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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
十六、【アフター・ザ・ステージ】
124/134

第124話


 次は沢里が通販番組の司会になる番だった。


「どうでしたかうちの【linK】! 作詞作曲ぜーんぶ一人でやってるしピアノも上手いし歌もよかったでしょ! SNSやってますか? すぐフォローしないと損あいたたた」


「はいはいはいちょっと黙っててね」


 沢里の大きな体を無理やり引っ張ると、隠れていた女子たちの姿がようやく見えた。


 全員私の中学時代の部活仲間だ。雰囲気が少し大人びているけれど、見間違えることはない。ともに合唱で全国を目指した同期たちだ。


「今日は来てくれてありがとう」


「凛夏……ほんとに凛夏なんだね」


「うん、久しぶり」


 なにもなかったようにあいさつをすると、彼女たちはぐっと耐えるような表情をする。


「凛夏が音楽続けててよかった」


「え?」


 なにを言われてもいいように心構えをしていたのに、予期せぬ言葉がかけられた。


「凛夏、もう歌うの嫌になっちゃったかと思ってた。だって、最後の舞台があんな風に……」


「私たちずっと、凛夏に謝りたくて。凛夏はなにも悪くなかったのに、部が上手くいかないのを凛夏のせいにして、だから……」


「ごめんっ!!」


 そんな風に思われていたとは知らなかった。今日、ここで会わなければ一生知らなかった。彼女たちはずっと恨んでいると思っていた。全国の舞台を台無しにした私のことを。


 次々に頭を下げる同期たちに、私は閉ざしていた気持ちを打ち明ける。


「当時は正直きつかった。誰も味方がいなくて、歌うのが辛かった……でもいいの、もう。苦しかったけど、私はもう別の場所で歌える。歌うのが好きだし、曲作るのも好きだから」


 それを聞いた彼女たちは少しだけ硬い表情を緩めた。


「あのさ、」と同期の一人が切り出す。


「あいつ――元部長ね、今はどこか遠くの高校に行ったって聞いたから、もう気にすることないと思う」


「一応教えとく」と言う彼女に無言で頷いた。


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