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双子王女との恋奏冒険記  作者: 雅國
第一章 太陽と月の双子王女~王都アルマブルク編~
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第16話 報告と今後

 シオン達三人はバルトルとジンに連れられ、南側の城壁にある小さな尖塔に着いた。

「ここは?」

 シオンが尋ねると

「ここは結界石の安置所です」

 ジンはそう言いながら、尖塔の中にある扉を開ける。

「これは」

「凄い」

「綺麗ですね」

 三人は2mはある、大きな魔石に圧倒されていた。


「これは結界石と呼ばれる物で、この王都アルマブルクの結界を維持するための物です」

「これが結界石ですか・・・」

 シオンは結界石を見上げる。

「実はな、この結界石はここを入れて全部で8個あるんだが・・・ここの結界石だけおかしくなってな」

「おかしく・・・ですか?」

 シオンが聞き返すと

「魔石の起動自体はしているのだが、結界が展開されないのですよ」

 ジンが細かい説明をする。


「起動しているのに展開されない・・・」

「一応こちらの方でいろいろ試しては見たのですが、お手上げ状態でして・・・。そこで普通の魔法ではない魔法を使えるシオン殿達なら何か解るのではないかと、考えた次第です」

 ジンがシオンに調べてみて欲しいとお願いをしてくる。

「わかりました。では、見てみますね」

 シオンはマナを可視化して、結界石を見てみる。


(パッと見た感じは何も無いように見えるけど・・・)


「結界石に触れてもいいですか?」

 シオンは外見だと判断できないと思い、触れていいか聞いてみる。

「ああ、大丈夫だ」

 シオンは了承を得てから、結界石に触れた。


(っ!!これは・・・瘴気か!?)


 シオンは結界石に触れて内側のマナの流れを見ると、瘴気らしき物があるのを知覚した。

「レィナ、マナを貸して欲しい」

 シオンはレィナに手を差し出した。

「わかりました」

 レィナはシオンの手を取り、シオンに向けてマナを流し始めた。

「シオン殿、何か解ったのですか?」

 ジンが聞いて来た。

「ええ。結界石の中に瘴気と思われる物が魔力やマナの流れを阻害しています」

「瘴気ですか!?」

 ジンを初め、周りの人達は驚いているようだ。

 レィナだけはシオンにマナを貸して欲しいと言われたことで、察していたようだが。

 その会話の最中もレィナのマナはシオンに流れ続けている。


(とりあえずレィナのマナを瘴気の場所に・・・っ!これは瘴気の玉・・・か?これが原因か)


 シオンは黒いローブの男が入れた瘴玉に気が付いた。


(かなり濃い瘴気の塊みたいだ・・・こっちもレィナのマナの密度を上げないとダメか)


 そう考えたシオンはレィナから供給されるマナを逆に伝い、レィナからマナを多めに貰おうとする。

「っ!シオン・・・君?」

 レィナはそれに気付き、頬を軽く染めた。

「少し多めに使わせてもらうね」

 シオンがそう言うと

「ん、わかりました」

 頬を染めながら許可をした。


 シオンは瘴気の濃さを確認しながら、マナの密度も高めていく。

(よし!瘴気が薄れてきた。このまま流し込めば、行ける!)

 シオンの予想通り、瘴気の塊も消え、魔力やマナの流れが正常になった。

 すると、正常に動き出した結界石は今までと同じ様に結界を展開し始めた。


「「おぉ!」

 バルトルとジンは結界石が、動き出して感心するよう声を出した。

「シオン殿、本当に助かった」

 バルトルが、礼を言う。

「これから陛下に報告に行く。一緒に来て貰ってもいいか?」

「「「はい」」」

 そして、その場の皆で王城へ向かうのだった。



--------------------------



 団長二人と共にシオン達三人は王城の会議室に来ていた。

「わははは!お前たち!翼竜も討伐できるようになったか!」

 報告を聞いたアルバルトが嬉しそうに娘たちの所業を喜んでいた。

「瘴魔の方の討伐も、結界石の修復もよくやってくれた。だが、翼竜の討伐は非常に助かったが、その際に目撃されてしまったのはどうしようもない。何か策は打っておこう」

 そう、三人は一応一部の者たちにしか知らされていない状態だったのだ。今回の翼竜の討伐の際に騎士達を始め、一般人にもみられた可能性がある。


「少しいいですか?」

 シオンは口を挟んだ。

冒険者の拠点ギルドでしたっけ?その登録をさせて貰うことは可能でしょうか?旅の際に利用出来ればと」

「ふむ・・・。ギルドはどの国の管轄にも収まっていない故、絶対とは約束できないが、話は通しておこう」

 アルバルトはギルドに話を通してくれるようだ。


「ありがとうございます」

「リィナとレィナの分もだな?」

「「はい、お願いします」」

 リィナとレィナも頷いた。

「わかった。近い内に話をしてこよう」

 アルバルトは快く引き受けてくれた。


「とりあえず、本当にご苦労だったな。今日は王城に泊まっていくか?」

 心配なのか、そのようなアルバルトが提案をしてきた。

「どうする?」

 シオンがリィナとレィナの方に水を向けると

「ん~・・・。私は寮で三人でまったりしたいかな?」

「私も・・・。そうですね、三人でのんびりしたいです。明日も学校ありますし」

 二人はそう提案した。

「そういうわけですので、今日は寮で休ませていただきます」

「そういことなら無理は言わん。だが、どこで誰に見られたか分からないのだから、そこは注意してほしい」

「「「わかりました」」」

「それはそうと、お前たちは同じベッドで寝ているのか?」

 アルバルトは突然そんなことを聞いてきた。

「え~と・・・一応、一緒のベッドで寝てはいますが・・・」

 シオンは曖昧に答える。


「で?お前たちはどこまで行っているんだ?」

 その質問に

「っ!父上!まだいっていないです!」

「そうです!まだキスもしていないですから!」

 突然の質問にリィナもレィナも顔を赤くして言う。


「二人共?あんま変なことは言わない方が・・・」

 シオンは恥ずかしいからあまり詳しくは話さないで、誤魔化そうとしていたのだが

「シオン君とは一緒に寝ているだけです」

「そうです。何かあったとしても抱き付いてしまうことがあるぐらいです!」

「ちょっ!二人共!?」

 シオンの言葉は聞こえないまま、二人は暴露を続けるのであった。

 そして、三人は陽が傾きオレンジ色に町が染まる頃に寮に帰るのであった。



--------------------------



「わははは、娘たちのあのような姿を見ることになろうとはな」

 アルバルトは咲くほどの娘達の狼狽がおもしろかったのか笑っていた。

「陛下も性格が悪いですな」

 苦笑しながらもバルトルが言う。

「僕としては聞いているこっちが恥ずかしかったですが」

 ジンは少し顔を赤らめていた。

「まぁ、我としては三人共、仲が良くて安心した」

 アルバルトは三人がずっと一緒にいることで嫌気を感じることが無いかを心配していたのだ。先ほどのやり取りを聞く限りでは大丈夫だと思った。


「で、お前たちの評価はどうだ?バルトル、ジン」

 アルバルトは改めて二人にそう尋ねた。

「私は王女様の近くで戦闘を拝見しましたが、あの魔法はすごいと思います」

「僕は遠くからでしたが、詠唱、術式も使わずにあの威力はすごいと思いましたね」

 二人はリィナとレィナの戦いについての感想を述べた。


「であろうな。あの魔法は精霊魔法、本来エルフや一部の獣人にしか扱えん魔法だそうだ」

 アルバルトはシオンの故郷、精霊の里で族長に教わったことを話した。

「エルフ・・・ですか」

「そうだ」

「だとしたらなぜリィナ様、レィナ様もその精霊魔法を使うことが出来るのでしょうか?」

 バルトルが当然のような質問をする。


「我にも解らん。シオンも人間族だが精霊魔法を使える。それに、リィナとレィナはシオンに精霊魔法を教わっているからな」

「やはりシオン殿も精霊魔法を使うのですか」

 ジンはすぐに納得した。戦闘前の少しの会話で予想はしていたようだ。それに先程の結界石を直した時もシオンが直していたのだから

「シオンは精霊の里で育てられた。本来、我ら人間や生物にあるはずの魔力が無い代わりに膨大なマナを有しているそうだ」

「マナ?ですか?」

「そうだ。で、マナというのはな・・・・」

 アルバルトは精霊の里で族長ラウルに教わったことを団長二人に伝えた。



 そしてその説明を聞き終わった二人は

「なるほど・・・、リィナ様もレィナ様にも、そのマナとやらが宿っていると」

 バルトルがそう呟く。

「僕も魔道師団の端くれ、魔力と詠唱と術式といろいろ研究はしてきましたが、マナという存在は気付きませんでしたね。ですが、マナの存在を考えると納得できることもいくつかある」

 魔道師団の団長を務めているジンは興味が深々だった。


「ジンよ、あまりマナについては公表するではないぞ」

「そんなことはしませんよ、王女様たちに関連することは国家機密とまで言われていますし」

 ジンの様子を見て少し心配するアルバルトだった。



--------------------------



 シオン達三人は寮の部屋にいた。夕食を食べた後、リィナとレィナはお風呂に入りに行った。

  シオンはリィナとレィナの部屋で待機していると、二人が寝巻き姿で帰って来た。

 シオンの入浴時間まではまだ時間があったため、三人で今日の戦いについて話をしていた。

「でね!光を集めるようにぶわーって感じにイメージしたら、翼竜にかなりのダメージが通ったんだよ」

 リィナは今日、翼竜を光の精霊魔法でダメージを与えたことに喜んで報告していた。

「光・・・。太陽の光を集める感じ?」

「そうそう」

「・・・」

(太陽は火のイメージが強いけど、確かに光ってイメージもあるか・・・)

「今度見せてもらってもいい?」

 シオンがお願いをすると

「もちろん」

 リィナは嬉しそうに頷くのであった。


「シオン君、太陽が光というイメージがあると、私も気付きましたけど、本来魔法って、火・水・地・風の4属性ですよね?光ってあるのでしょうか?」

「うん、そこが何ともいえないんだよね」


(それを言うのであれば、僕が使う雷もそうだし、水から変化させた氷もよくよく考えると4属性に当てはまるのか、怪しくなってくる)


 この世界での魔法は基本火・水・地・風の4属性に分類されている。因みにレィナが使っている氷も自然界には存在しているが、魔法ではなかったりする。

「でも、光があるってことは逆もありそうじゃない?」

 シオンがそんな疑問を持つ。

「「逆?」」

 二人は同時に聞き返し、首を傾げる。

「そう、瘴気って闇のイメージが強い気がするんだよね」

 シオンがそう言う

「確かにそのイメージはありますね」

 レィナは納得する。

「じゃあさ、私にも光で攻撃魔法使えたんだから、レィナも光で攻撃出来るんじゃないかな?」

 リィナの説明に

「確かに僕の母さんを治療してくれて時も優しい光は見えていたけど」

 シオンは思い出すように言う。


「・・・私は光での攻撃は難しいかもしれません」

 レィナは考えてからそう言った。

「今までなかった属性の魔法っていうのもありますけど、リィナみたいに光での攻撃するイメージが今の私には上手く出来ません」

 レィナは出来ない理由を述べた。

「確かに初めて使う精霊魔法。特に知らない物を使う魔法はイメージが難しい。僕の雷の精霊魔法もかなり練習したからね」

 シオンの雷の精霊魔法の時のことを話した。

「そうだったんですね」

 レィナは自分だけが難しいと思っているだけでないと思い少し安心した。


「でもシオン君。リィナは私が光と教えた直後に使えてましたよ?」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

 シオンとレィナは無言でリィナを見た。


「ねぇ・・・その目はなにかな?」

 リィナは二人の無言の圧力に少し押されていた。

「レィナ・・・リィナって時々すごいね」

「シオン君・・・私も今日それを実感しました」

 シオンとレィナはリィナが一発で光の精霊魔法を成功させたことに今更ながら感心した。


「ねぇ、それは誉めているの?」

 リィナは微妙な褒め言葉に困惑した。

「まぁ、一応は」

「誉めてはいますね」

「・・・ならいいのかな?」

 リィナは最終的に誉められたという認識で終わったようだった。



--------------------------



 シオンは大浴場で今湯船に浸かっている。

「ふ~・・・」

 やっぱり湯船に浸かると疲れが取れる。瘴気の魔物、猪の障魔にやられた脇腹の傷がレィナの治癒魔法によって完全に塞がっていた。

「やっぱりレィナの魔法はすごいよな~」

 シオンはレィナの治癒魔法のすごさには驚かされている。

「まぁ、リィナのあのイメージ力もすごいけど」

 リィナの光っていう単語ですぐに攻撃用の精霊魔法使えたのはすごいことだ。

 シオンの雷の精霊魔法もすぐにできたわけではない。何度も見て、練習して使えるようになったのだ。それをリィナは一回で精霊魔法を完成させた。


「そんなにすごい二人と婚約しているのはすごいことだよな~」

 シオンは一人でリィナとレィナの婚約者になれたことを誇りに思っていた。

「それに二人ともすごく可愛いし」

 シオンがそう呟くと

「「ありがとうございます」」

 とシオンの後ろ、浴場の入口から声がした。


「え?」


 シオンが振り向くと

「・・・来ちゃった」

「その・・・傷が心配でね?」


 バスタオルを体に巻いた姿のリィナとレィナが立っていた。もちろん下着類も着けていない、産まれたままの姿で胸もバスタオルから上半分が見えており、下の方も際どい位置まで素肌をさらけ出していた。


「ちょっ!え?二人共!何やっているのさ!?」

 シオンは突然のことで頭が回らなかった。

「だから・・・その・・」

「傷が心配って言ったじゃないですか」


 頬を染め、体を隠すようにしながらそんなことを言う二人、シオンはまだ頭が回っておらず、バスタオル姿の二人から目をそらすことが出来ずにいた。


「シオン君・・・そんなに見られるとちょっと」

「さすがに恥ずかしいです」

 その言葉でシオンははっと頭が回り始める。

「ゴ!ゴメン!」

 慌てて目を背け、謝罪する。

「別に嫌じゃないからいいよ」

「そうです。私たちから入ってきたのですから」

 そう言い二人はシオンの傍までやってくる。

「ねぇ、シオン君。体洗ってあげるよ」

「そのために来たようなものですし」

「それは・・・」

 シオンは最初断ろうとしたが、二人の顔を見て、すぐに二人がどんな思いで、こんな姿までしてここまで来たのか考えた。


「・・・よろしくお願いします」

「「はい」」

 そう答えるしかなかった。




 そしてシオンは腰にタオルを巻いた状態、椅子に腰を下ろし、二人に洗われていた。右側はリィナ、左側はレィナの担当らしい。

 背中を洗ってくれるのは気持ちよかったのだが、腕を洗われる時から、バスタオル越しに二人の胸が背中とか肩、腕に押し付けられてシオンは煩悩と戦っていた。

「どうしたの?」「どうしました?」

 最初は気持ちよさそうにしていたのに、途中から堅くなったのに気づき不思議に思った二人が聞いてきた。


「だだだ大丈夫!なんでもないよ、気持ちいから大丈夫」

 シオンは誤魔化すように取り繕った。

「ならよかった」「ならよかったです」

 そう言いまた洗い始める。


「シオン君、その・・・」

「前に行くのは恥ずかしいから・・・後ろから・・・」

「洗ってもいいですか・・・?」

 その答えに迷っていると左右から抱き付くように前に手を回し二人で洗い始めた。さっき以上に二人の胸が押し付けられている状態だ。

「ちょっと!?二人とも!?」

 シオンはさすがにやばいと思いやめさせようとし、立ち上がろうとした。

「「きゃ!」」

 突然シオンが動いたものだから二人は床が石鹸で滑りやすくなっていたため、バランスを崩してしまった。


 二人の悲鳴を聞いたシオンは謝罪しながら振り返る。

「ごめんっ!」

 振り向いた先に二人は女の子座りをした状態だった。ただバスタオルは衝撃ではだけていたため胸のほうも先端まで見えており、可愛らしいおへその下の方の足の付け根部分まで見えていた。


 その状態に気付いた二人は

「「・・・え?いやーーー!!」」

 流石にそこまで見せるのは恥ずかしかったのか、二人は悲鳴を上げて、体を隠すように丸まった。

「本当にごめん、見てない、見てないから」

 慌てて誤魔化そうとするが

「嘘だよ!絶対嘘だよ!」

「そうです!しっかり見ていました!」

 そのことは誤魔化すことはできないと思い

「その・・・ごめんなさい。とてもきれいで見入っちゃっていました」

 シオンは素直に謝ることにした。


「きききれいって」

「えと・・その・・」

「ごめん!変なこと言うつもりはなかったっていうか」

 三人共はほぼ裸の状態で混乱が続くのであった。



 三人は石鹸を洗い流した後、湯船に浸かっていた。流石にバスタオルは取れないので着けたままだ。

「リィナ、レィナ本当にさっきはごめん」

 シオンはさっきの体を見てしまったことに申し訳なく思っていた。

「まぁ、恥ずかしくて悲鳴は上げちゃったけど、嫌ではなかったから」

「そうですよ。だから謝らないでください」

「・・・二人共ありがとう」

「それにこのやり取りって、前に一回やったよね?」

 リィナが言ってきた。そう、このやり取りと似たようなことを、精霊の里でもやっているのだ。


「確かにあの時は下着姿でしたけど」

「・・・・本当にごめんなさい」

 シオンは思い出してまた謝り始めた。

「だから謝らないでって」

「今回は私たちが言いだしたことですから」

「「「・・・・・」」」

  三人は少しの間、沈黙が降りた。



「今後どうなるんだろうね」

 リィナがそう呟いた。

「今後って言うと?」

 シオンが聞き返すと

「それは今日他の人の前で戦ったこともあるけど」

「まぁ、なるようにしかならないよな」

「シオン君は不安にはならないのですか?」

「不安?」

「そうです。私たちの戦いが見られたことで何かが変わってしまうとか」

「・・・周りからの反応には確かに不安はあるかな」


 今日みんなの前で戦った翼竜。騎士団と魔道師団が組んでやっとのことで退け、討伐できる生物の一種だ。それをまだ学生である王女様二人で討伐してしまったのだ。周りからの反応は怖くなるのも同然だった。


「でも、僕がリィナとレィナに対するこの気持ちは変わらないから安心していいよ」

「「シオン君」」

 二人はシオンを見つめて

「「ありがとう」」

 そう言いながらシオンの両頬にそれぞれキスをするのであった。

 シオンは頭が沸騰するようになり、二人も慌てて顔を背けていたが、顔は嬉しさでいっぱいだった。

 そしてそのまま三人で湯船で温まっていた。




「一緒に着替えるわけにはいかないから先に上がっていいよ」

 シオンが先に上がらせようとすると

「え?でもシオン君の方が先に入ってたから先に上がっていいよ?」

「そうですよ、着替えたら一声かけていただければ」

 二人のいうこともわかるのだが、シオンは譲るわけにはいかなかった。

「僕が先に上がると・・・その・・・二人の着替えが・・・」

 そこまで言って気付いた二人は

「・・・そうだね」

「そうですね、では先に上がらせてもらいます」

 顔を赤くしながら二人は慌てて立ち上がり湯船を出て行こうとする。


「っ!」


 シオンは二人からすぐに視線をはずした。湯船に浸かったことで二人の体にぴったりとバスタオルがくっ付いていたのだ。

 二人はそんなシオンの様子に気付くことなく浴場を出て行った。

(最後まで油断ならないな)

 それから暫くして二人から声が掛かり、浴場を後にするシオンだった。

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