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双子王女との恋奏冒険記  作者: 雅國
第一章 太陽と月の双子王女~王都アルマブルク編~
20/199

第20話 聖石の設置

 王都アルマブルクに帰ってきた三人。その日は疲れていて何もせずに早く寝てしまった。

 その為、朝起きたら風呂に入りたいとリィナとレィナが言ってきた。その際、シオンも一緒に入ってしまおうという話になり、現在シオンは早朝の腰にタオルを巻いた状態で湯船に浸かっていた。

「・・・また一緒に風呂に入ることになるとは・・・」


 シオンは前回のことがあり少し抵抗あったのだが、二人は一緒にまた入りたいと言ってきたのだ。

「・・・二人って痴女?」

 そう呟くと

「「痴女じゃありません!」」

 浴場の入口から声がした。


 二人はバスタオルを体に巻いている。

「今回はそれぞれ別で洗うから平気だよ」

「そうです。一緒に洗っていたら、前回みたいに見られてしまうかもしれませんから」

「なら別で入ったほ」

「「一緒がいいの!」」

「・・・・・・」

(二人の考えがわからない)


「「失礼しまーす」」

 そして二人はシオンの両側に腰を下ろした。

「やっぱり気持ちいね」

「そうですね」

 二人はそう言いながらシオンの肩に寄り掛かってきた。

「・・・二人とも?何をしているのでしょうか?」

 シオンは出来るだけ平常心で質問する。


「私たちもシオン君と一緒に気持ちいい思いしたいからね」

「まぁ、あれをするわけにはいきませんから、こうして三人一緒にお風呂で気持ちよくなろうとした次第です」

 二人はそんな事を言ってきた。

「・・・アレティア様とのこと、けっこう根に持ってる?」

「「持っていません!」」

(二人はアレティア様と契約したときのことに嫉妬しているのだろうか)

 シオンはそう当たりを付けた。


「でも、シオン君と一緒にお風呂入るの慣れた方がいいのかな?」

「いや、慣れないでいいと思うけど」

「なんでですか?そっちの方が効率いいじゃないですか」

「二人の魅力に当てられ過ぎると我慢とかできなくなりそうだから・・・」

「「・・・・・・・」」

 二人はシオンの言葉で赤くなってしまった。


「まぁ、確かに成人してからでいいかな」

「そうですね。考えが甘かったです。シオン君も男の子ですものね」

「・・・・・・」

(成人したら一緒に入るってことか・・・、まぁ、今は言わないでおこう)


 シオンは騒ぎが起きないように入浴するのであった。


 その後、入浴中は特に何も起きなかったことに、シオンはほっとしていた。



--------------------------



 三人は部屋に戻り王城へと赴いた。

 そしてシオンが聖石のことと王都を囲っている結界石のことについて、国王アルバルトと騎士団団長バルトル、魔道師団団長ジンに説明するのであった。

「なるほどな。それで瘴魔に対抗できる結界が張れると」

「そのはずです」

「しかし、一時的とは言え、今の結界が消えるか・・・。作業にどれくらいかかる?」

「王都の結界石は8か所ですよね?」

「そうだ。東西南北とそれぞれの間に設置してあるから8つだな」

「身体強化で町中を走り抜けるわけにもいきませんから、最低でも半日は掛かるかと思います。でもその作業の前にこの聖石の安置場所を決めましょう」

「太陽の陽が当たる場所だったな?」

「はい、出来れば高い方が望ましいです」

「・・・そうか、わかった。すぐには決められんと思うから、決まった時にまた連絡しよう。もうすぐ学校が始まってしまうが、設置の時は悪いが学校は休んでもらう形になると思う」

「わかりました」



--------------------------



 思ったより早く話し合いが終わったため、三人は町でデートしていた。

「ねぇ、シオン君は魔道具って簡単に作っているように見えるけど」

「本当はかなり細かくて大変って、さっきジンさんが言っていました。魔法と精霊魔法の魔道具って違いってあるのですか?」

 両腕にぶら下がりながら、リィナとレィナが聞いてきた。


「簡単に説明すると、魔法の魔道具の場合は術式を魔石に転写して作るんだ。精霊魔法の魔道具ってそういった術式とかが無いから、イメージを転写することになる」

「イメージを・・・」

「転写・・・ですか」

「マナってイメージ通りに動いて作用するから簡単な魔法だと作るのも簡単。だけど、イメージ通りにしか動かないって弱点もある。だけど今回みたいな結界という目的が明らかにわかりきっているものなら簡単になる方かな?結界石に沿うように新しい結界も張るつもりだし」

「でも、沿って張るのなら、結界石が起動していた方がわかりやすくないですか?」

 レィナが言っていることも分からなくはない。しかし

「結界石っていうか魔石が起動中は周りのマナに干渉して結界を張っていることになるから、イメージの転写とか書き換えは難しくて、僕にはまだできないんだ」

「なるほど」

「だから、止めた状態で、術式がどのようにマナに干渉しているかを調べて、聖石から供給するマナを術式がマナに干渉する間に挟みこめないかって考えている」

「何となくは判りますが・・・難しそうですね」

「まぁ、その魔石のほんのすこしの余剰の空白エリアに精霊魔法のマナを転写する感じかな」

 シオンとレィナが二人で話している反対側では、リィナが頭を捻っていた。


「・・・・?二人の話、半分ぐらいしか分からない」

 その呟きさえも、盛り上がっている二人には届かなかったのである。



 そのまま三人でぶらぶら歩いていると

「シオン君、ここから少し別行動してもいいですか?」

「いいけど・・・王女様が二人って大丈夫なの?」

「まぁ、そこの店だから大丈夫だと思う」

 リィナが指さした先の店は、女性下着専門店だった。

「・・・一応何かあったらいけないから、目の前の喫茶店で待ってるよ」

「ごめんね、シオン君」

「旅用に少し足しておきたかったんです」

 そう言うと、二人は店の中へ入っていった。

「さて、お茶でも飲んでようかな」

 シオンは喫茶店に向かった。



--------------------------



「ねぇ・・・レィナ・・・シオン君ってどうゆう下着が好きなのかな?」

「なんでそれを私に聞きますか。私だって知りたいですよ」

「「・・・・・・・」」

 二人は黙ってしまった。


「シオン君呼んでくる?」

「さすがに私たちの下着を選ばせるのは、シオン君にも悪いですよ」

「だよね。・・・私たちってまだ15歳だから行き過ぎの下着はやめた方がいいよね」

「そうですね。年相応の行き過ぎない下着で、色気と可愛さがあるの方がいいかもしれませんね」

「・・・けっこう難しくない?」

「・・・難しいです」

 そのまま二人は下着についてというより、シオンの好みの下着について語っているのであった。


「ねぇ、リィナ」

「なに?」

「何で私たちはシオン君に見せる前提で下着を選んでいるのでしょうか?」

「・・・・そういえばなんでだろう?」

 そして二人は時間をかけて、何着か下着を購入するのであった。



--------------------------



「・・・けっこう時間経つけど女の子は下着を買うのにも時間が掛かるのかな」

 シオンは1人寂しくテラス席で紅茶を飲みながら、二人の帰りを待っていた。




「ごめんね、シオン君」

「お待たせしました」

 紅茶3杯目を飲んでいる時にやっと二人が帰ってきた。

「おかえり」

 シオンは時間がかかったことには追及せずに二人を迎える。

「今すぐ飲んで片付けて来るから、ちょっと待ってて」

 シオンは紅茶を飲み、食器を店内へ返しに行く。

「・・・遅かったから怒っていると思ったけど」

「そんなことはありませんでしたね」

「「ふふっ」」

 二人はシオンの優しさでより一層好きになるのだった。


 シオンが帰って来て、二人は定位置のように腕を組んでくる。

「シオン君、どんな下着買ったか知りたい?」

「興味はあるけど、今は確認する勇気はないよ」

「素直ですね。今の言い方だと、寮の部屋で確認するってことですか?」

「しばらくは確認するようなことは無いと思うよ」

「まぁ・・・あるとしたら、着替えの時に覗くぐらいだもんね」

「覗かないって」

「わかっていますって」

 そんなどうでもいいやり取りをしながら三人は帰路に着いた。



--------------------------



 それから1週間ほど経った頃、すでに学校は始まっており、登校しようとした時に寮の前で兵士が待機していた

「リィナ様、レィナ様、シオン様。陛下が会議室で待っております」

 そんな連絡を受けて三人は登校を中断し、王城の会議室へ向かった。



「すまんな、突然呼び出してしまい」

「いえ、なにか進展ありましたか?」

「そのことだが、一応王城の中心の尖塔を一部改装させ、陽の光が入るようにした。そこに聖石を置こうと考えているのだが、確認をしてくれるか?」

「わかりました」

 今回は騎士団の団長バルトルはいないが、魔道師団の団長ジンが同行した。

 尖塔へは謁見の間を通る必要があり、他の場所からは通路が繋がっていないらしい。

「謁見の間を通らなければいけないってのは警備の方もやりやすいですね」

「我もそう考えたから、この尖塔を選んだ理由でもある」

 そして狭い螺旋階段を上へと昇っていくと、扉があった。


 扉を開けると少し階段があり、そこを昇ると、全方位の壁が切り抜かれている空間になっていた。一応上の尖塔の屋根があるので雨は凌げそうだ。

「これは見晴らしがいいですね」

「だろう?ここは本来小さい窓だったのだが、一部取り壊してな」

「壊したのですか・・・」

「ああ。でシオン、ここならどうだ」

 シオンはそう言われ、辺りを見渡した。


「ええ、これなら大丈夫そうです」

 シオンはそう言いながら聖石を取り出した。

「では聖石を守る結界とそれぞれの結界石とを繫げるパスを作ってしまいますね」

「待て、シオン。そんな簡単に聖石を守る結界とパスは作れるのか?」

「結界等の構想は考えてきておりますし、他の魔石での実験も済ませてあります」

「父上。寮の部屋でいろいろやっていましたから大丈夫だと思いますよ」

「私は何をやっているか全然分からなかったけど」

そう、シオンは予備で持っていた精霊石でいろいろと実験をしていたのだ。

「ふむ・・・そうか。ならシオン、頼んだぞ」

「はい」

 シオンは作業を開始した。


 シオンが考えたのは聖石を守るための結界と王都の8方向にある結界石へのパスをつなげる構想。太陽の光でマナを集めるのなら、王都を囲う結界だけではなく、聖石を守る結界も一緒に作ってしまえばいい。


 精霊魔法の魔道具はイメージだ。聖石の余剰部分が少しあったので、そこに敵意や害意を持つものは触れられないようにイメージしながら結界のイメージと8方向に別々の鍵付きのパスを繫げるイメージを焼き付ける。


 こうすることで聖石がマナを集めている限り結界は破れなくなる。そして後は結界石の方にそれぞれに合う鍵でパスを繫げ、王都を囲う結界と合わせるようにイメージすれば完成だ。


「終わりました」

 その言葉にジンはすごく驚いていた。

「シオン殿、精霊魔法というのは魔道具でさえ簡単に作ってしまうのだな」

 普通の魔道具はもっと精密に術式を描かなければいかないから時間がかかるのだ。

「そうですね。作る際は一気に術式や構想を創造しながら焼き付けるようなものなので、気が抜けませんが」

「なるほどな。ってことは結構疲れるではないか?」

「まぁ、短時間ですが精神的には疲れますね」

 シオンはある程度の情報は開示している。


 ただもう一点、精霊魔法での魔道具製作には重要な点がある。シオンの場合は問題がないのだが。それは、マナの適正である。例えばリシアが魔道具を作ろうとすれば、リシアは水のマナの適正が高いので、水関連しか制作できないのである。シオンは純粋なマナでどんなマナにもそまるので、太陽のマナだろうと、月のマナだろうと魔道具が制作が出来てしまうのだ。


「シオン。ご苦労だったな。8方向にある結界石の方はまた数日後でいいか?騎士団と魔道師団で警備の調整をしなくはならないのでな」

「わかりました。その時にまた知らせてもらえれば、作業できるようにはしておきます」

「では、その時は頼むぞ」

 昼前に解散になったこの日は、午後から訓練に当たる三人だった。


 シオン達三人は、精霊石を設置してから、毎日学校帰りに王城に顔を出し、ちゃんと動作しているか、確認するようにしていた。

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