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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
十七、【ファミリー】
128/134

第128話

「ネットがすごいことになってるよ」


 透流さんもこちらに来てくれて、今のネットの状況を教えてくれる。ライブ中継はコメントの嵐だったそうだ。


 そして今まで公開してきた動画の再生回数もぐんぐん伸びている。


 なるべく見ないようにしていたがスマホの通知もすごいことになっている。SNSのフォロワーからの祝福のメッセージであふれていて、返信が大変そうだ。


 後でアーカイブを見るのが楽しみでもあるが不安でもある。けれどネットの皆のおかげで賞をとることができたのだ。なんらかの形でちゃんとお礼をしよう。


 【linK】はこれからもネットシンガーであり続けるのだから。


「息もれ治ってたじゃないか」


「はい! 色々調べてくれてありがとうございました」


「ドーモお義兄にいさん」


「やあ。MVPおめでとう義弟おとうとくん」


 柾輝くんと透流さんはようやくお互いの関係を把握したようだ。私を挟んで視線を飛ばし合っているのが気になるが、これも新しい家族の形ということにしておこう。


「二人とも、あっち」


 義父に示される方向を見ると、ゆっくりとこちらに向かってくる母の姿があった。


 私はごくりと息を飲む。柾輝くんが逃げないように服の裾を掴むと「ちっ」と舌打ちが聞こえてきた。また一人だけで逃げようなんてそうはいかない。


「お母さん、今日は来てくれてありがとう」


 その表情は読めない。ただ最後まで私たちの歌を聴いてくれていたことは素直に嬉しい。


「柾輝、凛夏」


 神妙に名を呼ばれ、ようやく柾輝くんも話を聞く姿勢を見せる。


 不意に母は後ろ手に持っていたものを私たちに差し出した。


 それは二つの花束だった。


「あ」


「まさか二人とも同じライブに出るなんて。昨日お父さんに聞いて驚いたわ。柾輝、凛夏。二人ともおめでとう」


「お、お母さん……!」


 花束を受け取って、私はそのまま母の手を取った。その手の暖かさと、音楽を受け入れてもらえた嬉しさにどうしようもなく嬉しくなる。


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