忘れられない何気ない思い出。
登校中、私はため息をつく。
あれが夢じゃなかったらなぁ。そしたらもっと話聞けたかもしれないのに。
Eyesじゃなくてもいいから。特に有名な誰かじゃなくても良いから。
「おーはよ!」
後ろからドンっとぶつかられた。小鳥遊蒼葉だ。
「あおちゃんおはよ〜朝から元気だね〜」
「そりゃあ元気だよ!たくさん寝たからね」
あおちゃんはドヤ顔を決める。
朝なのにギラギラと眩しい太陽が辛い。
「小鳥はあんま寝れてないの?」
「いや、結構寝たんだけどね、、」
あんな夢の話できるわけないし。てか、話したら現実にならなくなっちゃうし!
「悪夢でも見た?」
悪夢じゃないけど図星っっ
「それはないと思う」
私はそう言って笑う。
「そっか〜」
「あおちゃん、今日朝練は?」
あおちゃんは陸上部だ。あおちゃんはめっちゃ強い。だから校内でも有名だ。
「ないよ〜!今日は放課後も部活ないから一緒に帰ろ〜!」
「ごめん今日部活。」
「そんな〜」
ちょこっとなよなよしている。
話していると校門が近づいてきた。
「そういえば今週の挨拶担当、鷹ちゃんとわっしーだったね。」
鷹ちゃん、、、吉田先生!
「なんか小鳥、嬉しそうだね〜もしかして?」
あおちゃんはニマニマしてみてくる。
「最近吉田先生と少し仲良くなったの。いいでしょ。」
「そっちか〜」
「まぁね。」
「まぁねって何よ。」
2人で笑っていると鷲巣先生が挨拶をしてくれた。
「おはよ〜」
「おはようございます。」
「あ!わっしー髪切った?」
あおちゃんはそのまま鷲巣先生に話しかける。そのコミュ力、本当に尊敬する。あおちゃんは高く結んだポニーテールを揺らしていた。
「お、おはようございます。」
私も朝から勇気を出して吉田先生に話しかけた。
「おはよう。」
返事してくれた。嬉しい。泣ける。だからと言って私はあおちゃんみたいに話を続けたりとかはまだできないから先に靴箱へ向かう。
あおちゃんが話しかけたのはこの学校の体育の先生で陸上部の顧問、鷲巣敬太先生。私はあんまり関わらないけれど、あおちゃんは陸部で大活躍しているから仲が良いみたい。
教室に着くといつも通り前から2列目の真ん中あたりの席に座る。特にアニメや漫画でよく出てくるような窓側の主人公席とかではない。悲しい。でも授業のとき、先生のことがよく見えるから良い。
吉田先生と鷲巣先生は同期らしい。少し似ている部分があったりなかったり。2人とも運動部の顧問っていうこととか。鷲巣先生は陸上部で、吉田先生はサッカー部の顧問。あとは同期だから年齢が同じで、あと身長も同じらしい。私も何か吉田先生と共通点欲しいなぁ。




