↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双子王女との恋奏冒険記  作者: 雅國
第一章 太陽と月の双子王女~王都アルマブルク編~
21/199

第21話 結界完成

 連絡を受けた翌日、耐瘴魔の結界が完成するまで、結界石を一時的に切るということで、王都の城門、城壁には騎士団と魔道師団が厳重に警備していた。


 そんな中、シオンとリィナとレィナは1つ目の結界石の前に到着した。

「けっこう騎士の人達いっぱいいたね」

 とリィナが言う。

「まぁ、普段は結界を切ることが無いですから、不安なのでしょうね」

 とレィナが言った。


「とりあえず作業に移るね」

 シオンは二人のやり取りには加わらずに作業に入る。

(ん~・・・思っていたより単純な術式なのかな?・・・ここが結界を張る方向とか決めている式か・・・)

 シオンは術式を見ながら、手を加えられる場所を探す。


(うん、他の術式も恐らく似たような術式になっているはずだから、方向を定めている前に追記で精霊魔法の術式を加えれば複雑になりづらいかな?そこならマナの流れも一緒に運んでくれるだろうし)


 シオンは術式を追記する場所を決めると今度は

(聖石から鍵を使い、鍵と合う場所から線を結び、川のように水が流れるイメージ)

 そしてシオンは術式を書き込んだ。


「二人とも、終わったから、次の場所行こうか」

「「はーい」」

 二人はいざという時のマナの提供者としてついて来てくれている。と言っても、瘴気や瘴魔が出てこない限り、今日は使う予定はないのだが。

 どちらかというと、シオンと一緒にいたいからだろう。


 王都を出歩くとき、シオンとリィナとレィナはほとんど一緒に行動しているため、王都の人達も三人はセットで考えられることが多くなっていた。

 今日の移動には馬車を使う。一応王家の馬車なので、そこからシオン達三人が下りると、なぜか周りから歓声があがる。


「さっきもそうだったけど、馬車を降りると歓声が上がるのは何でかな?」

 シオンがリィナとレィナに聞いてみると

「王都の人達の結婚式って豪華な馬車を使うことが多いらしいからね」

「恐らく王家の馬車で婚約者同士が出てきたから、結婚式か何かと思っているのではないでしょうか」

  リィナとレィナが教えてくれた。


「・・・ってことは、後7回は結婚式だって間違われるってこと?」

「たぶん」

「恐らくは」

「・・・・・・」

 シオンは絶句した。


「最初は普通の馬車を用意していたのに、変えた理由ってこれだったんだね」

「まぁ、また父上の仕業でしょうね」

  レィナが確信しているように言う。

「やっぱりアルバルトさんが仕込んだのか!?」


 そう、最初に乗ろうとした馬車は普通に王都内で使用している馬車だったのだ。


 乗ろうとした時に騎士の人が慌ててこっちの馬車で、とお願いしてきたのである。

 王家で使う馬車ということで乗り心地はいいのでこっちを使用させてもらったが、そんな裏があるとはシオンは考えていなかった。


 シオン達三人は馬車から降りる度に拍手や声援をもらいながら作業をした。

 何とか夕方前に作業を終了するのであった。



 そして、そのまま馬車で王城まで移動している。

「さすがに王都一周は結構掛かるね」

「馬車だとどうしても人が多いところは遅くなってしまいますからね」

「でも祝福をいっぱいしてくれたから嬉しかったなぁ」

 最後の一人、リィナだけ感想がずれているのは気のせいだろうか?とシオンは考えていると

「シオン殿。お疲れ様でした」

 と魔道師団団長のジンが出迎えてくれた。

「リィナ様とレィナ様もご苦労様です」

 と一緒に乗っていた二人にも挨拶をする。

「ジン殿。これから三人で聖石の方に行きますので、結界石をすべて起動してもらってもいいですか?」

「わかりました。タイミングとかはありますか?」

「いいえ、聖石は昨日までにマナをかなり溜めていたので、いつでも大丈夫なはずです。結界石の方も基本的な部分は手を出していないので、通常通りの起動ができますので」

 シオンが軽く説明すると

「わかりました。伝令を出します」

 そう言ってジンは城の中に入っていくのであった。




 聖石の前に行くために謁見の間を通る必要があるため、アルバルトには嫌でも会ってしまう。

「おお!結界石の改造うまくいったか?」

 謁見の間に入った途端にアルバルトに聞かれた。

「はい、術式の書き込み作業は終わったので、今ジン殿に結界石の起動をお願いしたところです」

「そうか。ご苦労であったな。それでここに来るということは聖石の様子を見に来た、と所か」

「はい、そうです」

「では、我も同行しよう」

 なぜかアルバルトが付いてきてしまうことになった。



 聖石がある尖塔の上まで登る際中

「父上!あの馬車用意するよう命令したでしょ!」

「そうです!おかげさまで降りる度に拍手とか祝福とかもらっちゃったじゃないですか!」

 リィナとレィナは思い出したかのように抗議する。


「嬉しかっただろう!」

 さも当然のようにアルバルトは言う。

「嬉しいことは嬉しいけど!」

「あれはさすがに恥ずかし過ぎます!」

 二人の意見を聞いたアルバルトは

「そうか・・・そうだよな・・・」

 何かに納得したような顔をした。


「わかってくれたなら今後は控えてくださいね」

「私たちだけじゃなくて、シオン君にも迷惑がかかるんだから」

 二人は反省したアルバルトに注意を促した。

「では、実際の結婚式ではもっとインパクトにやろうな!」

「「なんでそうなるんですか!!」

 シオンはそんな三人のやり取りを見ていて

 (楽しい家族だけど、これは疲れそうだな)

 と考えていた。



 そして、尖塔の一番上にある聖石の前に到着した。

「結界石はまだ動いていないようですね」

「あれは8個同時に動かすから最初が大変と聞いている。止めることも滅多にないしな」

(それだったらタイミングこっちで作ってあげた方がよかったか?)

 シオンはそんなことを思った。


 そして王都の外周にある小さな尖塔から光が漏れ始めた。

 その光は薄く外周の尖塔同士を線で結んでいく。その線が王城の上まで、膜を張っていく。

 その動作をマナを視認する目でみたシオンは

「・・・うまく張れたみたいです」

「お!本当か!」

「はい、最初に来た時の結界とはマナが少し変わっています。恐らく聖石の集めた太陽のマナが混ざったためだと思われます」

「そうか!今回は本当にご苦労であった。リィナとレィナもシオンの補助見事であった」

 アルバルトが三人を労った。

 そして、この後、バルトルとジンが成功した旨を関係者に知らせるのであった。



--------------------------



 それから数日が経ち、シオン達三人は午前の授業が終わり、いつも使っている練習場に向かっていると

「君たちがシオンとリィナとレィナかな?」

 突如、目の前に少し小柄な老人らしき姿が練習場の中から出てきた。

「すれ違わないでよかった」

 そう言いながら近くに寄ってきた。


「え~と・・・あなたは?」

 シオンが聞くと

「儂はこの王都アルマブルク支部の冒険者の拠点ギルドのギルド長をやっているウェル・ディメントという」

「ギルド長殿でしたか!」

 シオンが驚きながらそう言うと

「ギルド長殿なんて呼ばんでいい。ウェル爺とでもいいから、もう少し柔らかく呼んでくれ」

「・・・ウェルさんでいいでしょうか?」

 シオンが少し悩み聞いてみる

「むう・・・まぁ、よかろう」

「「私たちもウェルさんと呼ばせていただきますね」」

 リィナとレィナもシオンと同じように呼ぶことにした。

 二人がそう呼ぶと少し微笑みながら

「お嬢さん方もウチのギルドでは姫さんとしては扱わないようにするからの」

「「わかりました」」

 二人も承諾をした。



「さて、ここに出向いたのはそなたらの試験についてじゃ」

「試験ですか」

「成人を迎えていない者に対しては、命が関わるために上がうるさいのじゃ。今回やっとのことで承諾を得たのでここに出向いたわけじゃ」

 ギルド長ウェルが遅れたわけを話した。

「お手数をお掛けしたみたいですみません」

 シオンが少し悪いと思い謝ると

「よいよい、今回のそなたらのことは陛下から聞き及んでいる。旅に出た時の資金元にするためにとな」

「はい、そうできたらいいと考えています」

 流石に悪いかな、と思い曖昧に答えると

「そのような理由の冒険者は他にもかなり多いから気にせんでもいい」

 ウェルが笑いながらそう言ってきた。


「では、試験の内容についてじゃが・・・試験からさすがに危険を冒すわけにもいかないので、模擬戦をしてもらおうと思う。相手は王都中心に活動している三人組の面子でな。そなた達の三対三で戦ってもらう予定じゃ。日時場所は二日後にこの練習場を使わせてもらおうと思う。どうじゃろうか?」

 ウェルが試験について教えてくれた。


「もちろん、出来うる限りの安全は確保する」

 最後にそう付け足してきた。

「その試験は魔法を使ってもいいのでしょうか?」

 シオンは質問した。

「相手にも魔法を使う者もおるから大丈夫じゃ。そなたらも精霊魔法とやらを使ってもよいからな」

「「「え!?」」」

 しれっと機密にしていることを話したものだから三人は驚いてしまった。

「ん?・・・ああ、精霊魔法のことは陛下から聞いたのじゃ」

 ウェルは三人が驚いたことに疑問を持ったが、すぐに何のことか気付き教えてくれた。

「そうだったんですね」

「何で知っているのかと思いました」

「ですね。少し驚きました」



「では三人共二日後の昼過ぎにここにて試験をするから忘れないようにするのじゃぞ」

 ウェルは説明が終わると去っていった。

「今日は模擬戦での練習にしようか。相手も複数いると前提して」

 シオンがそう言うと

「そうだね」「そうですね」

 二人もすぐに承諾して、今日の特訓メニューが決まるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。