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君の隣で歌いたい  作者: 三ツ沢ひらく
十六、【アフター・ザ・ステージ】
123/134

第123話

 沢里が前の学校に戻る?


 そんなことは考えてもいなかった。しかし彼らの言い分も分かる。音楽の道を志すならその専門コースにいた方がいい。


 沢里がいなくなってしまうかもしれない。


 一人で不安になっていると沢里は私の頭に手を置いて穏やかな笑みを浮かべた。


「俺はもう戻らない。お前らも頑張れよ」


「そ、そうか」


 沢里の答えにほっとしたが、本当にこれでよかったのだろうか。


 ただ、彼らに沢里の実力を見てもらえたことで沢里の心が少しでも晴れていればいいし、沢里の笑顔を見ると、きっと意味があったのだと思えてくる。


「あのー【linK】」


 ふと彼らに呼ばれたと思ったら、目の前に色紙が差し出される。


「サインください!」「俺も!」「シャツに書いて!」


「わ、わ」


「あー! お前らもう散れ!」


 ぐいぐいくる男子たちに気圧されていると沢里が追い払ってくれた。


 多分悪い人たちではないのだと思う。少しずつ歯車がかみ合わなくなって、沢里と上手くいかなかっただけで。そうなってしまうのはよく分かる。


「沢里、よかったの?」


 色々な意味を込めて沢里に問う。沢里はどこかすっきりとした表情で空を見上げて言った。


「ああ、いいんだ」


 その答えに私は黙って頷く。


 一度外れた歯車が戻ることはないかもしれないけれど。


 違う歯車が連なっていったその結果、別の形でまた繋がることだってあるはずだから。


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