。
「それにしても海岸に沿ってだいぶ歩いてきましたけど、なかなか辿り着かないですね」
「あの山は大きいからすごく遠くから見える分、余計に遠く感じるかもね」
「でも日が暮れる前に少し森見たいのが薄っすらと見えたからもう少しじゃない」
三人は食事が終わり、しばらく話した後、次の日の備えて眠りにつくのだった。




