↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双子王女との恋奏冒険記  作者: 雅國
第一章 太陽と月の双子王女~王都アルマブルク編~
23/199

第23話 模擬戦決着

 リィナとレィナがフィルジアとルシルを倒した時、シオンは風を纏いながら、カイの剣戟の応酬に苦戦していた。

「はははははっ!すごいな!これほどまで身体強化をするのは本当に久々だ!」

 カイはそう言いながらシオンと木剣を交えていた。これがもし本物の剣だったらシオンはすでに押し負けているだろう。

「っく!」

 シオンはいっぱいいっぱいだった。

 シオンがここまで強い人と戦うのは初めてだ。距離を置こうにも桁外れなほどの身体強化されたカイにはすぐに追いつかれる。他の精霊魔法を使うにも隙が無さすぎる。剣から意識を外した瞬間にやられるのは目に見えていた。


 リィナとレィナは助けに入ろうかと思ったが、あまりにも高次元な剣戟の応酬に入り込む余地がなかった。

「これは・・・」

「さすがに入り込めないですね」

 切り込むにしても、魔法で支援しようにも、二人の速さが尋常でないほど、速いので割り込めないのだ。



 フィルジアは仰向けに寝たまま、横目でシオンとカイの戦いを見ていた。

「カイの奴にあそこまで使わせるとは・・・。今ではシオンの方が俺より強いか」

 そう呟いていた。



「オラ!」

 カイはなかなか決まらないのがもどかしくなったのか、力任せに木剣を振るって来た。

「っ!」

 シオンは木剣でその攻撃を受け止め、後ろに跳ぶようにして威力を相殺した。


 一瞬だが、カイと距離が離れて隙が出来た。

(今なら!)

 シオンが木剣を構え、風をかなり密度を高め纏わせると同時に、カイが突っ込んで木剣を振るってきた。

 シオンもすぐに木剣を迎撃するように振る。

 二人の木剣が衝突した瞬間


 ドゴォーーーン!!!


 周りにいる人達を吹き飛ばす程の衝撃波が巻き起こった。


 衝撃波が収まるとシオンとカイは木剣の柄だけを持った状態で向き合っていた。


「そこまでじゃ」


 そこへウェルから終了の合図があった。

「今回の模擬戦はシオン達三人の勝利とし、冒険者登録を発行するとしよう」

 ウェルは今の戦いでシオン達三人はやっていけると判断してようだ。


「しかし、シオン!カイ!最後はお主らやり過ぎだ。見ている方はすごくヒヤッとしたぞい」

 流石に最後の攻撃はやり過ぎたらしい。

「ごめんなさい」

 シオンは素直に謝り

「わりぃな、シオンの奴が思ったよりできた奴だったから、つい熱くなっちまった」

 カイはあまり反省していないようだった。


「・・・まぁ、よい。とりあえずご苦労じゃった。冒険者登録の発行は儂が居る時にしき出来んから、今日この後、ギルドで発行するかの?」

 ウェルがそう提案してきた。

「え~と・・・少々お待ち下さい」

 冒険者になるための試験とはいえ、あくまでも今は授業中の時間だ。

 シオンは隅の方でで固まっているフレデリック先生に許可を貰おうと考えたのだ。


「シオン君」

 レィナが呼んできた。

「私はあの人達の治療やりますね」

 レィナの視線の先には、フィルジアとルシルがいた。

「そうだね。お願いしてもいいかな?」

「はい、任せてください」

 レィナはそう言うと、怪我をしている二人の方へ行くのだった。



「先生」

「・・・・・・」

 シオンはフレデリック先生の前で呼ぶが、反応がない。

「フレデリック先生!」

「っは!」

 少し大きめに声を出したら気付いてくれた。

「なななにかな?シオン君」

 フレデリック先生は少し混乱しているようだった。

「この後、冒険者登録をするためにギルドに行ってもいいですか?」

「あ、ああ。いいぞ。学校の方は大丈夫だ」

 シオンがお願いするとすぐに許可を出してくれた。

「ありがとうございます」

 シオンはお礼を言い、レィナの方の様子を見に戻っていった。



「ふぅ・・・三人ともあそこまで強くなっているとは驚きだな」

 フレデリックはシオンが行った後にそう呟くのだった。




「レィナ、二人の様子はどう?」

 レィナに治癒の様子を聞く。

「あ、シオン君。一応大きな怪我はなかったですから、すぐに治癒できたので大丈夫ですよ」

 レィナの脇にはフィルジアとルシルが立って、体の状態の確認をしていた。

「まさか、シオンの他にも精霊魔法を使える人間がいるとはな」

 フィルジアはシオンの他に精霊魔法を使える人間がいることに驚いているようだった。

「やはり、精霊魔法だったのね」

 ルシルもフィルジアと一緒に行動をしているので精霊魔法のことは知っているようだった。

「そうですね。私とリィナも精霊魔法はシオン君に教えてもらっていますから」

 レィナは二人とその後も少し会話をするのだった。



「おい、シオン」

 カイがリィナと一緒にやってきた。

「えーと・・・そう、リィナから話は少し聞いたぜ。お前の最後の技、やっぱり精霊魔法使っていたんだな」

 シオンの最後の技とは風の精霊魔法を纏わせた攻撃のことを指しているのだろう。

「そうですよ。まぁ、途中はカイさんの攻撃が凄すぎて、使う余裕はなかったですが」

 シオンが答えると

「いや、お前の身体強化もなかなかだったぜ。まさか15歳のガキに強敵と戦うレベルまで身体強化するとは思わなかったからな」

 カイはそんなことを言う。

「その言い方だと、まだ身体強化の上乗せができるんですか?」

 シオンは言い方が気になり聞いてみた。

「ん?まぁ・・・オレのは特異体質だからな」

「え?」

「私たちと一緒?」

「ん?・・・あ!そうか!人間族で精霊魔法を使えるとなるとそう言うことか」

 カイは人間族は本来、精霊魔法が使えないことを忘れていたようだ。


「オレの場合は魔力はかなりある方なんだ。その代り、放出系の魔法は一切使えない体質なんだ」

 カイが自身について教えてくれた。

「放出系が出来ないとなると、身体強化しかないと言ってもいい。だからオレは身体強化を鍛えまくって今があるってことだな」


 カイの説明が終わると

「シオン、カイは自身の限界を超えた身体強化までできるぞ」

 フィルジアが話に加わった。

「限界を超えた・・・ですか」

 その言葉に呆然としていると

「そうですね。王都への帰りが遅くなった原因もカイですからね」

 ルシルも加わってきた。

「しょうがねぇだろ!ああするしか倒せなかったんだから」

 カイはふてくされるように言う。


「どういうことですか?」

 レィナも話に入ってきた。

「俺たちがこの王都に帰ったのは一昨日のことなんだよ」

「それまでは、王都の東側にある険しい山を越えた先にある小国バレスにいたのよ」

 フィルジアとルシルが説明してくれるようだ。

「そのバレスから要請があったのだ。黒龍討伐のな」

「「「黒龍!!」」」

 シオン、リィナ、レィナの三人は同時に驚いた。


 黒龍とは大きさが30mはあると言われる狂暴な竜種だ。

 人間が討伐できたことなんて数えるほどしかないと言われるほどだ。


「で、私たち三人は一応ギルド内でもトップクラスの実力者だから呼ばれたわけよ」

「で、その黒龍に止め刺したのがカイなんだが・・・」

「止めを刺すときに身体強化をいつもの数十倍まで一瞬の間に引き上げて倒したのよ」

「数十倍ですか・・・」

 シオンはさっきの身体強化でも厳しいのに、一瞬とはいえ数十倍まで引き上げることはとんでもないことだというのは判った。

「その後よ、問題は・・・」

 ルシルは少しため息を吐いた。

「一瞬とは言え、数十倍も身体強化したのだ。元の体が強化について行けずに1月以上寝込んでいたんだよ」

「だから悪かったって言ってるじゃねーか・・・」

 シオン達三人はあまりにも離れ業過ぎて呆然としていた。



「それと、嬢ちゃん達。確かリィナとレィナだったか」

 二人はフィルジアに名前を呼ばれて頷いた。

「二人の最後に放った複合魔法・・・いや複合精霊魔法といったほうがいいか?あれは俺もびっくりしたぞ。あんな魔法初めて見たからな」

「確かに僕も複合魔法自体、二人のを見た時が初めてだったし」

 シオンも同意する。

「「・・・ありがとうございます」」

 二人は褒められ少し照れているようだ。


「そう言えばレィナちゃん、私を倒した時のあれって幻術?」

 ルシルは気絶してしまったため、どうやって倒されたのか知らないのだ。

「あれは水蒸気で目隠しをしている間に、氷像を建ててその前に火の精霊魔法で火種を置いてきただけです。水蒸気が晴れる前に私自身は少しずれた場所から接近したんですよ」

 レィナが説明すると

「あぁ~・・・なるほど。精霊魔法だとそうゆう使い方が出来るのね。それにレィナは近接戦闘もできるのね」

「はい。シオン君に身体強化と一緒に教えてもらっています」

 レィナの説明に納得がいったのか、ルシルはさっぱりした顔をした。

「わかった。次やるときはもう負けないからね」

 ルシルはまた模擬戦をやろうといってきた。

「わかりました。機会があれば」

 レィナも少し魔法戦は楽しかったのか受けて立つ姿勢を見せていた。


「そろそろ向かうぞ」

 ウェルはわきわいわいと話していた皆に声をかけてきた。


 そして一行は冒険者の拠点ギルドに向かうのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。