少し話せたあの日。
4時間目の終わり。
「吉田先生。この前はありがとうございました。」
「全然。元気になってよかったよ。受験生なんだから体調管理もしっかりするんだよ。」
「はーい。」
少しやる気のなさそうな返事をする。
「休んでる間、何してたの?」
先生は質問してくる。珍しい。
「ひたすら寝てました。少し元気になった時は楽器してましたね!」
「最近何弾いてるの?」
「趣味のギターですね。Eyesの曲練習してます。」
「Eyesか〜!俺も最近聴くよ。」
音楽の話が少しできて嬉しい。
「何が好きですか?」
「夜と君が最近好き。」
「実はそれ、私が最近練習してる曲です。」
「お!いつか聞かせてね。」
「頑張って上手くなりますね。」
「楽しみにしてる。」
先生は私に向かって微笑む。
「それはそうとして、授業は大丈夫?ついていけてる?」
「大丈夫だと思います。」
「よかった。わからないところあったらいつでも聞いてね。」
「ありがとうございます。」
「給食だからもう行くね。長話しちゃってごめん。じゃあまた。」
「いえ、ありがとうございました。」
先生は自分の教室へ帰って行った。
先生と話せて嬉しかったな〜なんて思いながら手洗い場へ行く。あおちゃんは私に気を遣って先に行ってくれた。だからもう席に着いている。
ぱぱっと洗っちゃお〜
手をしっかり拭いて席に戻る。
「吉田と何長話してたの?」
「吉田って、、先生ってつけなさいよ。そこまで大したことじゃないよ。休んでたからその話。」
「おー?そう。わからないところあったら俺に聞きなよ?」
「私よりおバカなくせに、、」
「少しくらいカッコつけさせろよ。」
「意外と頼りになるからいつかお願いするね?」
私は天使のように微笑む。
「胡散草」
隼人は鼻で笑い、家から持参したラノベに目を落とす。なんでカバーもかけずに堂々と読めるんだよ。尊敬しちゃうぞ。
私もそんなことを考えながら図書室で借りた本を読む。
そして、たまに先生と話せたことを思い出してニマニマする。




