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魔王はリア充を滅ぼしたい  作者: 藤原ゴンザレス
第4章 エルフの帝国編 ~おうちに帰るまでが革命です~
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最終話 『魔王はリア充を滅ぼしたい。』

 最終話。


 魔王はリア充を滅ぼしたい。


 勝手知ったるセシルの領主の館。

 今は宮殿と言われています。

 私はそこにいました。

 私の長い遠足もこれで終わりました。

 帰ってくるまでが遠足です。

 ……ミリアムもなぜか一緒に。

 テイクアウトしました。


「えっと……私が欲しいのは帝国であって貴女ではありませんけど」


 何かがおかしいです。


「私だって……私だって……こんなアホとおおおおおッ!」


 泣きやがりました。

 私何も悪いことしてませんからね!!!

 なんで嫁なんて話になってるんですかね!!!


 私たちは絶対神討伐後、サブちゃんたちの榴弾砲で帝都をぐるりと包囲しました。

 まー。絶対神に勝てない連中です。

 もう最初から我々となんて勝負になんかなりません。

 勿論、侵略には大義名分が必要ですので用意しました。

 ハーフエルフの解放と人権がうんたら。

 あと「ドワーフさんの拉致被害者を帰せ」とか言いがかりもつけました。

 ……本当に監禁してやがりました!!!

 結局、武器屋は帝国にドワーフさんを売ったのでした。

 はい。全国指名手配。

 草の根分けても全員見つけて地獄に落としてやります!


 ドワーフさんたちは見事、両親と再会できました。

 よかったですねー。

 んでもって、これを根拠に帝国を散々恫喝しまくって追い込んだら「帝国やるけど娘を嫁にして親戚になってメンツを潰さないでくんろ」って話になったので私の知らないところでシルヴィアがOKしやがりました。

 なにしてんのアンタ!!!

 私は横にいるシルヴィアに抗議の視線を向けました。


「愛人の一人や二人や三人や……百人くらいなんだというのだ?」


 そんなに管理できるかい!

 一人でも持て余すわ!

 だいたいアンタは知らない女と会話できないでしょ!!!


「で、どうするのだ?」


「なにがです?」


「帝国なのだ」


「適当です。とりあえずセシルとパイプライン繋いでー。マジックアイテム輸出してー。ラジオ局作ってー。輪転機持ち込んでー。BLを流行らせます(澄んだ目で)」


「死ねばいいのだ」


 あっれー? ひでえな。


「で、長期的にはどうするのだ?」


「そりゃ、民主制への移行です。もうねセシルには貴族なんていりませんよ。新しい商売。新しい技術。そして新しい価値観。……それと誰も責任を取らなくてもいい制度。(ぼそッ)……これからはスピードの時代です。政府の仕事を貴族が全部やる時代は終わりです。学校作りまくって議論がある程度洗練されたら適当に引退しますよ」


「そうか」


「そうです」


「そうだなそろそろ未来を考えないとな」


「そうそう。もう過去は振り切りました。あとは未来だけを考えればいいんですよ!」


 ところがそう上手くはいかないのが人生ってヤツです。

 いきなりハーフエルフさんが室内に入ってきました。


「ロリ王様!」


 またそれか!!!

 いい加減にしないとマジで決闘ですからね!


「あんたね! ロリ王って言うのやめてくださいっていつも言ってますよね!」


 ミリアムとの婚姻が決まったせいで、ロリを見たら手を出すという噂が立ちました。

 私も同い年なんですけどね!!!

 (このとき私はこの通り名が死ぬまで続くとは想像してませんでした)


「で、なんですか?」


「は、はい! 銀河パトロールと名乗る組織の代表が宇宙海賊クラウディアに手を貸して欲しいと意味不明なことを言いながら宮殿へ乗り込んできました! なんでも水晶☆暴威とかという宇宙海賊の討伐に手を貸して欲しいと……」


 へ?

 私はシルヴィアに目を向けます。


「あー……お前なにやってんのだ?」


 知りません!!!

 知りません!!!

 知りませんからね!!!

 私の前世は今度は何をやらかしたんですか!

 ねえマジで!!!

 そして更に混乱は広がります。

 今度はレイ先輩が飛び込んできました。


「おいアレックス! 惑○戦士を名乗る集団がスーパーハイエルフのクラウディアに会わせろと宮殿に来ている。なんでもこの惑星が冷凍庫とかいう地上げ屋に目をつけられたとか言ってるぞ!」


 ええええええー!

 意味わかんない!

 何一つ意味わかんない!

 そして次に来たのはゼスさん。


「アレックス様。前世の仲間と名乗るサトケンという人物が全ての次元を滅ぼそうとする魔王亜愚寐洲(なぜか発音できない)を倒すのに力を貸して欲しいと……」


 うわあああああああああああんッ!

 もう嫌だああああああああああッ!


 どこまでも前世が追いかけてきます。

 いったいクラウディアってナニモンなの?

 

 全て……全てリア充の陰謀に違いありません!

 私は泣きながら部屋から逃げ出しました。


「おーい。クラウディア! 宇宙テロリストを倒そうって銀河警察のギャ……なんだっけ?」


 エリザベスの言う事なんて聞こえないもん!


「おーアレックス。今手紙が来たんだが、今度は東の国で同胞がピンチだ!」


 ホルローもスルー。

 うわああああああんッ!

 逃げ惑う私。

 そして後ろから追ってくる人影。

 それはシルヴィアでした。


「あー!!! アレックス。いたいた! おいアレックス! 王国以外の周辺国全ての国がセシルに宣戦を布告した! 不当な領土拡大を非難するって言ってるぞ!」


 ああああああああああああああああああ!

 もう嫌だあああああああああああッ!


 これは全てリア充の陰謀です!

 絶対にリア充どもの陰謀なのです!

 魔王(わたし)は……リア充を滅ぼしたい!

 絶対に滅ぼしてやるのです!

 うわああああああんッ!



 魔王はリア充を滅ぼしたい(完)

 主要キャラその後。


 残りの絶対神


 みなまだ殺された方がまだマシなような悲惨な最期を遂げる。

 アレックスに喧嘩を売らなければ酷い目に遭わないということを最後まで学習できなかった。


 レイ先輩


 この数ヶ月後、残念キャラをかわいいと言ってくれる女性を見つけ結婚。

 一男二女をもうける。

 生涯アレックスに仕える。


 サブちゃん


 引き続き、拡大する領土の土建工事の重機オペレーターを育成する。

 その人柄が認められ晩年は議会議員に昇りつめる。

 それでも畑仕事と重機の運転はやめなかった。

 エルフと結婚し十二人の大家族を作る。


 ゼス


 嫁との間に子どもができる。

 アレックス王の腹心と呼ばれる将軍に。

 アレックスに生涯仕える。


 理事長


 その後も研究を続け、多大な功績をあげる。

 一般にはマナ式ブラウン管の開発者として知られる。


 スペード


 ハーフエルフ聖拳を極め、後世に残す。

 ハーフエルフ鳳凰拳がうんたらかんたら。


 ホルロー


 アレックスの嫁に。

 部族を再興する。

 ヘリのパイロットとして長年に渡り活躍した。


 エリザベス


 アレックスの嫁に。

 理事長の下で男の娘論で博士号を取得。

 HENTAI文化の伝道師として活躍。

 その後、別名義でSM小説を書いてたのが世間様にバレるが、彼女の残念な性格は知れ渡っておりダメージ無し。

 ちなみにその小説はエリザベスが「全て事実です」と最後まで言い張ったため正史として伝わる。

 アレックスは泣きながら否認したが誰も信じなかった。


 シルヴィア


 アレックス王の正妻として有名。

 けなげで儚い女性という歪んだ人物像が歌劇などで後世に伝わる。

 実際は、悪ノリしてアレックスの暴走に手を貸した。

 偉大な魔法使いと噂されるが、それが後世に伝わる魔法と同じものかはわかっていない。


 アレックス


 英雄アレックス王として有名だが、実際は 王 → 初代首相 → 知事 → 大統領 とどんどん肩書きがかわっていた。

 やることは何一つ変わっていないが。

 ホモ疑惑は数あれど誰にも信じて貰えなかった。

 三十八歳の時についに銀河系征服を成し遂げる。

 その時の言葉は「殺さないでください(震え声)」。

 生涯で打ち倒した怪獣は百を超える。 


 最後までありがとうございました。

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